雑感・レヴュ集
メタセコイア
映画
作品名 | 記述者 | 記述日 | 星 |
アンダーグラウンド | k⇒y⇒ | 2002/11/19 | ★★★★★ |
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映画「アンダーグラウンド」
監督エミール・クストリッツァ
★★★★★(5個こえたんじゃない?)
映画を観終わっての一言は、「なんだなんだ!だぁ!」っていう感じです(笑)。
この映画、噂はよく耳にしていたんですが、どうも面白そうじゃなかったんで借りる気は全然なく、中国で売ってたので買っちゃいました。ぐらいでノリで観たんです。
ところが、奥さん!これ面白いですよ!ほんとに。
まず、冒頭のマルコとクロの登場シーンから引きずりこまれちまいます。
ジプシー的な音楽の賑やかさの中で裏切りの物語。
ユーゴが戦争に巻き込まれてから、マルコに騙され続け地下で武器を造り続けるクロ。
一方マルコは、地上で女・金・権力を手に入れる。
戦争が終わっても、マルコの裏切りは続いた。
罪悪感の中で地下の住人を裏切り続ける。
誇り高き労働に精を出すアンダーグラウンドの住人達。
しかし50年経ち、地上に出た住人+猿はようやく祖国ユーゴスラヴィアが失われていることを知る。
ストーリーは、3部分にわかれているんだけれども、第二次大戦にユーゴが巻き込まれる直前から始まり、ナチの侵攻、連合軍の攻撃、チトー政権下の平和、チトーの死、ユーゴ分裂と内乱の半世紀の歴史を背景に映画は進む。
この歴史が曖昧な私には少しわかりにくい場面もあったけど、この歴史背景を知らなくても十二分に楽しめます。
だって、一緒に見た子が面白かったって言ってたもん。
3時間だけど、ずっと見ることができたし。
あるワンシーンを観た時、某カップヌードルのいつだかのCMを思い出しました。
こっからヒントを得てたのね。って感じ。
他に印象に残ったシーンは、十字架の周りを周る自動くるま椅子。
ヒロイン交えクロ、マルコでサークルを作って唄うシーン。
他にも見所は随所にある。
なんたって楽器隊が一番お気に入りかも、だし。
とにかく、戦争という悲しい背景があるのにもかかわらず愉快なイメージを受ける。
それにはなにか複雑で絶望的なものを感じてしまう。
あえてパロディーにしてしまったのか、パロディーでしか語りえなかったのか。
95年カンヌ国際映画祭パルム・ドール大賞も取っているので観ても損無しだよホント。