困った、久々にこんなところに寄稿するもんだからどんなふうに書けばいいのかわからんぞえ・・・
なんかね、わかるんですよ。その一所懸命さとか、必死さが。
でも、その全力さがアタシにはうざったかった。
レヴュと観想の中間あたりを狙って書いているので、あらすじを簡単に書きますと、「のび太=主人公、源義経=ドラえもん」以上。
この劇団。好きですよね。この手の話。パンフに出てた過去の公演を斜め見しても、やった芝居の基本構造は変わらない。
義経が、幽霊だったり、天使だったり、タイムスリップしてみたり・・・
好きなんだろうなぁと思う。うん。
物書きの端くれとして言わせてもらえば、まずこれ台本がヒドい。
たぶん、そもそも時間配分を考えて台本作ってないんだろうなぁと、たいていそうなんだよね。シリアスから始まって、だいぶ(たいていの場合30分以上)経ってから客を笑わせに来る。
こっちにはそんな準備できてませんから笑えません。
後ろに座ってた餓鬼のドンぴしゃタイミングなかけ声の方が何倍笑えたことか・・・
ああ、もっと言っちゃうと、SF用語・考証もむちゃくちゃじゃありませんか!
アタシが無知ならそれでいいのだけれど、「時の逆説」なんて日本語聞いたこともないし、「時空間」ってあーた、今生きてるのは時空間だろう!
なにより気にくわないのがさ、言葉遣いというか、思想的背景がもうわや。
だってさ、どうして義経に「赤い糸」の話が通じるさ!もっと言おうか?いや、思い出せないや(をい)
ともかくさ、なにが言いたいかっていうと、その概念なりなんなりが発生したのはもっと後世のことなのに、その概念に根ざした言葉を義経なり常磐御前なり弁慶なりが使っちゃいけないってこと。どうしても使いたいなら、ハナからぶっ壊しておしまい。
芝居って身体という器官を通して言葉を具現化する特殊な空間なんだから、その元となる言葉をおざなりにしてたら駄目だよ。
もうひとつ、一応曲がりなりにも役者というか芸人を主張し続ける身としては書かねばならないことがあるので。
牛若丸役の方。良かったです。もっと素直に笑えたら最低でも1.5流までには上り詰められるでしょう。最低でもアタシが好きなタイプの役者さんです。
弁慶役の方。はまり役というか当て役ですか?ちょっと卑怯な気がしましたが、それでも、まぁ、これはねぇ。
常磐御前の方。尻上がりな感じでしたね。たぶん、3日以上公演があった千秋楽がもっとも輝かれるのでしょう。
鳴海遙役の方。あの役じゃ判断できません。真逆の役をきちんとできるなら大成しうるでしょう。
以上4人の役者が良かったから見れるお芝居どころか、感じさせる感動させるお芝居になっていました。
1人でも輝く役者がいれば2時間程度なら、楽に客を惹きつけられるのですね。
つまり、この4人が誰一人いないシーンはちょっと辛くて、「トイチ金融」のパートなんて「滝友ファーム」とそっくりだったけど、滝友の方が3倍面白かったですからね。
まとめ。
全肯定してみせるドラマは、たとえどこかが破綻していても好きです。
でも、それを前面に出されると辛いのです。アタシには。
だから、アタシには豪華なセットも細かな衣装も大勢のスタッフも必死の役者も全部が辛かった。
誰か一人ぐらい、声をかけてあげられるの人がいなかったのかしら?
「大きく息を吸って・・・止める。そして、吐き出す・・・ほら、息を吸わなくちゃ人間って苦しいでしょ?だからもっと意識して息を吸ってごらんよ」
P.S すみません。最後の最後までK原さんに気づきませんでした(滝汗)でも、そのおでこと素足はとても“ぷりちぃ”でしたよ(笑)
P.S.2 微妙だけど美味しい役回りなK藤嬢。実は、一番最後のシーンが一番美味しいところだと思ったんだけど、そこはちょっと食べ逃した感じ。
P.S.3 観想にも書いたのだけれど、マイクハウらせたら空間ぶち壊し。仮にも音屋で金もらってるんだったらリハの時にそれぐらい確認しなさいよ。衣擦れ拾っちゃったのは許してあげるから。
U・Bは「俺がPAなら、普通の台詞はマイクの音量消しとく」ってさ。
P.S.4 こら餓鬼!ドライアイスに向かって「火事だ!」って同じネタ2回もやるなや!つまり、隣で見てる親は、あの緊張感ある場面で、餓鬼にそんな台詞を吐かせちゃうぐらい緊張して無かったってことだろ?それは客として役者に失礼です。