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作品名記述者記述日
ポライト・ソサエティ唸るバクテリア2024/10/18★★★★

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ここ数年を思うと、約1ヶ月ぶりの映画館ってなんだかフレッシュ!
というよくわからない感慨を抱きつつ、「箱男」と迷って「ポライト・ソサエティ」を新宿ピカデリーで。
ポイント使ったから無料です。まだあと3回は無料で見れる。
それはともかく、3か月ぶりぐらいの新宿ピカデリーなのに、えっ?ドリンクバーになったの?500円?高くね?
えっ?なんで両サイド埋まってるの?
つか、おぢさん、臭いんですけど・・・
そんな憂鬱に襲われる中だけど、見事にスカッとする馬鹿映画
ヤだ。こゆのがいいんだよ。こゆのが!
ツッコミどこが多いというよりツッコミどこしかないリアルシスターフッド映画。
パンフに掲載されてたニューヨークタイムズのコメントがふるってるのだけど、たしかに監督ニダ・マンズールは「アヴェンジャーズ」向きかもしれないぞ。
結局のところ、知らなきゃ主人公姉のリーナ as リトゥ・アリヤは義母のラヒーラ as ニムラ・ブチャのクローンを産み育てた幸せがあったかもしれないわけで、なにが幸せかなんてわかりゃしないのだけど、どこの倫理委員会も人間のクローン認めてないから、バレたら事件になるし、たぶん、寿命も短いから、やっぱり良いこと無いか。
って、そんなことより、もうさ、ラヒーラは登場時からずっと、絵に描いたようなヒール役、絶対楽しくてやってるよね。最高すぎるじゃん。
出てきた時からラスボスだとみんなわかる。楽しくて仕方ない。
ラストシーンなんて、絵に描いたようなステロタイプなやられっぷりだけど、だからいい!あの役やりたいわぁ(待て)
演出がいちいちインド映画的でありつつ、カンフー映画的で、パンフ見てたら山崎まどかが「死亡遊戯」と書いてるし、江戸木純がタランティーノと書いているとおり、実はグッドオールドフューチャーなヒーロー映画というか格ゲー感があって、隙があれば三角飛びさせてるとか、この人と受け入れてきた文化近いわぁ。などと。
江戸木純の解説はやっぱり素晴らしくて、タイトルの表記が英語→ウルドゥー語→ヒンディー語で、パキスタン系イギリス英語だとわかる。って、先に言って!(笑)
「テルマ&ルイーズ」のオマージュとか映画マニアらしい解説が、本当にありがたい限りです。本物のマニアって素敵だ
しかも、「こねくと」で町山さんの話聞いてたから知ってたのだけど、ホントに浅川マキが流れた時には、ホントに流れた!思いましたよ。酷い(笑)

もちろん、冒頭に述べたとおり、姉妹映画なのだからシスターフッドなのは間違いない。それも、絵に描いたようなシスターフッドなんだけど、作中結局主人公リア・カーン as プリヤ・カンサラが言ってたけど、リーナに対する愛情はリアの自己愛の鏡映しだし、リーナもそれをわかっているから、最終的にはリアの思いを受け入れる。
だからといって、リーナは美大に戻るとは限らないだろうけど、おそらくはリアを今度は自分の鏡映しにするのだろう。
冷静に思い返すと、主人公リアとバトルするのは、ライバルのコヴァックス as ショナ・ババエミと姉のリーナ、んで、義母ラヒーラなわけじゃないですか。
その内の二人コヴァックスとリーナは仲間になって、義母のラヒーラはラスボスって、ジャンプマンガかよ!
そゆことを平然と出来るのは、日本映画では無いからなのだけど、イギリスらしい複雑さはちゃんとあって、パキスタン移民が遺伝子研究所を建てていたり、パキスタン移民が女子校に通わせていたり、上述のシスターフッドな友人たちは、クラスメイトから「処女」と馬鹿にされる黒人クララ as セラフィーナ・ベーと、白人アルバ as エラ・ブルッコレリなのだ。
リアとクララとアルバの3人ポンコツトリオのドタバタな日常は、30分ドラマで全12話ぐらいのを3シーズンぐらい見てたい
コヴァックスは父親から誕生日を間違えられて車を送られた、背の高い黒人。
この辺は見事にパンフで須永恵美子先生が説明していて、(公開時点で)現ロンドン市長サーディク・カーンは両親パキスタン出身。
パンフでちゃんと補填されているの、正しい日本上映。
んでもって、ニダ・マンズールの言葉できちんと書くなら南アジア人映画なのだ。
昭和50年代めいた設定とシナリオだけど、呆れるほどにモダンな設定。そんなの面白いに決まってるじゃないですか!最高。
終盤のドレッシーなアクションパートは目に楽しくて仕方が無いし、昔庵野たんが「ラブ&ポップ」で「スカートだけがヒラヒラして動きがある(要旨)」言ってたのを、地で行くような素敵な画になっておりました。
パンフ見たら、リーナのあの衣装35kgって!!!
たまに見るなら、なにも考えずスカッとするけど、実は超考える要素をばら撒いたモダンな映画が良いなぁ。と、見事にベタなラストシーンに小さく拍手しながら思っておりました。
ちなみに、リアがツインテで空手の練習するのは萌えることしきり(馬鹿)
あと、生理描写が、男性監督だったらビックリなぁ。と、思いましたけど、やっぱり女性監督でした。
とはいえ、振り返ってみると不正出血だし、遺伝子研究者としては一流かもだけど、医者の腕は三流とも見えるが。

なお、パンフのデザインはやっぱり信頼の大島依提亜!
まさかファイル用の穴2つ開けてくるなんて、そんなの大島さんしかやる人いないよな!思ったら、やっぱりで一安心。

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