「
赤塚不二夫生誕80周年企画 マンガをはみだした男」見ました。
まさか、
泣くとは思ってなかったので、自分にビックリ。大丈夫か?俺。
近しい人へのインタヴュ中心にドキュメンタリーとして真っ当にできてるんだけど、それでもなお、不在をずっと見ていて感じる映画で、一人は藤子不二雄A先生。一人はタモリ。
もちろん、本当であれば
石ノ森章太郎の不在が大きいんだけど、こればかりは仕方がない。
A先生は、F先生が残したフィルムに映ってんだけど、むしろ、フジオプロの力を持ってしてもA先生に話が聞けないのかと思うと、図らずも容体の悪さを察してしまって、それだけで泣けてしまう。
時は過ぎるものだ。
赤塚不二夫でさえ昭和の幻想にすぎない。A先生であればなおさらか。
逆に、ちばてつやの元気さには恐れ入るんだけども。
と思ったら、パンフ読んでると、
二人ともインタヴュウ対象外だったのね。ちょっと、ここの意図は知りたい。
そしてタモリ。
弔辞を劇中で引用するとは思わず、映画解釈として驚きを禁じ得ないというか、映画としては、あの引用は失敗だと断言して構わないんだけど、
しかし、泣くね。泣かざるを得ないね。
エモーショナブルには、ジャストな引用。
それはともかく、タモリの不在は、明らかに最後、エンディング曲の感動、それはU-zhaanという
日本屈指のポピュラリティを秘めた大陸音楽の奏者と唄い上げられるとこにあって、つまり、過去のことは過去のことであり、今、きちんと
最新の面白いことができるならば、それでいいのだと。インチキなインド語(?)によって語られるわけだ。
その説得力を過剰なまでに導くためには、途中、タモリの挿話はあっちゃいけない。
なにより、
赤塚不二夫の作品に話を訊いちゃいけないんだ。
だって、そんなの普通のドキュメンタリーからしたら狡いじゃん。
にしても、アラーキーの撮った赤塚不二夫は本当に素晴らしい。
青葉市子のナレーションも良かった。藤田陽一も思いの外。実際、藤田陽一は最後に撮ったのに結構軸のような構成だったもんね。
水野英子とか土田よしこ、森田拳次なんて、初めて見ました。
「炉ばた焼 権八」や「白雪鮨」には行ってみたい。
逆に、FROGMANはよく出てこれたなぁ・・・
あわせてタマフルの「さいとう・たかを特集 by みなもと太郎(
Podcast /
書き起こし)」を聴くと、もの凄い平行世界が見えてきて面白い。
日本の漫画史において、この映画とタマフルの特集が参照されないと嘘になるよね。
久々に真面目に漫画の話がしたい気もするが、周りにいる人でついてこれる人がいないのが問題だよなぁ・・・