作品名 | 記述者 | 記述日 | 星 |
ロイヤルホテル | 唸るバクテリア | 2024/10/04 | ★★★★★ |
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もちろん、細部でお前甘くね?みたいなとこは間違いなくある。
リブ as ジェシカ・ヘンウィックがマリファナ吸いたかったからと、直前にハンナ as ジュリア・ガーナーとの友情を蹴飛ばしたにもかかわらず、血を見たら手のひら返すのか!みたいな感慨は間違いなくある。
なわけ?と思う。
しかも、車の中でラリってたとはいえ、薪でハンナぶん殴られたのリブ見てただろ。目の前だぞ。
あのシーン、思わず「ヒデェ」声出たよ。俺。
自分の吐瀉物を片付けてもらったハンナに冷たい視線を送ったのはリブだぞ。
でも、存外そういうもんなのかもしれないと思う。
感情はシーケンシャルじゃない。
パンフを読むと、監督のキティ・グリーンはこのバランスを意識していた様子。
対立軸を置くことで、リアリティが増すというか側にある物語になる。
たしかにリブみたいな娘はいて、持て囃されるし、ハンナみたいな娘は嫌われやすい。
自分もたしかに「リブの方がいいじゃん」とか言いそう。谷間いつも見えるし(待て)
もう一人、何故かパンフだとキャストに名前が無いのだけど、キャロル as アスラ・ヨビッチの存在は大きい。
実はバーのオーナ兼アルコホリックのビリー as ヒューゴ・ウィービングと籍が入ってなくて、事実婚的な関係なのだというから、まぁ、ビックリ。マジか。
そのクセ、キャロルの甥というか仕入れ業者に3000ドルとか支払い滞ってるとか、マジで屑じゃないですか。
そんなの相手をしてたら、そりゃキッチンで無口になるだろうし、3人でフロア回すにしてもキッチン一人だよ。店の面積が広すぎて無理でしょうに(なんの話だ)
一人、常連で俗に言う「名誉男性」みたいなおばあちゃんがいたけど、それ以外で常駐する唯一の女性がキャロルなわけだ。
「同調圧力」が日本の代名詞だと思ってるのは、単なる日本人蔑視でしかない。
オーストラリアだってゴリゴリなのはこの映画を見れば自明で、映画もロクに見ず国際派ぶってるヤツは、日頃グローバルな友人となんの話をしているのかと小一時間。
話戻すと、この糞みたいな世界を捨てることも出来ず、キャロルは距離を置いて生活するしかないのだ。
だから、ハンナみたいな娘が目の前に現れて、当たり前のことを当たり前に言い出したら、助けないわけにはいかないんじゃないだろうか。
半ば諦めていて糞みたいな世界に対して、間違ってるよと若い娘が言い出したのだ。キャロルは自分が間違っていなかったと肯定されたんじゃなかろうか。
だから、ちゃんとハンナとリブに給料払って、先に劇中から退場する。
糞みたいな世界にいすぎてしまったことを思い知らされたのだから、もういられない。
ちなみに、今回パンフ買って一番良かったのは、森直人が「ディキンズサイダー」の説明を書いてくれてるとこでした。
信頼の森直人。カイリー・ミノーグの説明も素晴らしい。
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