U・B >思わず首吊りたくなるほどヒドい最後の曲という伏線を最初に張った上で、ザ・コブラツイスタ
ーズ(※1)5thアルバム「日本見聞ロック」全曲レビュの後編は、6曲目「感謝 感激
日本晴れ〜優しき女神たち〜」で始まるわけですが、
空虹桜>ヒドいよねぇ。この曲名。
U・B >絶対言うと思った。サブタイトル無ければまだ救いようあるじゃん。
空虹桜>え〜、正直微妙。
U・B >うーん・・・曲自体はちょっぴり「情けない男歌」テイスト(※2)で、疾走感もあり悪くないと思うんですが。
空虹桜>え〜、なんかもっと書けるのに手加減してる気がする。
U・B >手加減ですか?
空虹桜>うん。どっか一行持ち出すと悪くない気もするけど、複数行に渡るアウトみたいな。昔はもっ
と濃かったよ。
U・B >そう言われると、たしかにそうなんだけど・・・
空虹桜>次、7曲目「鬼いかし」の方が歌詞も曲もまだいいと思うけどね。
U・B >ああ、これ絶対ライヴソングだよなぁ。
空虹桜>だよね。前半と後半じゃなんか全然内容違うことになってる気もするけど。
U・B >まぁまぁ。メタファとしての「鬼」も結構機能してると思うんですけど。
空虹桜>スゴいね。なんか評論家みたい。
U・B >殺す。
空虹桜>とりあえず、こゆちょい非現実的な曲の方がこのバンドは合ってるよね。
U・B >基本、祭りって非現実ですから。
空虹桜>つないでくるねぇ。すると次の現実チックな「冬の川」は?
U・B >全然話つながらないんですけど、
空虹桜>つながらないんだ。
U・B >うん。っていうか、聞いて。
空虹桜>はいはい。
U・B >なんでか知らんけど、この曲聴いてると、1stの「光と瞬間のブルース」を思い出すんですよ。
空虹桜>なんで?
U・B >だから知らんって。
空虹桜>そこハッキリさせるのがレヴュでしょうが。
U・B >そうなのか?
空虹桜>当然。
U・B >ええ・・・なんだべ。いちおー、ラヴソングで会いたいとなぜ言えぬ 想いを隠して何
になる(※3)が恐ろしく刺さるんですけど、でも、そこで越えられないのは目の前にあるのが「冬の川」
じゃないと思うんだよなぁ。そこまで冷たくないというか・・・
空虹桜>さて、9曲目は
U・B >しゃべり損ですか?俺。
空虹桜>いや、言葉にできればとりあえずOKかと思って。で、次9曲目はタイトルのわりにポップな「抜け殻」。
でも、冬の唄のあとに夏の唄って、ねぇ。
U・B >言うな。わかってるから言うな。ともかく、やっぱりこの曲は二胡がいい。
空虹桜>沖縄テイストって琉球テイストに中国系の楽器はやっぱり合うねぇ。
U・B >与論テイストだけどな。あと、ドラムだけ聴いてると、まるでレゲエだけどな。
空虹桜>ごめん。そこら辺までわかんない。
U・B >はいはい。おそらくまるで地上であと七日しか 生きられない蝉のようにとそ
れが青春の二ヶ所(※4)に目をつぶれば、アルバム中ベストではないかと。
空虹桜>聴きやすいしわかりやすいもんね。さて、最後が問題の「自分に勝とう」
U・B >もう笑うしかないでしょ。これ。
空虹桜>笑い泣きだ。
U・B >なんで最後にこうなっちゃうのかと。「東京ひより」と比較しても比べものにならない悲惨さ。
空虹桜>歌詞カード見直しても拾うとこないもんね。
U・B >サビとか、ループで聴かされたら気狂いますよ。
空虹桜>ある意味ケミカルソングだ。
U・B >ある意味な。バッドトリップだけど。
空虹桜>つまりだ、3曲目から9曲目だけ聴けばいいと。
U・B >身も蓋もないけどな。なんだ、お祭りお祭り言うからってお祭りを意識する必要ないし、応
援歌応援歌言うからって応援歌意識する必要なくて、コブツイというバンドがやりたいことを
きちんとやれば、それで充分お祭りやら応援歌になると思うんだよ。なんか、ダメな曲
が軒並みタイアップ付きだったから、それこそ余計にお前らがまず自分に勝てと。
空虹桜>うわっ、それオチにする気?
U・B >だってさぁ・・・でもホント、実際タイアップ付いても売れないわけだし、あからさまな
とこばかり意識しなくてもいいんじゃねぇ?と思うわけだ。そっちばっかり見てたら、
それこそ売れる物も売れない。(※5)
※1 ザ・コブラツイスターズ:川畑アキラ(Vo.三線)、相馬圭二(G)、加藤一郎(D)、浜崎賢太(B)の4人組ロックバンド。
※2 情けない男歌:自分の情けなさを肯定することしかできない男の唄。スキップカウズが代表。ピーズまで達観してしまうと違うジャンルな気がする。好きだけど。
※3 拡大部は歌詞より引用。なんで刺さるかは訊くな(滅)
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 空虹桜25行。U・B35行で、当然俺の負け。それほど中身がないわりにしゃべってるなぁ・・・