作品名 | 記述者 | 記述日 | 星 |
機動戦士Zガンダム A New Transition 恋人たち | 唸るバクテリア | 2005/11/27 | 無 |
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主役はフォウではなかった。記憶よりももっとずっと主役はサラだった。
おそらく、フォウが主軸に来てしまっては、カミーユが鬱にならなくてはならないからだ。
シロッコの名言通り、女性が主役となったご時世に、己を求めるフォウは不適合だからというのもある。
サラは自分が愛した男のために、自分を愛してくれる男を裏切るのだ。
シロッコに遊ばれているようなものだという自覚があっても、それは彼女の意志で、それこそがこの時代と適合するから。
男の言いなりになることが適合しているのではない。男は提案しているにすぎず、最終決定権が女にあるのが今の時代なのだ。
業界随いつの女好きで知られる御大が描いてきた女性は、実は昔からそうだ。意志のはっきりとした、流されることすら厭わない女性たちばかりだ。
だから、フォウに主役の座は与えられず、サラが主役となる。ベルトーチカもレコア・ロンドもエマ・シーンも主役になれないのはそのためだ(厳密にはエマは第一部前半の主人公であり、レコアは第三部前半の主人公である。つまり、自らの意志で裏切るときだけ彼女たちは主人公となれるのだ)
きっと、池脇千鶴が声を当てることになったのも、サラが主役となるキャラクタだからだろう。