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thee michelle gun elephantLAST HEAVEN TOURZEPP SAPPORO良田2003/09/19

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THEE MICHELLE GUN ELEPHANT“LAST HEAVEN TOUR”
2003年9月13日・ZEPP SAPPORO

外は雨。
大降りになったり小降りになったり。
この場にふさわしい、と言うべきなのだろうか。
思えばワンマンでのtmgeは初体験だ。
前2回はいずれもRSR。
最初にして最後とは皮肉なものだ。

番号が後ろの方だったせいで、
入った時にはもうすし詰め状態。
別に前で暴れる気はなかったので、
なるべくステージの見えるやや後方の位置を確保。
待ちの間、ビートルズの「Tomorrow never knows」が
BGMで流れている。
明日・・・明日って、何だろう。
新曲の歌詞にもあった。
こいつらに明日はなかったんだろうか。
今を燃焼させることが全てだったんだろうか。

その時が来た。
後ろには赤の幕。
やっぱ、最後まで黒のスーツだ。
「ドロップ」
そういえば、去年のRSRもオープニングはこれだったな。
こんなジワジワこられたら・・・。
駄目だ。早くも涙腺がやばい。

今日は何だかんだいっても
「SABRINA HEAVEN」「SABRINA NO HEAVEN」
中心の選曲だろうと予想していた。
だけど、次の瞬間響いたドラム。
「ゲット・アップ・ルーシー」
そうだ、俺が初めて耳にしたのがこの曲だ。
まだ中3か高1の頃、毎週「CDTV」とか見てた頃。
「何だこの曲?」と思いつつも耳に残った曲。
その約1年後弟が「ギヤ・ブルーズ」買って、
俺もすぐ自分用に買ったんだ。
イントロ入ったら、体が勝手に反応していた。
「幸せを見つけたのに、何で終わりなんだろう」
などと昔は歌詞を読んで思ったもんだ。
ウエノ・チバ・アベの3人並んでのコーラス。
生で見れた嬉しさと、もう見れないという寂しさ。
でも、感傷にひたるどころじゃない。
頭は思考停止状態で、体はタテ揺れ。
そして次にきたのが「バードメン」だ。
「FLY!FLY!BIRDMEN」で気がつきゃ
周りと一緒に天を指差して飛んでやがる、俺。
休む間はない。「デッド・スター・エンド」に続いて
聞いたことあるイントロが。
でも決してメジャーな曲じゃないはず。
「STRAWBERRY GARDEN」
何と1st「cult grass stars」からだ。
この頃の曲は封印したと思ってたのに。
今日は何があってもおかしくねえ、そう思った。

きっちり「SABRINA〜」2作からの曲、
「ギヤ・ブルーズ」の頃の曲、
そして初期の曲。
ほとんど玉手箱状態でどんどんライブは進む。
「フリー・デビル・ジャム」や「深く潜れ」
さらに1st収録のもろパブロックチックな、
そして俺の大好きな曲「I was walkin'&sleepin'」も。
そして「ブギー」
8分以上あるスローナンバーだ。
幕があがって、スクリーンに映像が映る。
ミラーボールだろうか。
不規則にぼやけたりピントがあったりを繰り返し
映る無数の光。
「続いていくんだろう」
そうだ、明日も続いていくんだ。終わりじゃねえんだ。
いや、無理だって。
何ぬかしたって、tmgeは終わっちまうんだ。畜生。

終盤に近づいてきて、
「ロデオ・タンデム・ビート・スペクター」からの
ナンバーを固めうち。
そして「エレクトリック・サーカス」
明日がないなんてわかってた、だと?
そんなこと言うんじゃねえよ・・・
いや。
前に甲本ヒロトが言ってた。
フーのライブ見て
「ああ、こいつら今日このステージの上で死んでもいいと
思ってるんだ」
一つ一つが完全燃焼。そういうことなんだろうか。
そう思いたい。

「スモーキン・ビリー」「リリイ」で4人は去った。
まだ終わりじゃねえよ。そうだろ?
鬼のように手拍子してやった。
そして再び登場。
手を振るキュウ。
「ムッシュ」と言わんばかりの礼をするウエノ。
アンコール1発目は「マシュマロ・モンスター」
最初期の曲じゃねえか。
ダムドをパロったジャケのミニアルバム
「wonder style」収録の曲。
そういえば、ダムドもドクター・フィールグッドも
ヘッドコーツも、tmge聞いてなきゃ
今頃聞いてなかっただろうなあ。
そして。
「オ〜オ〜リボルバジャンキ〜ズ」
最近はレゲエ調で入ると聞いたこの曲。
「リボルバー・ジャンキーズ」
トリ常連の、後期の最高傑作のひとつ(と俺は思う)。
終わりが近い。
そう思った時に、目に入ったのが
手を挙げるチバ。握り拳じゃない。手の平。
歌詞が耳に突き刺さった。

「さよならベイビー」

たまりに溜まってたもんが出ちまった。
ステージが見えねえ。バカヤロー。
俺はさよならする気なんかねえからな。
ちきしょう。
ちきしょう。

アンコールが終わった。
まだ終わりじゃねえ。
まだあれもこれも聞いてねえ。
そして一番聞きたいあの曲も。
RSR1999特集のラジオでかかったあの曲。
PVの鮮烈な青い空が焼きついて離れないあの曲。
大学2年の夏、石狩の大地で聞いたあの曲。

4人は再び戻ってきた。
爆音で耳がイカレかけてても、
あのイントロのギターだけは絶対にわかる。

「世界の終わり」

気づいたら叫んでて、あとはもう勝手に体が揺れてた。
言葉ではもう語れない。


一バンドの解散なんか、
世間一般にしてみりゃ小さなことだろう。
だけど覚えておけ。
ものさしで計れない世界が腐るほどあるんだ。
聞こえてるか?どっかのお偉いさんよ。
俺は忘れないぞ、
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTってバンドがいたことを。
さあ、あんたらはどうする?
それでもまだそんなことを続けるのか?

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