起床時間6時半くらい。
前日に準備はほぼ済ませておいたので、あとは出るだけ。
予報通り、雲行きいとあやし。
「雨がなんぼのもんじゃい」と気合を入れコンビニでコーヒー買って出向。
早いにこしたことはないと思いつつ7時くらいに出たんだが、よく考えると1人での参戦は初めて。
渋滞なってたら車中ヒマだなあ、と思っていたがさすがにこんな時間から来る奴はまれなのか、例の交差点付近までスイスイ来れた。
しかし、車少ないなら少ないで問題あり。
駐車場の位置はっきり覚えてなかったんで、
微妙に迷う。
案内板に沿ってグルグル回って行ったらそこは駐車場キャンプの場所だった。
しゃあないので警備のおっさんに道聞いて何とか第一駐車場に到着。
にしても、車まだ少ない。やっぱ早めに来て正解。
とりあえず会場に近い位置に車キープし、会場へ。
しかし、地獄はここからだった。
右手に寝袋、肩にカバン、そして左手にテント。
覚悟はしていたつもりだが、重すぎ。
んで列がちょびっとづつ動くもんだからゆっくり休む暇もない。
それでも間がある時は、寝袋の上座って5分ほど寝てしまった。
入場できたのは開場からわずか15分ほどしてから。
この時点で今日の標語に「
早起きは三文の得」が認定された。
しかし、次はテントサイト場所取り待ちがあった。
この時、1人で来ることのネックは荷物が重いということより、荷物番してくれる人間が誰もいないということだと気づく。
しゃあないので荷物3つ抱えて列に並ぶ。
ゾーンはいくつかあったが、当初の予定通りレジャーサイト後方のどこか、に狙いを定める。
やはり通路側は人気があるのか、一番左のキタキツネゾーンは埋まっている。
ならば、ということでその横のユキウサギゾーンを狙う。
しかし並んでる最中次々場所が埋まってくのを見るのは何ともせつないもんだ。
何とかやや前方をゲットし、場所書いた紙持ってそこへ向かう。
この時点で12時過ぎ。
さて、テント設営のため知り合いを呼び寄せるが向こうは向こうでテント設営があるようで、すぐには来れない。
ちょっとでも組み立てようと試みるが、どうもおかしい。
明らかにポールの数足りない感じが・・・。
やっと知り合いが来てくれたはいいが、3人揃っても一向に組み立て方がわからない。
「これおかしいよねえ」「絶対部品足りないよね」などと話しているととうとうきたよ。
蝦夷神話ついに破れる。
降雨。
本人に全く非がないのをわかっていつつも、正直ちょっとU・B殿を
呪った(苦笑)。
仕方ないので、荷物だけでも置けるよう形だけでもテントっぽくする。
時間はもう14時近く。
この時点で、グッズ早めに買ってちょいと休んでから見に行く計画はボロボロ。
とりあえず雨の中、カッパ着て急いでグッズ買いに行く。
Tシャツ数枚とパンフ買うと、もう
15時過ぎ。
やばい!
15:15 ハナレグミ〜POTSHOT〜ハナレグミ
雨の中REDに着くと、もう始まっている。永積タカシ音タイム。
「レター」だ。
太陽を歌ったこの曲。
青空の下で聞けたらどんなに気持ちよかったろう。
だけど永積の優しい声は、雨に消されることもなく少しずつ俺らをホットにしてくれていた。
曲が終わると永積「
ばんそうこう取れちゃったよ 」
ていうか、ばんそうこう付きで出てきたんかい。
「さらら」の演奏あたりで、心なしか雨が弱めになった気が。
そうこうしてると警備のバイト君が大音量で
「
通路を塞がないで下さーい! 」
今年のレッドは
橋渡って正面付近にあるのであまり人大杉になると通行できなくなるのだ。
にしても、永積のMCよりデカイ声出すもんだから
思わず永積が「
つうろをふさがないでくださーい 」と
ギャグっぽくリピート。
そしてそのバイト君に「
じゃあ君にこの曲捧げるよ! 」
次の曲に突入した頃、テントに忘れモンしたことに気づく。
いつもならきっちりステージ見てから行くんだが、雨と雑音でテンション盛り下がり気味だったってのもあり一旦テントへ戻る。
橋渡ってサンステ横の土手まで来ると、POTSHOTが演奏中。
雨だろうがお構い無しの大騒ぎステージを眺めつつテントへ。
テントから出ると、丁度ラス曲「CLEAR」
一発目ポットショットは地味じゃねえ?とも思ったがこの雨吹き飛ばすのには、この「楽しく行こうぜ!」という
ドンチャン騒ぎテンションがうってつけだったかも、と土手を歩きながらしみじみ思う。
気づけば、
雨はほぼ止んでいた。
再びREDに戻り、そこで鳴ったのが「家族の風景」
思えば今年はどうにもできない諸事情により、RSRドタキャンという最悪の可能性も前日まで残されていた。
何とか大丈夫そうな感じではあったが、前々日ほどに話した時
親父が「
当日まで何ともなければ、あとは俺が何とかする 」
そう言ってくれた。
俺や弟がRSRをどれだけ楽しみにしているか知っていたお袋は
横でほっとした顔をしていた。
社会的に見て正しい行為とは言えないかもしれない。
だけど、息子のわがままを飲み込んでくれたことが本当にうれしかった。
そんな事を思い出して、俺は泣いた。
永積は歌う。
友達のようでいて 他人のように遠い
愛しい距離が ここにはいつもあるよ
ラストは「ハンキーパンキー」
彼の言葉は胸を「突き刺す」のではなく
そっと胸を打つ「温かな力強さ」がある。
その極致がこの曲だ。
ハンキーパンキー 楽しいと
素直に言えるほうが素敵だよ
ホットな音タイムは、雨上がりとともに幕を閉じた。
ありがとう、永積タカシ。
そして改めて
ありがとう、親父とお袋。
音タイムが終わったとこで、こっちは近くの店で喫煙タイム。
横の兄ちゃんが灰皿貸してくれ言うんで貸す。
んでちょいとトーク。
ユダやハイロウズ目当ての、今年初参戦の高校生らしい。
待てよ、
高校生?オイ!(U・B注 タバコは二十歳になってから!)
飯食う時間まではなかったので、そのまま再びレッドへ。
16:25 Bonnie Pink
人多くて前の方までは行けず。
近くでボニーさんの
ご尊顔拝見したいとこだが、仕方ない。
やや後方からまったり聞くことに決定。
アコースティックな感じの構成でボニーさん登場し、一発目は「Evil and Flowers」
ピアノバージョンでしっとりと歌い上げる同名アルバムのタイトルチューン。実は5〜6年前の曲。
これはもしかすると・・・と期待が高まる。
ハナレグミの時はバイト君などの雑音が多かったが、今回は通路から遠めのとこにいたので、歌声もよく通る。
しばらくまったりと聞きほれていると、聞いたことのあるイントロが。
来た。来てくれた。歓声が上がる。
「Heaven's Kitchen」
創らなきゃだめ あげる
私がスペシャルな歌を歌ってあげる
そう、こんなスペシャルが何度でも起きるから
俺はRSRが大好きなんだ。
ここでMC。
「
晴れたねえ 」
雨止んだだけで、まだ晴れてないんすけどね(苦笑)。
「
あたし、晴れ女だから 」
うそお?どう考えてもイメージは逆だべ。
そうか、「It's gonna rain!」の肝は雨が降りそうってとこじゃなく
「
大嫌い 雨なんて チャオ チャオ」のとこだったんだ。
さて、バンドメンバー紹介だが、まずベース。あのおさげ絶対見たことあると思ったら予想通り
GREAT3の高桑圭。
「明日出る人で・・・」と言って紹介されたのが
ギター:EL-MALOのアイゴンこと會田茂一。
キーボード:今回ニートビーツサポの奥野真哉。
おいおい何だこの
豪華な布陣。
はあ〜と思ってメンバーの顔見回してると
ボニーさんがアコギを手に取る。
「
『Ocean』という曲をやります 」
ニューアルバム「Even So」収録のポップナンバー。
曲の冒頭のように太陽が射すにはまだ時間がかかりそうだったが、
見えない太陽が見えてくるような錯覚を覚えた。
最近の曲を2曲ほど披露したところで、
「
かおりです」
一瞬は?と思ったが
「
浅田香織です・・・本名言っちゃった」
そんな名前だったのか。何か
萌え(殴)
(U・Bぼやき それにしてもどんな話の流れじゃ)
「
次が最後の曲です。ありがとうございました 」
当然「え〜〜〜〜〜〜」
だってまだ30分弱しか経ってないぞ。
惜しみつつもラストは「Private Laughter」
「Even So」冒頭を飾る曲。
ハンドマイクでゆらゆら動きながら歌うボニーさん。
雨上がりで体が冷えても、最後には皆が「laughter」になれるような温かい瞬間がそこにあった。
ありがとう、香織ちゃん。
もとい、ボニーさん。
さて、次レッドではクラムボン。
見事初日の目当ての3分の2をかぶらせてくれたウェスを恨みつつサンステへ向かう。
丁度シャカラビがラス曲「G☆S☆G」演奏中。
ステージを熱心に見ようとは思わなかったが、
実はこの曲と「Pivot」は結構好きだったりする。
UKI結構かわいいなーなどと思いつつテントへ行きパーカーに着替える。
時間が多少空いたので、テントサイト横で民生の看板立ててる広島お好み焼屋で栄養補給。
正直「うまい!」と言えるほどでもなかったがとりあえず
何か腹に入れないと夜まで体がもたん。
食ってると、また雨。
いい加減にしてくれやと思いつつスタンディングへ。
雨足は強まり、細かい雨がサーーーッと降り続く。
おまけに機材チェックで
20分ほど押す。
雨に耐えつつ、その時を待つ。
18:00 岡村靖幸
「ねえねえ岡村ってさあ」
「ねえねえ岡村ってさあ」
「ねえねえ岡村」「ねえねえ岡む」「岡村」「岡村」
「ねえねえ岡村ってさあ、何かやだと思わない?」
女子高生(かどうか知らんが)のボイコラが響き渡る。
バスドラの重低音がズンズン響く中、2人のダンサーの登場。
しばらくダンス披露した後、
ついに降臨!・・・って、
デカッ!!
太った太ったと聞いてはいたが、こんなにかい!
しかもその服(ベージュのシャツに黒っぽいズボン)それでメガネかけたら
村上隆じゃん!
色んな意味で度肝抜かれる。1曲目は「ア・チ・チ・チ」
すると今度は岡村ちゃん、ダンサーと共に
ブレイクダンス。
正直、笑ってしまった。
だってあの巨体が
すげえ華麗な動きしてんだもん。
最初はそちらばかりに気をとられていたが、さすがに岡村ちゃんが歌い始めると耳に神経が行く。
しかし、バスドラの重低音がやたらデカくてボーカルがあまり聞こえない。
特に
高音部は辛そうだったのだが、PAが悪かったのか岡村ちゃんの喉が調子悪かったのか。
CDで聞いた時はこんなもんじゃなかったぜ?
それでも、岡村ちゃんのステージはやっぱり凄かった。
繰り返し「
北海道ベイベー! 」とシャウトしきっちりコール&レスポンスをあおる。
曲は「モン・シロ」「ステップUP」と続く。
びしょ濡れでいいじゃない 手を繋いで歩きたい
何とこの場にぴったりな歌だろう。
要所要所でブレイクダンスを挿みつつどんどんライブは進み、「ミラクルジャンプ」ではギターをかき鳴らす。
後半ではいつの間にか、「I'm Jampin' Jack Flash It's a gas,gas,gas」とかのストーンズの名曲へと繋げたりするお遊びも。
そうこうしてると突然岡村ちゃんがドラムの横へ座ってしまった。
スクリーンにはっきり顔が映るのだが・・・
疲れてるーーーーーーーー!!!(うすた京介風に)
タオルで汗ふいて
ゼエゼエいってる!!
どっからか「がんばってーー!」の声。
どんだけネタ提供すれば気が済むんだ!?
岡村ちゃん休憩中はDJがコール&レスポンスで繋ぐ。
会場がビミョーな感じで盛り上がると岡村ちゃんも笑顔で拍手。
もうすぐオーラスと思っていると、聞き覚えのあるイントロ。
往年の名曲「だいすき」が響く。
一気に会場が
ヒートアップ。
「君がだい・す・き!!」の大合唱が響く中、ふと後ろを振り返る。
いつの間にか雨は止み、西の空には炎のように赤い夕焼け。
サンステもスタンディングゾーンも真っ赤に染まっている。
ほんのさっきまでざんざん降りだったんだぜ?
本当に岡村ちゃんが太陽を呼んでくれたんだ。
こんなことってあるんだ。
頭上を鳥が飛んでいった、2001年スピッツの「8823」
「ふらふらと夜になる」2002年ミッシェルの「ドロップ」
「2愛+4愛−sunset」2003年スーパーカーの「Strobolights」
それらが全部吹っ飛んでしまいそうな、劇的な瞬間。
会場では「ヘポタイヤー」の大合唱。
往年のファンにとっては、どんなに幸せな時間だったろう。
それだけじゃ終わらなかった。
バスドラが大音量で響く中、かき鳴らされるアコギ。
「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」
往年のファンにも、10代の若者にも、別に部活に燃えてたわけでなかった20代前半の俺にも響く色あせない青春賛歌。
寂しくて悲しくて辛いことばかりならば
あきらめてかまわない 大事なことはそんなんじゃない
青春って1,2,3,ジャンプ。
いいことばかりじゃなかったが、今となっては「
懐かしい」と笑えるような中・高時代を少しだけ思い出して、また泣いた。
冒頭で
歌詞間違えたのもご愛嬌。
岡村ちゃん、
幸せな時間をありがとう。
時間はもう19時近く。
ギリまで何見るか迷ってたが、
こりゃユダも押すな、と踏んだ俺はGREENへ。
さすがグリーン、きっちりオンタイムで開始。
19:00 SPARTA LOCALS
グリーンはステージが低く、後方からだとよく見えない。
とりあえず音聞ければいいと思い、やや後方に陣取る。
そしてメンバー登場。
(分かったのは後日だが)1曲目はニューアルバム冒頭を飾る「ウララ」
理屈とか不安とかゴチャゴチャしたこととか考えたってしょーがねーじゃねえか、でもそれは決して、諦めでもなければ無批判なプロテストソングでもない。
そんな風に思わせるのがスパルタローカルズ。
安部コウセイのくせのある声とニューウェーブのノリの甲高いギターが絡み合いじわじわと観客に火をつける。
そしてそれは2曲目で一気に爆発。
「トーキョウバレリーナ」
徐々にダメージをくらい出した足で飛び跳ねる。
グリーンはハコの具合も丁度いい感じで、音の返りも決して悪くない。
ただ静かになると、
サンステの音がモロに混ざるのが難点。
思わずコウセイも「
横うるさいなあ 」などと呟く。
見るとスクリーンにはベンジーが。もう始まったんだ。
それを尻目にライブはどんどん進むが、いかんせんニューアルバム聞いてないので反応しきれなかったのが
すごく悔しい。
でも一つ言えるのは、「
終わったらCD買いに行こう」と思わせるに十分なほど曲もステージも素晴らしかったということ。
そして何より、コウセイが時たま見せる鬼気迫るテンション。
ラストの方ではアゲアゲの曲が続き、曲知らなくても体が反応する。
このバンドは、歌詞や声はもちろんだが、この「
体が勝手に動く」ような単純なタテノリでない面白いリズム感を作り上げているとこに大きな魅力があるんだな、と実感。
終盤、ふとコウセイが喋りだした。
「 俺さあ・・・俺さ・・・・・・
何か鉄砲でバンバン撃ってさあ・・・血がビューって出てさあ・・・
もういらんやん、そんなん。何か倒れてる人おるしさあ 」
失神したのか、前方で客が担ぎ出されていく。
コウセイが指でVサインを作る。
「
ピース!! 」
スパルタの知名度をほんの少しだけ上げた、定番曲がラストを飾る。
平和な日々に泣き笑いし、排気ガスを吸い込んで笑う。
どんなゴチャゴチャがあっても、こう言っていたい。
“なんだか幸せさ”
Vサインを掲げ、コウセイはステージ下に落ちて見えなくなった。
素晴らしいステージを見せてくれたメンバーに捧げよう。
「
ピース!!!」
19時45分ごろ。JUDE演奏中。
サンステ右側の喫煙所で休憩していると、聞き覚えのあるイントロ(
この言い回し何回目だべ)が。
「カリブの海賊の宴会」
ゾクゾクするインスト・ロックンロール・ナンバー。
思わずレジャーサイトへ駆け込む。
運良くこれを聞けたことに感謝。
ベンジー「
全員でぶっ飛ばそうぜ 」
続くナンバーは「DEVIL」
前半どんなステージだったかはわからないが、これを聞くと「前の方で見たかったかなあ」と思う。
そうこうしてるうちにグリーンの開始時間が迫る。
あまり前の方に行くと出られなくなると踏んでいたので、次の次のことも考えて中〜後方から見ようと決めてはいた。
とりあえずステージで何やってるか見えればいい、と。
だが、状況は
それどころではなかった。
20:10 グループ魂
開始15分ほど前。人が
大量にあふれている。
とても中に入るのは不可能。
ギリギリで顔が見えそうな位置に来たが、その後もわらわら人が集まり、気づけばとんでもない状況に。
ほぼ時間通りに、ステージには港カヲル(皆川猿時)が登場。
「おっぱい元気ー?」
「イエー」
「イエーじゃないでしょー!?『おっぱい元気ー?』ときたら『プルーンプルーン』でしょー!?」
「(笑)」
「おっぱい元気ー?」
「プルーンプルーン!!」
「バカかお前ら!!」
確かにバカだ。
そしてカヲルの紹介の後
「いらっしゃいませ、いらっしゃいませ・・・」
「魂の一曲目」冒頭の声が響くと
会場が盛り上がりを超えてむしろヤバ気な状態に。
そしてメンバー登場。
ステージはよく見えなかったが、
破壊(阿部サダヲ)の怒号でとうとう
周囲のテンションがピークに。
「
お前ら全員!!就職しやがれエエエエーーー!!! 」
「Run魂Run」冒頭の爆走ナンバー「就職しやがれ!!」
俺もテンションがかなり上がり、後方で飛び跳ねていた。
そのまま「グラビア29時」に突入。
そしてここで事件が起こった。
いきなり曲が中断。何かと思うと、
どうやら前で将棋倒しが起こり、かなり危険な状態らしい。
「
倒れてるやつはいないか!?死人出したくねーよ!!
そんな思い出作りたくねーよ!! 」
なだめるつもりだった破壊だが、騒ぎはおさまらない。
俺も最初は笑い混じりだったが、明らかに異常な空気。
ヤバい。これ
マジだ。
そのうち破壊が静かに
「えー・・・すいません。
中止です」
客は「
えーーーーーーーーー!!!!!」
オイオイオイ、と思っているとスタッフが出てきて事情説明し客を一歩ずつ下がらせる。
よっぽど前の方きついのか、ぐったりした顔で後方に移動する人が
大量発生。
やっぱり
グリーン狭すぎだったんだよ。
バンドの雰囲気とステージの雰囲気ってのはわかるけど、
こんな状態になってまで同じこと言ってられるか?
何分かしてようやく客が若干落ち着いてくる。
キレて帰っちまったんじゃ・・・と心配だったが
メンバーは戻ってきてくれた。
「
えー改めまして、グループ魂ですっ! (恐縮気味)」
ふっと笑いが起こる。
「
えーさっき中断した曲はねっ、家帰ってCDで聞いてくださいっ! 」
「
倒れちゃった子にはね、やな思い出の曲になっちゃったかもしんないけど 」
「
何かあったら、後で怒られんの俺らだからさ 」
一言一句覚えてるわけではないが、こんな風にやりづらい空気を破壊が和ませてくれた。
そして何とかステージ再開。まずメンバー紹介。
「破れるに壊すと書いて、破壊です!」
「暴れるに動くと書いて、暴動です」
「冬のソナタと書いて、バイト君です!」
ちなみに暴動=宮藤官九郎、バイト君=村杉蝉之介。
そして破壊がサンステの方を見て
「
今向こうのステージで、チャーさんがやってます!
チャーさーん!! 」と叫ぶ。
本来この時間には丁度チャーがやってるはずなのだが時間押し気味だったせいで、まだライブ始まってない。
あらあら、と思っているうちに「チャーのフェンダー」開始。
それが終わる頃にはまた客がつまってきたらしく、
「
皆一歩づつ下がろう!せーの! 」
客「一歩!」
続く「東北の魂」では、曲前に「前じゃなくて縦に、縦に飛ぼう!」
適度に盛り上げてなだめる。
会場も徐々にいい雰囲気に。
「煮物牛タンダニエルカール」というバカ歌詞にのって向かって左のバイト君は「人」真ん中の破壊は「愛」右のカヲルは「祭」と書いたうちわを持って踊る。
それが曲の最後には「愛」「人」「祭」に。
おなじみ「竹内力」も披露。
「
えー力さん、今週はVシネマの試写会と・・・ 」のくだりをきっちりやってるのが
偉い。
んで、長めのコール&レスポンスタイム。
松山千春とか大泉洋とか中島らものらもはラモーンズじゃねえとか
ナーナナナナーナナナナーナナナーナナナー、ナナナナー♪
というコール&レスポンスの最中に「おかしい奴が一人いる!」と全員を確認し出し実はカヲルが「おらこんな村ーいやだー」と歌ってたりとか細かいネタ多すぎて、
もう思いだせん。
他のやりとりだと
「後ろの方見えるー?」
「見えなーい!」
「見えない?ごめん、俺
163だからさ」
などとちょいと哀愁漂うものも。
そして「30代以上の奴手挙げろー!」
来た、「Over 30 Do the 魂」
世の中にセックスソングは数あれど、
オ○ニーソングはなかなかない。
大体「シコる or NOTシコる」って何だよ。
ポップジャムでこれ歌えば面白かったのになー(
無理)
さて、大荒れだったステージも「グループ魂のテーマ」で閉幕。
「今年はこれで仕事納めでございます!」
もちろんグループ魂名義では、ってことね。
「仕事くだせい!田んぼを返してくだせい!」
ごめん、そのネタ
去年氣志團がやった。
カヲルが三三七拍子でしめ、「カムサハムニダー」などと
言っている頃、もう時間は20時55分ほど。
またしても時間がない。
さらば、大人計画軍団。来年は
もっとデカいステージで会おう。
ここから決死のマラソン大会。
何せグリーンからムーンったら端から端。
でも本日のメインディッシュを逃すわけにはいかん。
途中歩いたが、7〜8分ほどで到着。
人間やればできる。
いざ、怪しげな香りが立ち込めるムーンへ。
21:15 V∞REDOMS
機材チェックで若干押すが、10分くらいは想定のうち。
そのうち暗いステージに、ふらっとEYヨが現れる。
歓声が上がるが、もちろん
笑って答えるようなキャラではない。
何やら電球?のようなものを両手に持ち、それを振り回すと片方からは唸るような轟音、もう片方からは金属音のような高い音が鳴る。
あの物体そのものから音が出ているのか、EYヨの動きに合わせて音を出しているのかはわからなかったがそのパフォーマンス・・・いや、フォーマンスと呼ぶのも軽いと思うくらい
すさまじい動きを見せる。
時には体をのけぞらせ、生声で獣のような叫びをあげる。
何だ、これは?
俺は一体、何を見てるんだ?
そしてYOSHIMI、ATARI、YOJIROの3人のドラマーが登場し
徐々にはっきりしたグルーヴとなって展開されていく。
やがてEYヨは光る物体を置き、サンプラーをいじり出す。
4人は
客席側を向いてはいない。
向かって左寄りの位置にドラム3台とサンプラーがそれぞれを角として正方形型に
中心を向いて置かれている。
絶え間無く繰り出されるノイジーな音とドラム3台分のうなり。
PAテントには、緑のレーザーが心電図のように映し出されている。
そこで起こっていたのは、ミュージシャンと観客のコール&レスポンスで成り立つような、
直接的なコミュニケーションとは違った。
かといって、いてもたってもいられない衝動につき動かされ
感情をひたすら吐き出すようなライブとも違う。
U・B殿がちらっと言っていたが、ボーカルにはいわゆる「トランス型」というのがいる。
ライブになると、何かにとりつかれたように激しいパフォーマンスを見せるアーティスト。
甲本ヒロト、増子兄弟、ミネタカズノブ、さらにエゴラッピンの中納良恵なども。
だがEYヨのそれは、「とりつかれたように激しい」のではない。
明らかに「
何かとりついている」のだ。
まるで何かが降りてくるのを待つような、あるいはそこに「もうひとつの宇宙空間」を作り上げるようなそんなライブは、もはや普段見ているような「ライブ」とは
明らかに異質なものだった。
どこかの宗教的儀礼のような、そんな感じさえした。
時たまEYヨはサンプラーから離れて、激しい動きを見せる。
ヨシミはコーラスを入れたり、時には悲鳴をあげるように叫ぶ。
その間ドラムはずっと叩きっぱなし。
そしてEYヨが前に出てきたかと思うと、両手を広げ
「
サーーーーーン 」とレスポンスを求める。
観客が同じように手を広げ「サーーーーン」と続ける。
その全てが集まって何か得体の知れないものに昇華され、
MOON CIRCUSは一つの異空間と化していた。
気づけば
80分近く経過しており、4人がステージを去っていく。
感動ではなかった。
とんでもないものを目の当たりにしてしまった後の
何ともいえない感覚だけが残った。
こりゃハイロウズ終わってるなあ、などと思いつつテント方面に向かうと、電話が鳴る。
U・B殿が到着したようだ。
祭太郎こと太鼓叩きの彼がいるあたりで待ち合わせ。
しかし兄さん、
サンダルですか?
テント事情を説明し、とりあえずテントに向かう。
現場に着くと大笑い。
「
インディアンのテントみたい」と言われる。確かに。
でもあんた、これ作んのだって
結構手間取ったんだよ(苦笑)
U・B殿はグリーンへ向かう。
俺はそろそろ疲れがきてるので、とりあえず一休み。
23時をいくらか回ったところで、グリーンへ。
23:10 Comedy Club King
そもそもどんなステージ見せるのか全く想像つかんかった彼ら。
行ってみると、なにやらスクリーンに映っている。
おいおい、何だこの
シュールな世界は。
コラージュされた色んな映像に合わせセリフが流れるんだが、さすがスネークマンショーというべきか、
ヴォアとは違った意味でものすごいもんを見た。
下ネタやら風刺ネタやら織り交ぜつつ次から次へ映像でネタが披露される。
文面だけでは伝わりにくいのだが、例えば・・・
ブッシュの演説の同時通訳ネタ。
「
我々は正義のための戦いをしているのであり 」
「我々は自分のための戦いをしているのであり」
「
これは自由のための 」
「これは自分のための」
「
戦いだ 」
「選挙運動だ」
「
ありがとう 」
「どうせバカだよ」
他にも座薬ネタなど色々あるんだが、この手のもんはあんまりネタバレもあれなんでこの辺にしておこう。
そうこうすると自衛隊ルックの男が2人出てきてサモアでの自衛隊コントを繰り広げる。
「
多国籍チンコ」て。いや、間違ってないけど(笑)
そのうち2人が言い合いしだして
「小泉チンコがそう言ってんだからしょうがねえだろ」
「ではブッシュチンコはどう言ってるのでありますか」
「小泉チンコが言ってんだよ」
「ブッシュチンコが」
「小泉チンコが」
「ブッシュチンコ!」
「小泉チンコ!」
いつのまにやら
2人で大合唱。
スクリーンには鼻がチンコになったブッシュと小泉。
「ブッシュチンコー!!」「小泉チンコー!!」
「
どうした、
恥ずかしがるなー!!」
そうだ、新聞の風刺マンガとかでもそうだけど偉いもんがドジふんだりこきおろされるような瞬間って、笑いが起こる一番わかりやすい瞬間のうちの一つだってこと。
にしても、小学生の会話でも
ここまでチンコチンコ出てこないだろうなあ(笑)
正直もうちょっとこのバカバカしい世界にいたかったが次のステージが迫っている。
去ろうとすると後ろから「おらこんな村ーいやだー」
何で
一日二回も聞くようなことになるのか(笑)
0:10 BUCK JAM TONIC
そろそろ眠気が襲い始めた0時過ぎ。
1発目に出てきたのは御存知達也と、元フリクションのレック。
言ってみれば
2人のタイマンです。
途中ジミヘンの「FIRE」をカバーしたりと、見せ所は
そこそこあり。
次の「北海ミーティング」ではキュウ、アイゴン、奥野ら道産子軍団。
もう一人いたんだが、誰かまでは確認できず。
んでおなじみ、常連軍団のセッション3。
太鼓バカ一代・達也、変態バイオリニスト・勝井、見た目ヤクザのスカパラリーダー・冷牟田さん、ホームベースキーボード・沖さん、顔面とんかつソース・田島、巨体サックス・田中邦和。
実は勝井がこの軍団に絡んでくるのは初めての気がする。
それだけに結構楽しみにしていた。
結果的に勝井は音はもとより
動きで目立ってた(笑)
冷牟田さんがずーっと同じペースでボンボボボンボボベース刻み、達也はいつも通り暴れはっちゃく。
確かに面白かったことは面白かったよ。
レックや道産子軍団、勝井さんもいい感じで暴れてた。
だけど正直、何か物足りない。
なぜか。
「やりたい放題感」というか、「お祭り感」が去年より少ないからだ。
もともとこのコーナーは通称「達也祭」って言われるように、2001年「NO YOUNG NO CRY(今のレッド)」でサンとアース尻目にトッキーや加藤チャーハンらと(解説:Tokieとスカパラ加藤の通称)
達也が暴れまくるあたりから始まった。
2002年にはROSSOが深夜に終わったあとチバ、北原さん、加藤チャーハン、トッキー、テルビリー、田中邦和、キュウ、遠藤ミチロウなどの
いわゆる住人の皆さんが入れかわり立ちかわりで朝までセッションを続けた。
2003年は出番が初日の夜になったが、
山下洋輔というビッグゲストとのタイマンに始まり北原さんやベンジー、キュウにテルビリーにチャーハン、しまいにはガモーさん、沖さん、福士久美子や田島まで混ざりわずかだがブランキーの3人が同じステージに立つような
「お祭り騒ぎ」感があった。
そう、このセッションには出す音と同じくらいに「次は誰が来る?」とワクワクさせるような「飛び入り」があってほしいんだ。少なくとも俺にとっては。
はじめっから「ここは誰が出る」とか
ガチガチに決まってちゃダメなんだ。
あえて弁護するとすれば、毎年同じ感じのメンツだし今年は毛色を変えてみようとしたのか、あるいは他に理由があったのか。
もっと言えば、セッション3は去年レッドが押して、中止になっちまったセッションのリベンジってのもあったのかも。
でもせっかくアイゴンや奥野、勝井が来てくれてるんだから
いつものように大人数でバカ騒ぎしてほしかったよ。
ちょいとばかし不満を残しつつU・B殿と合流しテントへ。
しかしあたりはとんでもない霧。とにかく寒い。
一服したあとテントへ戻り、寝る。
どうでもいいけど兄さん、そんなとこ足置かれたら俺
ハムスターみたいなかっこで寝るはめになるよ(汗)
(U・B注 正直スマンカッタ)
起きないようにちょっとだけ足を移動させ(すんません)
就寝。時間は午前3時ほど。
あ〜したてんきにな〜あれ〜。