作品名 | 記述者 | 記述日 | 星 |
マミー | 唸るバクテリア | 2024/10/11 | ★★★★ |
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そう。怖いのだ。無茶苦茶怖いんだぞ。この映画。
なにが怖いって、結局のところこの2点に尽きる。
・被害者が多すぎるから、この国では推定無罪無視して犯人を仕立て上げねばならない
・周囲が適当に盛り上げれば、この国では犯人にして構わない
ずっと導かれ続けてる結論はこの2点なのだ。
言い換えれば、何時でも君は死刑囚になれる!
待って。怖い。なにを書いてるんだ。こんな怖い話がマジで現在進行形で進んでるのか。袴田さんを踏まえるまでもなく。
オリオンビール着たオッサンが、林眞須美無罪を主張する「あおぞらの会」に絡んで言っていたのと同様に、俺もつい最近まではなんの疑いもなく林眞須美が犯人だと思っていた。
なんだったら、まだ死刑じゃないんだ。とすら思っていた。
たぶん、マグマにそんなこと書いてるんじゃなかろうか。
でもたしかに、これでは彼女の犯罪とは言えない。
もうちょっと言おう。
この映画で問題になってるのは目撃証言とヒ素の同定だけである。
あとは、雰囲気の否定だけ。つまり警察も検察も、この程度で死刑囚を仕立て上げてるのだ。なにそのタイトローパ。ある種の芸術ですらある。危うい橋渡りすぎだろ。
治安維持にそれって、江戸時代ぐらいから変わってねぇのか。お前ら。怖っ!
そんなわけで、繰り返しだけど、これで林眞須美を死刑にするのは無理だ。待て。落ち着け。帰ってこい。謝る方がメンツ保てるって。
被害者には申し訳ないけど、これでさらにひとり殺したら、むしろ寝覚めが悪くないか?真面目な話。
場合によっては、まだ人殺しが側にいるわけだし。
集落の崩壊と、家族の崩壊と、刑事司法の崩壊の三重崩壊の物語なのだ。
しかも、ついこないだ。20世紀終わりの話。
繰り返すけど、リアタイで見聞きした話。
家族である当人たちは未だに林眞須美を「マミー」と呼ぶし、林眞須美は家族への愛情を失っていない。
その意味で、家族は崩壊しきっていないとも言える。
けどさ・・・けども。
次女は何処に行った?
見た翌日気づいたけど、カレーを舐めた次女と砒素を舐めた父親は見事に相似形なのだ。お行儀は正した方が良いのだなぁ・・・
ちなみに、監督の盛大なギャグもあるのだけど、それはそれで、この映画に挿入されるのは誠実だが、胡散臭さをあげてもいる。
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