第183回 gobbledygook(後編)

U・B  >今さらながら、どうやら絶対音感を持ってるらしい川本真琴(※1)の2ndアルバム「gobbledygook
       の後編※2)。
空虹桜>また、今さらながらにそういうどうでもいい情報拾ってくるのね。アンタ。
U・B  >お褒めいただき。んで、早速9曲目にして10分を超える大作「FRAGILE」は、はたしてELT
       (※3)のように「ふらじーる」読むのが正しいのか、それとも川本真琴のように「ふらじゃい
       」読むのが正しいのか?
空虹桜>・・・・・・発音記号見ると後者っぽい気がするけど、アタシ英語弱いからなぁ・・・
U・B  >ふぅーん・・・って、今調べてたのか?お前。
空虹桜>ノリツッコミにしては浅い気がするけど、まぁ、そういうことしたがるのよ。物好きだから。で、そんな
       雑談するのが目的じゃなくて、「FRAGILE」には「壊れやすい」とか「はかない」(※4)とかって意味があ
       るんだけど、やっぱさ、この人の詞を聴いてると、モロそういう感じじゃない。だからこの曲
       は長くなきゃいけないんだと思う。
U・B  >たしかに長いもんは壊れやすいですな。でも、そういう意味じゃねぇだろ?
空虹桜>そりゃねぇ。やっぱサビの「広いトラックで僕は よろめいてる」が一番象徴的だと思う
       んだけど、「もろさ」も「はかなさ」も相対的にじゃないと表現できないものだし、なによ
       り、自分より大きなのの中なら壊れなくてすむの。安全だと思いこむから
U・B  >さういえば、このアルバムのタイトルって「官僚的でわかりにくい言葉」とかって意味です
       な。ふむふむ。
空虹桜>そこでそれ持ってくると意味深でいいね。とりあえずさ、この膨大な時間とか世界って、刹那を脳
       味噌がつなぎ合わせた代物なわけじゃん。
U・B  >サイエンスチックなのか、仏教チックなのかわからん話の広げ方だな。
空虹桜>マニアックなチャチャ(※5)入れんでもいいの。でさ、川本真琴みたいな人たち、もう勝手にアタ
       シが思いこんでるだけなんだけど、この手の油断すれば宗教でも練炭自殺にでもスッ
       転べる人たちってさ、その脳味噌がつなぎ合わせてる幻想が信じられないわけよ。するとやっ
       ぱ、自然と言ってることがループする※6)し、言葉が意味を持って伝わ
       ることすら信じられないの。自分の聴いてる音がホントにその音なのかわか
       んないの。他の人にとっても。
U・B  >話がサイコでいいッスな。
空虹桜>そう感じるとさ、官僚的な言葉って、もう全部胡散臭いから、自分のはかなさ忘れられるってい
       うか、隠せるんだよね。
U・B  >まぁ、短いとボロも見えやすいってのがあるんだろうな。そんなところで10曲目「ドライ
       ブしようよ
空虹桜>アタシ的には「もしあたしが 先に死んだとしたなら 君はシャツを ちゃんと
       洗えるのかな?」が十分超短編な気がするし、それ以上いらないと思う。(※7
U・B  >えーと・・・その、「FRAGILE」からの続きで、壊れやすさから継続した妄想が怖いから、密室の中
       で二人、ドライブしようと?
空虹桜>そんな感じでいいんじゃないッスかねぇ。ただやっぱ、アタシが書く話って、まだここま
       で脆さがないよねぇ。変に丈夫なんだよ。
U・B  >知らん。つか、わりとどうでもいい。で、11曲目がシングルだった「微熱」まだ、女子高生の教
       祖的なポジションでの曲。
空虹桜>大学四年にもなって誰かさんがそんな症状見せてるみたいだけど、なんか、ちょっと
       妄想の強い女の子ってこんな感じだよね。
U・B  >・・・もしかして俺のこと指してますか?
空虹桜>いえいえ。アタシはそんなこと一言も口にしてませんから。ただまぁ、女の子には優しくしま
       しょうね
U・B  >ライク ア G系の優しさで接してますので。(※8)あと、それ微妙にセクハラ
空虹桜>でもほら、平熱低い娘には、微熱って結構辛いんだよ。体力的にも精神的にも
U・B  >存じております。そんで12曲目もシングルだった「(album mix)」にしても、こうやって、新しいの
       から古いのへ遡ると、対象っちゅうかなんちゅうかが抽象から明確になってって、
       気がするわな。
空虹桜>でも、「ひとりぼっちになる練習してるの」(※9)とか容赦ないフレーズ入ってんだよ
       ね。やっぱ、危うさ感と瀬戸際感と勝手なコンプレックスがずっと見えてて、危険
       だよね。たぶん、ほっとくと自殺するんだけど手を出すと巻き込まれるみたいな。
U・B  >ハハハ。「あぶない人に100の質問」(※10)答えてる、自分が危ういと思ってる中高
       ってみんなそんな感じ。で、12曲目が全然違う印象の「TOKYO EXPLOSION JP
空虹桜>一瞬このタイトル聞いたとき、「オーロラエクスプローション」思い出さない?
U・B  >えーと・・・聖闘士星矢ネタですか?しかもキグナスですか?たしか。
空虹桜>あっ、そうだっけか。さすが元クイ研(※11)。
U・B  >元ネタわかんねぇーで言ってたのかよ・・・
空虹桜>まぁいいじゃん。それで、曲の話するならアレかな。東京人多いよ。ウゼェ。みんな死んじゃえ。ドッカ
       〜ン。以上
U・B  >いや・・・そりゃ、たしかにそんな感じな歌詞だけど・・・
空虹桜>ここらのメンタリティがわからないとは言わせないぞ。
U・B  >梶井基次郎の「檸檬」を理解したいとは思わんがな。まぁいいや。14曲目「Hello☆」がインストで、
       最後が「雨に唄えば
空虹桜>なんかさ、突然スギゾ的だよね。ちんどん屋入ってるのもそうだし、開き直ったっていうかな
       んていうか
U・B  >でも、全部うっちゃって、やっぱ雨って楽しいよねぇ。ぐらいでいいんじゃないの?
空虹桜>たぶんいいんだけど、それってなんか負けじゃない?
U・B  >誰に?
空虹桜>川本真琴に。なんかさ、テメェ、開き直れてないくせに、開き直ったフリする
       なや!!って気がすんの。悔しいんだよなぁ。この終わられ方って。(※12


※1 ライヴ活動はしてるっぽいけど、新譜を出す予定はないシンガソングライタっぽい人。
※2 そんなわけで前編参照のこと。
※3 ELT:わりとBUBKAネタなマグロとあんまり生気を感じられないギタリスト2人組のavexサウンド。
※4 ここは「儚い」ではなく「はかない」でなければならない。意味としての「儚い」ではなく、音としての「はかない」でなければならない(by 空虹桜
※5 わぁ〜い。久々に「赤ずきんチャチャ」ネタだ(笑)そろそろいい加減全巻揃えようかしらと。って、これじゃ注釈にならん。いや、いつもだと「赤ずきんではない」とか書くんだけどさ。
※6 そういう意味では、テクノのトランス性とかもそうだし、大事なことを繰り返して言う説得技法もそうだし、リフレインの効能もそんな気がするなぁと、ボンヤリ思ってみるU・Bでした。まる。
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 前々回のクロスフェーダ参照。ちなみに、大学のU・B周辺では「G系」が流行語大賞。
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 最近当サイトの目玉コンテンツになりつつある、一時期流行った100質便乗ネタ。すべては「大阪府河内長野市家族殺傷事件」の犯人桃寿のせいなわけだが。
※11 U・Bは高校時代、クイ研で部長までやってました。
※12 空虹桜41行。U・B31行でお約束のようにの勝ち。で、空虹さん。これで川本真琴終わりましたが次はどれを?


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