俺たちはベスト16に残ったことで安心してしまったのだろうか?
気を抜いてしまったのだろうか?
トゥルシエの采配を非難することや中田浩二のミスを攻撃することは誰にでもできるし、手のひらを返すようでしたくない。
たしかにスタメン以外、トゥルシエと俺の考えは一切同期しなかった。今大会初めてのことだ。
だからどうしたというのだ?
つい1月ほど前に中田浩二の評価を俺は大幅に引き下げたことがあった。
それと同じミスをこの大一番にヤツはやらかした。
だからどうしたというのだ?
そもそもトゥルシエのと考えが一致したのはグループリーグの3試合(特にロシア戦)だけだし、中田浩二と同じDFの宮本はベルギー戦までの3試合でことごとく同じミスをし続けて、ようやくロシア戦で修正してきたのではないか?
たしかにトルコは大幅に格上だし、日本にはない賢しさを持っていた。
でも、俺たちはそれと戦えるだけの自信をこの大会で獲得し、それを持って決勝トーナメントへ進んできたのではないか?
なのに、この様はなんだ?
たしかに、この試合が仙台ではなく、もっと応援慣れした横国や鹿島、埼玉ならまた違っただろう。
でも、仙台にはベガルタというリーグ有数のサポを持ったチームがある。
ならば、なぜあんな不甲斐ない姿を晒してしまったのだろう?
少なくとも俺の中でW杯の半分は昨日終わった。
誰かの言葉を借りれば
「ピッチの中であったことがすべてだ」
そう、その通り。
あの試合が俺たちの“今”なのだろう。
10年前ドーハで掴みかけたW杯の切符を見送り、4年前、俺たちは16チームの壁に弾かれた。
ああ、サッカーの神様。
1つ1つ壁を乗り越えていけば、そこにジュール・リメ杯があるのですか?