たぶん、お洒落ぶって気持ち悪ぃ!思うんじゃないかと思いつつ、予告編で吉澤嘉代子が心地良く響いてきたので、悔しいかな「
アイスクリームフィーバー」見ました。
吉澤嘉代子出てるの気付かなかった!マジか!エンドロール見てびっくらポン。
そうじゃなくて、オープニングとかパンフとか、もしかしたらゴダールあたりをやりたかったのかもしれないけど、あるいは、ウェス・アンダーソンみたいなこと(ウォン・カーウァイ力が低いので、ウォン・カーウァイには気づかなかった)をしたかったようだけど、オープニングで「これは映画ではない」と予防線張ったり、画角を正方形(正確には4:3だったらしい)にしたり、
言い訳ばっかりじゃないか!といった。
厨二病映画なんだから、そゆとこ日和ったら駄目でしょうに。
だせぇ。
けれども、しかし、なんと、良いのだ。松本まりか as 高嶋優だけは。吉岡里帆 as 常田菜摘よりも圧倒的に松本まりかの映画だった。
最高じゃないか。松本まりか。
わりと近くに住んでるハズだから、酒呑みに行きたいぞ。松本まりか。
「
泥棒猫 」と笑わずに叫べるなんて、
そんなの松本まりかぐらいにしかできない気がする。
でもって、姪を怒鳴るシーンの芝居が秀逸。
ビッグシルエットのトレーナー着てるの最高に可愛い(馬鹿)
衣装コーディネートはシーズンレスだったらしいのだけど、いや、待て。
あんだけ蝉鳴かせといてシーズンレスって、どゆこと?
つか、全体的にシーズンレスが90年代の渋谷感らしいのだけど、そうなの?そういうものなの?
本来は吉岡里帆が好きなんですよ。
でも、ちょっと、吉岡里帆は吉岡里帆しか出来ないのかな?という気がした。
松本まりかも松本まりかしかしていない気はするのだが、芝居の濃淡というかメリハリが良かった。
そゆ意味では、吉岡里帆を巧く演出出来ない監督が悪いのだが、安達祐実 as 高嶋愛は良かったので、
単に、役者の力量に依存してるのだ。この映画というか芝居。
じゃあ、監督の本業に近しいカット割りが良かったかというと微妙で、パンフでFPMインタヴュ中に触れられてる、モトーラ世理奈 as 橋本佐保と吉岡里帆のアイス作成シーンの音楽使いが面白かったぐらい。
そのシーンだって、スプーンで叩いて「
カチカチだ 」言ってたアイスが、その数分後にはベチョベチョに溶けててアイスの掛け合いできたり、蝶が止まれるほど固かったはずのアイスが、蝶が離れた数秒後にはベチョベチョに溶けてて、まさか1年後まであとが残ったり、
イメージカットとはいえ、なんだかなぁとは思うのです。
「雰囲気」って、
<font size=“5”>そんなのただの言い訳じゃん</font>。
テーマソングのハズの吉澤嘉代子「氷菓子」の扱いが良いかというとやっぱり微妙。
もちろん、スケボー奪って走り回るシーンは良いが、虫があんだけ鳴いてるわけだから、汗ぐらいかかせろよと。
つかね、さっきも触れたけど、シーズンレスだからって、夏のガジェットに長袖で、冬の歌をテーマソングに置いた上で、エンディングがオザケンの「春にして君を想う」ですよ。
それはシーズンレスじゃなくて、
ただのサイコじゃん。
で、パンフ見たら「タランティーノ」ですよ。
タランティーノを言い訳にしちゃ駄目だろ。
シネフィルだから映画をリミックスしてマッシュアップするのが許されるわけじゃん。
曲を知らないDJがリミックスしても楽しくないでしょ?
「映画製作をデザインする」とか「映画を作らない」とか宣言したのであれば、タランティーノを言い訳に持って来ちゃ駄目だろうに。
そゆ
中途半端な日和りっぷりが、日本で「クリエイティヴ」口にする人たちが気持ち悪い理由。
「渋谷系」言いたいから、パンフに渋谷直角持ってきたり、BOSE連れてきたりもなんだか。
結局、最終的な感慨は「川上未映子巧いなぁ。小説」みたいなことにならざるを得ない。
もしくは詩羽 as 桑島貴子を踊らせたかっただけなのだが、吉岡里帆の心理表現でもなくて、
詩羽を失恋させたかっただけのように見えたり。
そこは意識してたのかもしれないが、パンフ見てたら、途中で方針変わったみたいだしなぁ。
しかして、パンフでBOSEが言ってたけど、かわいい役者さんばかりの映画ではあるので、目には楽しい。
吉澤嘉代子は気づかなかったけど、ちょっと丸くなってたのね。
で、男性陣は気持ち悪ぃ。と思ったらマカロニえんぴつのヴォーカルだったし、吉岡里帆と安達祐実が奪い合ったのがジャルジャル後藤だったりと、残念な感じのギャップは良かったかなぁと。
にしても、この中で片桐はいりは凄いなぁ。見事だなぁと。
あの服着こなせるのは片桐はいりだけじゃないか?
でもって、モトーラ世理奈の平熱な表情は大変素晴らしいので、ポストカードが欲しいです。
南琴奈 as 高嶋美和も雰囲気がある役者さんなので、ここから伸びてきそう。
いずれにせよ、エンドロールで監督名が、
ビシッ!とスクリーン真ん中で止まった瞬間に爆笑してしまいました。
この内容で男性監督だと、ただキモいオッサンの幻想にしか見えない。
パンフで枝優花に「好みが近い」とか言っちゃうあたりも本当にキモい。
結果、当初の想定通り、お洒落ぶって気持ち悪ぃ!だったのでした。
予感は当たるんだから
見なきゃいいのにね。