雑感・レヴュ集
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作品名記述者記述日
メトロポリス唸るバクテリア2001/06/08★★★★

本項におけるU・Bの評価は基本的に好きな気持ちが前面に出過ぎてあてになりません。

マグマ溜まりは主観only(ここの719参照)で書いてるはずなので、こちらは少しクールに。

アニメの歴史を語る上でターニングポイントがいくつかある。
「ヤマト」だったり「ガンダム」だったり「エヴァ」だったり。
しかし、もっとも大きなポイントは誰がなんと言おうと日本初のシリーズTVアニメ「鉄腕アトム」だと思う。
そして、このメトロポリスの原作もアトム同様、故手塚治虫。

驚くことにアニメだけでなく、映像メディア全てにおいて今この時代は「エヴァ以後」と認知されている。
当然この「メトロポリス」もエヴァ以後に含まれる。
それなのに、恐ろしいまでに話が、見せ方が古い。
「タイタニック」や「パールハーバー」が裸足で逃げ出すほどのCGを使っているのに、古い。
でも、それがものすごくかっこいい。
ホントはここで原作との比較を入れたいのだけど、すみませんまだ未読です。
でも、パンフを見た限り、「原作:手塚治虫」と言うより「原案:手塚治虫」として見た方がいい。
それは、今が「エヴァ以後」だから。

と括ると絶対反発する人間たちが作っているところがこの映画のミソ。
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音楽サイトらしく音楽の話からはじめましょう。
やられました。JAZZです。Oldiesです。レイ・チャールズ(スペル失念)ですよ。あーた。
JAZZ(テイスト)なサントラと言えばゴールドディスクを取った「COWBOYBEBOP」なんて大作が夏に控えてますが、ハードボイルドSFなんだものJAZZが合って当然。
ところがどっこい、これ手塚ですよ。大友ですよ。りんたろうですよ。
ショック!予想外!えー!!
でも、これがものすごく、イイ。

当初まったく見に行く気がありませんでした。
GW時ウチへ来たMr.D氏に問われたときも無気力な解答しかしませんでした。
何故今さら手塚治虫なのか?何故監督がりんたろうなのか?
特に後者は天才だとは思ってません。
虫プロ出の監督ならもっといい人がいっぱいいるし。
手塚治虫と大友克洋ではイメージが違いすぎるし・・・

少し話は戻ります。
はっきり言って、CGと背景のセル及び実写にはものすごく違和感があります。まぁ、CGがフィルムに馴染むことは向こう10年絶対に無いと未だ信じてる男の感想ですが。
それはともかく、6年15億かけといて、どうして違和感を感じたのでしょうか?
そう、古いから。
もっと言えば、古さを表すためにわざと違和感を残している。
それはストーリィしかり、演出しかり、ハッキングに黒電話使ってるのはその最たるところ。
そもそも手塚キャラを使ってる時点でどう考えても古い。あんな鼻がでかい人間この世にいない。
しかも、音楽はJAZZ・Oldiesでレイ・チャールズ。
でも、その古さこそにこの映画の価値がある。

古いです。この映画、これでもかと古いです。「エヴァ以後」なのに「白蛇伝」の昔のように古い。
でもその古さを、日本の伝統芸能セル絵に普通の映画2・3本分ぐらいの予算で作ったCGを貼り付けて作り上げる。
そこがものすごく新しい。
コンピュータやCGが、今ようやく手塚治虫が50年以上前に描いた古き世界を表現するに至ってという驚き!
手塚治虫はホントに21世紀を描いていた。
21世紀は真実手塚治虫の後継者たるジャパニメーションによって描かれた。
ジャパニメーションは人の手によって描かれた。
たとえ超人じゃなくても、天才じゃなくても、21世紀はもう描けるのですよ。
だって・・・今現在こそが21世紀なのだから。

でも、これから先その21世紀は誰が描くのか?
あなた?わたし?まだ見ぬ誰か?
いや、そもそも・・・

ワタシハ…ダレ……


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