雑感・レヴュ集
メタセコイア
映画

作品名記述者記述日
ホテル・ルワンダ唸るバクテリア2006/07/09★★★★

本文中のリンク先には、アフィリエイトを含むことがあります。ほぼお金になってないですけど。

僕らがこの国に生きているのは、僕らが思う以上に奇跡的なことなのかもしれない。
たまたま赤平って北海道の寂れた田舎町に生まれた僕は、幸か不幸かこうやってWebで駄文を書き垂らすことができてるし、ホントに脳味噌が脂肪塊の上司にヘコヘコしたり、くだらないミスで凹んでみたりできてる。
きっと、きっとだけれど、僕は運がいいんだ。
生とか死とか、スクリーンを通してしか虐殺を見れないとか、「怖いね」と言ってディナーを続けれるとか、きっと、きっとだけれど、僕は運がいいんだ。
そんなことを、エンドロールに合わせてかかる「MILLION VOICES」を聴きながら考えた。

悲劇的にアフリカを、ルワンダを唄うのではなく、素直に、あけすけにルワンダを唄う「MILLION VOICES」。
おそらくそうでなければ、ルワンダで行われた虐殺が、宗主国の傲慢によって引き起こされる各種内乱が、本当に架空のTVの向こうの現実になってしまうのだ。
地続きの現実として扱うには、悲劇としてではなく、多少シニカルでも僕と同じであるかのように振る舞わねばならない。
広大な想像力も、きっかけがなければただ広いだけだもの。

当然と言えば当然なのだけれど、主役が主役だけに、金持ちの映画に見えてしまう。
外じゃ虐殺が行われていて、ホテルの中は難民みたいな人たちで溢れてるのに、屋上で嫁さんと酒を酌み交わすか?
思うことは思う。
でも、だからこそ。と、考える程度の柔軟さは持っているつもりだ。
だけど、やっぱり鼻についたことは否めない。

死を望むのはとても近代的な欲求なのだ。
ちょっと凹んでたあとだったから、余計にそんなことを思った。
僕があの時ルワンダにいたら、なにをしていただろう?なにができただろう?
あっさり殺されてるとは思うのだけど、今の僕が時々死を望むように死ねはしないだろうから、きっと、死の直前まで「死にたくない」と叫んでるんじゃないかなぁ。

君らは“ニガー”以下のアフリカ人だ。だから軍は撤退する。虐殺を止めもしない。

広告

BACK

雑感・レヴュ集 メタセコイアBANNER
(C) Copyright Unaru Bacteria,2006
e-mail bacteria@gennari.net