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作品名記述者記述日
ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男唸るバクテリア2025/07/04★★★★

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このところ映画見に行くタイミングを逸してたのだけど、久々に武蔵野館で「ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男」見ました。
普段映画見ない感じの老年夫婦がデートコースムービーで見に来るカオス!
そんな映画じゃねーだろ。
なんだかいつもと違う客層で、前に座ってたヤツ(超頭デカい)は、無音のエンドロール中に大ボリュームで鼻啜るし、だいぶ遅れて入ってきたじーさんはビニル袋バリバリ鳴らし続けるし、なかなかカオスみが強いのだけど、なにより武蔵野館がQRコード入場になってた!!!

でだ、滅茶苦茶面白いのだけど、二度と見たくないし、本当に気持ち悪いことこの上ないというのが素直な感想。
おそらく、世の大半の経営者的な人たちは大なり小なりゲッベルス as ロベルト・シュタットローバーと同じようなこと言ってるので、
ゲッベルスか!
ってツッコミを入れるのが、政治的に一番侮辱的なんだろうけど、たぶん、彼らはゲッベルスを知らないので通じない。
なんのことはない。反知性的なのだ。
となれば、やっぱりイーロン・マスクがナチス式敬礼するのも納得じゃないか!
結局その程度なのだ。
そしてなにより、戦後70年とか経ってるのに、糞も人間性は変わってないのな。阿呆か

にしたって、この映画なかなか複雑な構成である。
ドラマパートと実映像がシームレスに接続される。故に拒絶は混沌とする。
映像は、わりとポピュラだったりもするから、1940年代に引き込まれる。
パンフによると、第三帝国が消滅したため、映像素材はすべてフリー素材らしいのだ!
オマケにだ。ちょいちょいカラー化されてる映像が流れるのだ。
辛い・・・
ユダヤ人の虐殺映像もガンガン流れる。
リアルの絞殺をあんなに長々見たの初めてだよ。
辛い。本当に辛い。
そしてなにより、ここで一番突きつけられるのは
お前ゲッベルスに流されない自信あるのか?
です。ヤだ。辛い。そこまで人間強くない。無理。
ヒトラー as フリッツ・カールは麻原彰晃よろしく二言目には「処刑」言うので、ガチでデッド・オア・アライヴなんですよ。わけわかんねぇ。
とはいえ、しばしば劇中でプロパガンダがウマくいっていないことが言及されている・・・
なるほど。宣伝の魔力というレトリックは国民を「情報弱者」として免罪するが、それは自己欺瞞にすぎない(パンフの佐藤卓己コラムより)

実話なのでアレだけど、ゲッベルスと妻マグダ as ウランツィスカ・ワイズの関係はなかなか面白い。
当初は倦怠夫婦だったのが、いつの間にか仕事というかヒトラーに飲み込まれて、ヒトラーのために夫婦をやりきったどころか、ヒトラーが死んだ翌日に子どもを皆殺しにして自害するのだ。
なんなのだ?この夫婦関係。
たしかに、誰もが生き延びたところで、幸せな生活みたいなものは残されていないのは確実である。
戦犯なのはもちろん、いつ虐殺される側に回るかわかったものじゃないだろう。
でも、パンフでのウランツィスカ・ワイズが形容するところ、ゲッベルス一家はインフルエンサー一家なのだ。
あんなにもかわいがっていた子ども(6人!)を殺していく過程たるや。
想像するだに阿鼻叫喚なのに、たぶん、ドライに進むだろう絵が浮かぶ
むしろ、その一日こそが一番みたい。
にしたって、このゲッベルス役は辛いよなぁ・・・
実際、パンフによると、ロベルト・シュタットローバーはこの役引き受けたくないと思ってたそうだし。

なお、今年のセリフ・オブ・ザ・イヤー決まりました。
そろそろ愛人が欲しい
by ゲッベルスさんです!おめでとうございます。

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