久々の武蔵野館で、新世代香港映画特集2023「
縁路はるばる」見ました。
「香港の辺境ばかりを巡る恋愛ロードムービー」という、自分で書いててもよくわからない設定に興味津々でスケジュール入れてたし、チケット取ったわけです。
でさ、原題見た時に、
「遠路」じゃなく「縁路」だ!なるほど!!!思ったら、単に
邦題をちゃんと見てないだけでした。ギャフン。
そうじゃなく、途中まで淡泊というか、食い足りない感じというか、なんだベな・・・
思ってたら、
俺の見方が悪いのです。ロードムービーではないのだ。この映画。
これ実は「
スーパーバッド 童貞ウォーズ」なのだ。男の子の男の子による、男の子の映画なのだ。
そうだったんか・・・設定考えればわかる話だ。ロードムービー期待した俺が悪い。
とくに、終盤の車中で主人公ハウ as カーキ・シャウと幼馴染み兄弟の計3人が揃ってるところとか、完全に会話のテンションがDTじゃないですか。ホント気持ち悪い(笑)
ちなみにたしかに、リサ asハンナ・チャンが一番美人だとは思うのだが、彼女にするならメラねえ as ジェニファー・ユーが一番いいのは全面同意。
しかし、アレぐらいの女の子に惚れてもらうとか、
完全に童貞の幻想ですよ。絶対にねぇ。絶対にねぇんだ!(血の涙)
出来れば、ミーナ as レイチェル・リョンに騙されて全財産持ってかれて欲しかったし、禁止区域に入って捕まって欲しかったのだけど、そこまでやったら、このサイズの映画では収まらないですよね。残念。
童貞が幸せを得るのには、
もっとしょーもない不幸を味あわないと駄目だよ!!!
閑話休題。
香港映画なのです。
劇中「大陸の資本」とはいうけど、「中国の資本」とは言わない。
香港の国旗は映るけど、中国の国旗は映らない。
父親は大陸に移住して子どももいるけど、当人はそんなこと考えてないし、友達はイギリスや台湾への移住を考えている。
「5時間ぐらいで行ける場所」として出てくるのは、中国ではなく台湾や東京や沖縄だ。
借りた車がBMWだったのに対して、買った車はスズキの小型車。中国車ではない。
香港映画なのです。
検閲に引っかからないように、しかし、香港の明確なリアリティ。
だって、21世紀の今現在。「一つの中国」と宣いながらも、国境沿いの集落には許可が無いと入れないんだぜ(辺境禁区)
なにが一国一制度なのか。
微妙なAIがナビゲートする世界は50kmぐらいの範囲で、赤平を中心にすれば岩見沢ぐらいまでで収まる狭い世界だ。
けれど、そこには山があり、海があり、島がある。
だからビジュアルは映えるし、移民やスクラッパーや貧富の差が描かれる。
圧倒的に狭い世界で、圧倒的に偏った人種で、けれど、多様に描かれる恋愛模様は、香港ならではなので、やっぱりもう一回香港行きてぇなぁと。
あと、パンフ読むまで気づかなかったけど、そうね。MTRが無かったね。
意味があるらしいのだけど、ググった感じだとこれかな?
なるほど・・・
基礎知識的に、パンフが必要だと思ったが、パンフもあえて詳しく説明しないコンセプトだった。
けれども、これは読んだ方が良いパンフ。
俺の理解もそこまで間違ってなくて一安心でした。
あと、しいて言及しておきたいリアリティは、香港人は声を吹き込んでチャットアプリを使用してるってこと。
ピンインで入力するより、音声入力の方が速いからだよね。たしか。