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作品名記述者記述日
エンドロールのつづき唸るバクテリア2023/03/09★★★★★

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予告見た時から、傑作確定!みたいな気分でウキウキと「エンドロールのつづき」見ました。
ヤだ。なにこの映画。
流石インド映画全部入りじゃないか!最高!!!
というのが素直な感想なのだけど、もう今年ベスト決定じゃないですか。主演賞も。
主人公のサマイ as バヴィン・ラバリが可愛くて仕方がないのだけど、それはショタ的ななにかとかではなく、人間として抜群に可愛い
表情が素晴らしい。
見た人全員ファンになる。
素敵!最高。早く売れろ。世界中で売れろ!
んでね、まずはなんと言ってもフード映画なんですよ。
ご飯食べてから見てたのだけど、カレー見てから食べれば良かった。否、カレー食べてから見に来れば良かった
お母さん as リチャー・ミーナーが美人さんなんだけど、スパイス準備してる姿や調理してる様が、いちいち絵になるの。素敵。しかも、おいしそう!
食べてる姿も素晴らしいの。
サマイが少年院にいる間の食事シーンで、お父さん as ディペン・ラヴァルとお母さんの食事シーンに妹がいなかったの謎だけど、それ以外は、出てくる人たちの食事シーンがいちいち良い。
おいしそうにご飯を食べているのだ。幸福な食卓。
それが映写室でも学校でも家でも。
しかもなんと、パンフにレシピまで出てるんだぜ!最高じゃないか。バーレラ・リンガナ食べたい。超食べたい。

次にフィルム愛の映画だったのだ。
原題が「Last Film Show」だったので、あまりに邦題と違うからなにかと思ったら、終盤の凄まじい展開。
オープニングあたりで2009年ぐらいだと言ってたわりに、ヤケに生活感が古いなと思ってはいたのだけど、そうか!これはインドだからか!
しかもたぶん監督のパン・ナリンは俺と同年代というかちょい上だから、自分の記憶と重ねてるのか!!
オマケにかなりのシネフィル!どうかしてる!!
この映画、フィルムで見たかった。フィルム上映する映画館ないかね?
んで、原題が暗示するとおり、フィルムの終わりが描かれる。
映写機とフィルムの転生が描かれる。淡々と描かれる。
何故淡々か?それはラストシーンのため。
そして、フイルムの終わりに重ねられるサマイの幼年期の終わり。
なの、泣くしかないじゃないか!
予告編からして予期してしかるべきだったのだけど、幼年期の終わり映画だと思わなかったので、涙が止まらない止まらない。
それは通過儀礼的に少年院を出たからこそでもあるのだけど、なによりも映写機を作り上げたからなのだ。上映会を開催できたからなのだ。
たとえ盗んだフィルムでも。
そして、それをお父さんが見たから、田舎を出る少年の映画となる。
なの、嫌いになれるわけがないじゃないか!
あの歳で子どもを都会に出すの?という気もするのだけど、インドだしね!
もう、最高。
好き。

他にも、自転車爆走映画に外れなし!とか、いちいち乗り物派手だな!とか、光の描写が見事だなとか、チューリーは綺麗だけど経緯的に泣けてしまうとか、インドでも英語わからないのは人生変わるんだなとか、結構細かいギャグ入れてくるどころか、最後の最後でそんなんぶっ込む?とか、マッチの火を眺めるシーン、意味無くね?思ったらオマージュだったりとか、いろいろ言いたいことはあるのだけど、ラストシーン。
勅使河原宏が日本人で一番最初に出てきたのがビックリでした。
ああ。この監督は本当にシネフィルなんだなぁと、しみじみと。

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