各所で噂は聞いていて、見る直前に
アトロクで宇多丸の映画評まで聞いた上で「
ロボット・ドリームズ」見ました。
もちろん武蔵野館。
そして、パンフは売り切れだった。ぴえん。
噂には聞いていたけど、そりゃ、あの流れでEarth, Wind & Fire「September」かかったら泣きますよ。
これは完全に「September」のイメージビデオ。
「月とキャベツ」以来の完全なるイメージビデオ。
監督の感慨は否応にも伝わってくる。
なので、それ以外の要素でいうと、「いい風」のガジェットは並ぶのだけど、
それいるか?みたいな感慨もある。
面白いか否かであれば面白いのだけど、妙にリアルなニューヨークと比してリアリティラインというか、
アニメであることに逃げている感慨がある。
宇多さんはずっと「ゴンスケ」「ゴンスケ」言ってたけれど、
ゴンスケガチ勢としては、ゴンスケみを感じていなくて(ゴンスケの本質はどこまでいっても
芋掘りロボとしてのエゴの強さだ)、むしろ、これは
「劇場版ドラえもん」なのではないかと。
まず、そもそも犬がポンコツなのだ。
あんだけポンコツならば、本来、パーツ足りずに組み上げてバラすぐらいの描写は必要で「鉄人兵団」を見ろと。
スキーと言って、ソリで滑るのもだけど、そもそも友達が欲しいわりに
根暗なのだ。
社交性が低いくせに陽キャの真似事して勝手に傷ついて、で、やっぱりリアルは厭だと非生物に逃げるのは、
のび太と言わざるを得ない。
つか、単純にアイツ(犬)
嫌いやねん。
なにも考えずにロボット海に入れて、それをいい想い出だった的にテメェが語るなと。
一方で、じゃあロボットがどうかというと、繰り返し繰り返し帰る夢を見ているわりに、夢の終わりは
常にバッドエンドなのだ。
最初から帰れない前提。
もちろん、錆びてしまったのだから、良心回路もネガティブなりがちではあろうけれど、君にやれることがなかったのか?というと、そうとも言えない。
つか、そもそもニューヨーク市があんな粗大ゴミ(言い方)を
砂浜に放置してビーチ閉鎖したのが最大の悪で、無能と言わざるを得ない。仕事しろ。仕事。
つまり、登場人物は、たぶん、アライグマ以外全部馬鹿なのだ。
ああそうか。だから、俺、この映画今ひとつ乗り切れなかったんだ。
<font size="5">馬鹿は嫌いなんだよ!</font>
あと、これは決定的だけれど、あそこまで寂しさを辛いと思わないのだ。孤独は親友だ。
じゃあ、のび太が馬鹿じゃないのか?といえば、のび太は馬鹿なのです。
それを、劇場版では駄目だけど優しき人。とか、駄目だけど大事な勇気は持ってる人。として演出するから成り立っている。
もうちょっと言うと、キュートに演出するから、良きモノとして収まるのだけど、この映画で犬にはキュートさが足りない。
おそらく、ダックといい感じになりそうな時も、ロボットを思い出さなければならない。ロボットへの愛が足りない。
ロボットからの愛に対して、犬は愛を捧げていない。
だから、この映画は今ひとつ楽しみきれない。
で、宇多さんと藤子感があわないのだ。ちょっとイラっとすら来る。
決定的なとこで価値観が違うんだなぁ。
ちなみに、アレ、マジンガーか?
それはともかく、ワールド・トレード・センターのツインタワーが要所要所で描かれているのは、本当に「September」に象徴的で感慨深い。