雑感・レヴュ集 メタセコイア
邦画

作品名記述者記述日
君は永遠にそいつらより若い唸るバクテリア2021/10/21★★★★

本文中のリンク先には、アフィリエイトを含むことがあります。ほぼお金になってないですけど。

空虹さんが大好きな津村記久子原作の映画「君は永遠にそいつらより若い」見ました。
なお、空虹さんからは、
面白かったら見に行く
と言われており、なんだか責任重大。
超久々のテアトル新宿だっけど、アレ?客の質がこんなに低かったっけ・・・?
それはそうと、パンフが一部1800円!まさかの1800円。
びっくりというかあんぐり。ぴえん。
しかも、流石に1800円なだけあって、いくら読んでも読み終わらない(笑)
台本まで全部付いてるんだぜ!ぶ厚い。
閑話休題。
ああ、たしかにこれは空虹さんが好きなヤツだ。
っていうのが素直な感想。あの会話な感じはいかにも空虹さん。
だけど、この原作、読んだことはないのだけれど、こなすには監督の腕がまだ足りないかな?とも。
映像的にフレッシュな部分はママあるし、表現上致し方ない場面もあるのだけど、やっぱり一番は、じゃあ、誰がどいつらより若いのか?ってところが、ややボンヤリしてしまった印象。
もちろん、クライマックスな台詞ではあるのだけれど、「そいつら」であるところの社会とか世界とかに対して、必要なこととはいえ、話のスコープを絞ってしまったから、あくまでもホリガイさんの話でしかなくなってしまった印象。
そうそう。空虹さんにパンフで各キャラの名前表記が漢字だと言ったら何故か俺が怒られたので、本稿ではいずれもカタカナです。
ある意味では、監督は自分の力量を弁えていて、その範囲内で適切な取捨選択をしたとも言えるけど、たぶん、この物語はもうちょっと良い作品に仕上げられただろうという見通しがあるので、そこはなんとも残念で仕方が無い。
でもね、でも、役者陣はいずれも素晴らしいのですのよ。たまらん。
まずはなんと言っても主人公、ホリガイ役の佐久間由衣ですよ!
髪の赤さ(絶妙な生え際黒)と妙にポッテリした唇が格別で、むしろこの人は、黒髪の方が似合わないと思ってしまうぐらい。
いや、超真面目な話、黒髪だとミステリーハンター@世界ふしぎ発見!でいそうだな。ぐらいの娘なんですよ。ゼクシィのTVCMの娘と知って、あっ!!!とは思ったけど。
それが、この映画全般での圧倒的なリアリティと説得力!
もちろん、イノギさんとのやり取りは最高なんだけど、個人的には、ヤスダのチンコをなんだかんだで見なかった件ですよ!
だって、処女が童貞巨根のチンコ見ないっていう、とんでもなくしょーもないシチュエーションにリアリティを与えるって、んなもん無理ゲーが過ぎるでしょ?
でも、それを成し遂げなのは、紛れもなく役者の腕ですよ。お見事。
んで、イノギさんですよね。イノギさんの奈緒にしろ、佐久間由衣にせよ、普通にしてる時のがよっぽど美人なんですよ。恐ろしいことに。
作中の戯画的でありつつも、妙にリアルな人物造形って「微妙に美人」あるいは「微妙にブス」な感じがあればこそなんですよ。
なので、あの娘のことなんかを考えたりもした。
んで、パンフで原作者が一番気にしたシーンを発言していて、「なるほど!そこか!!」と思いました。
それを気にする原作者とOKもらえた監督であれば、見たモノを悪くは感じなかった自分の感性も肯定される。
あと、小日向文世の息子と知って衝撃を受けた小日向星一も含めて、この3人が1995年生まれというのは、この映画が説得力の担保になったんじゃないかなぁと。
じゃなけりゃ、どうしてホミネやオカノや、糞みたいな論理でホリガイを詰めてた先輩に到るまで、愛おしく思おうか?いや、思わない。
そして、そのリアリティは、40になろうとしているオッサンにとっては、とても眩しくて、ああ、なんだかんだでやっぱり、あの大学時代の凄まじく濃くて短くカオスだった2年程度に戻りたい衝動に襲われ、そして、ホリガイとイノギさんが接点を持つ講義後の余白に対する、どうしようもない羨ましさみたいなのを抱くのです。
あのカオスはもう味わえないんじゃないか?という残念さも込みで。
あるいは、カオスに踏み出せない老化というチキンっぷりを自虐して。
だからやっぱり、周りで見てたオッサンにハマる気は到底しなかったけど、俺には面白い映画だったし、なおさら、もうちょっと行けたんじゃないかなぁと、悔しい気もする。
つまり、1コ下の映画監督がこれ含めて3本しか長編を撮れてないのは、そういうことなのだ。
でも、もしかした、10年後ぐらいにディレクターズカットし直したら、傑作になるかもしれないな・・・

広告

BACK

雑感・レヴュ集 メタセコイアBANNER
(C) Copyright Unaru Bacteria,2021
e-mail bacteria@gennari.net