ホントは2023年のハズだったんだけど、半年ぐらいずれて2024年開催になった「
第8回 横浜トリエンナーレ」行ってきました。
なんだか新しい匂いのする横浜美術館だけど、レイアウト自体は記憶から変わりは無かったので、なにを工事してたのかしら?という気はある(新しいエレベータや多機能トイレ、授乳室を完備したそう)のだけど、いやいや、
相変わらずカオスな展示。
入って目に飛び込んでくるサンドラ・ムジンガの作品に目が奪われるけど、途中も不意打ちで坂本龍一や岡本太郎や魯迅が出てくる。
ちうか、魯迅は今回のテーマそのものだ。
導線と誘導がすこしユルいのだけど、まぁ、ボランティアが中心だし致し方ないか。
それはともかく、中国人の劉鼎と盧迎華が横浜の国際芸術祭のアーティスティック・ディレクタ務めているのが面白いというか、横浜っぽい。
相変わらず。現代美術のオーバードーズで、横浜トリエンナーレは脳味噌グラグラしますよ。
とくに、前回はコロナ直撃だったからアートディレクタが来日できずにキュレーションしていて、極限化のやりようの表出みたいな感じだったけれど、今回は見事にコロナ禍で戦時下だった。
せめて我々は芸術ぐらいで中指立てないとやってられんのだ。
エクスパー・エクサーの展示は辛うじて許されても、サウス・ホー展示するんだ。信頼できるアーティスティック・ディレクタ!
展示全体的に、わりと対称的というか、これを置いたから反対側にこれを置くみたいな展示をしていて、物語の反復構造をビジュアル化したみたいな印象があったり。
その中で今回初めて知ったのだけど
富山妙子が素晴らしい。
それて、あんなスゲェ絵を描いてるの?恐ろしすぎる。
思わず立ち止まって見入ってしまった風神雷神こと「
クライシス—海と空への祈り」と「
フクシマ—春、セシウム137」が断トツで素晴らしかったのだけど、この凄さは、富山妙子は戦争経験者だからか?
けれどなにより、最後に展示されていた初期作「小さな鉱山」のキュビズムみ溢れる作品が素晴らしい。
俺が金持ちなら買う。欲しい。
横浜美術館は、流石に人の入りが多くて、感度の高い人だけかと思ったら、必ずしもだったので、ちょいちょい白黒写真作品を「
昔の写真だね 」という子に遭遇してビックリしたり。
また入口のインスタレーションが定期的に「うーうー」言ってたり(オープングループ)、ボタンを押したら「ジリリリ」と結構なボリュームでベルが鳴る作品(田中敦子)と、音が方々から聞こえていたのだけど、「
五月蝿い 」みたいに言う人がいたのでビックリしてみたり。
それはともかく、
丹羽良徳という、頭がどうかしているビデオインスタレーションにも遭遇して、思わず「
馬鹿だ 」と声が出てしまったり。
だって、「イスタンブールで手持ちのお金がなくなるまで、トルコリラとユーロの外貨両替を繰り返す」
「
水たまりAを水たまりBに移しかえる」だぞ。
最後の「你哥影視社」の、ある意味振り切れた平和な感じも凄かった。
で、テクテク旧第一銀行横浜支店まで歩いて行ったら、鞄に入れてたはずのチケットが行方不明になって焦ったり(ちゃんと見つかりました)
入ってみたら、まさか横浜で高円寺の乱の展示を見させられるとは(笑)
わざわざ交通費払って見るもんじゃねぇ(言い方)
それにしても、横浜美術館で「平凡の非凡な活動」で叩き込まれた、魯迅からはじまる木版のアジア展開は凄い(インターアジア木版画マッピンググループ)
あと、拓本で記録を残していくのは、テクノロジーしておらず、ローコストだから良いよね。
上の階は映像流していた(プック・フェルカーダ)のだけど、流石にスタッフさんがお暇そうで、わざわざ頭下げて退場。
そして、最後にBankART KAIKOだけど、一番ビックリしたのはビルボードライブ横浜が同じビルにあること!(待て)
それはともかく、一番展示がすくなかったのだけれど、入り口直後の映像作品(クレモン・コジトール)に人が密集していて、他はすくなかったから、他をゆったり。
まさか横浜トリエンナーレでペッパー君に遭遇するとも思わなかった(パピーズ・パピーズ)のだけど、あんなに手指消毒器を並べたインスタレーションに遭遇するとは!
あと、丹羽良徳の「自分の所有物を店で買う」が見れたのだけど、
もう本当に頭がおかしい人!しゅごいなぁ。