スケジュールと睨めっこした結果、見れそうだったので噂の「
キムズビデオ」を見ました@新宿武蔵野館
はじまる直前に目薬と財布を落としたのだけど、財布落としたのに気付いてなかったので、
自分でもどうかしてたよ!
だって、
映画がどうかしてるのだもの!!!
まさか実録犯罪物だとは思いもしなかった。しかも、
「
僕はキムズビデオだ 」
ですよ。どうかしているどころの騒ぎではない。思わずヒイロ・ユイのことが思い浮かぶのは、わたしだけじゃないハズだ(馬鹿)
そもそもの話が、
キムズビデオの存在自体がイリーガルなのだから仕方がない。
イリーガルに対するノスタルジィって、倒錯ですらある。
そして、もうひとつ「fair use lawyer」というテロップ(パンフには直訳で「フェアユース弁護士」)
えっ?なにそれ?
たしかに大量に映画が引用される。
劣化コピペビデオテープに宿る映画の亡霊ってなんだよ!
むしろ、映画の亡霊はキムズビデオを祟ってたんじゃないのか?と思うのだけど、ジャッキー・チェンは生きてるよ!とか、<なお、彼のキム御大はタランティーノの名前を出してたので、タランティーノが好きな模様。
ってそうじゃなく、コーエン兄弟は
600ドルの延滞料を放免されたのだから、映画に貢献したという事実はたしかにある。
倒錯の複雑骨折。
この辺はもうパンフの福井健策コラムが抜群に素晴らしい。まさか柳下毅一郎より良いコラムを寄せるとは思わなんだ。
さらに、闇は深いことだけチラ見せする。
何故か亡くなったジャーナリスト。
マフィアの存在。
吠える犬。
政治家としてイタリアで偉くなる人。
自分をアげることで罪を放免するサレーミ市長。
巨悪はいるのだけどその輪郭を掠めるだけにしておいて、物語は小さくハッピーエンドに着地する。
たしかにゴダール的というかジャン=ポール・ベルモンド的と言えるかもしれない。
なんだこの映画?ホントにドキュメンタリーなん?
変な映画。
いや、もっと適切な日本語がある。
狂った映画。
なお、パンフは1500円したのだけど、これは凄い。
どうもZINEと呼んだ方が適切っぽい「南海6号」だけど、こんだけ詳細解釈しておいて、説明書きに「What's this?」書いてるジャケがあって、どんだけカルト映画なのか?と興味も湧く。