第432回 Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学(前編)

空虹桜>このアルバムの話するの、本当の本気でヤなんですけど。
U・B  >嫌よ嫌よも好きの内!
空虹桜>絶対言うと思ったけど、でも嫌なモノは嫌!
U・B  >そんなわけで、小沢健二※1)の5thアルバム「Ecology Of Everyday Life 毎日の環
       境学」を語る前編なんですが、いちおー、確認。なにがどうしてそんなに嫌?
空虹桜>悪く言っても良く言っても、ああそうね。的な目で見られそうなとこ。
U・B  >本当に臍が曲がっていらっしゃる。
空虹桜>おまけに最近じゃ変態キャラまで付けられちゃって、アタシは何者かと。
U・B  >いや、実際変態なんだから仕方ないんじゃない?
空虹桜>本物の変態に言われたくないです。
U・B  >違う違う。俺はド変態だから。(※2
空虹桜>いや・・・すみませんでした。
U・B  >そんなわけで、「イージィリスニングのようなジャズーのような絵本のサントラ」という立ち位置のアルバム1曲目
       は「The River あの川
空虹桜>そもそもさ、こうやって英題と邦題を並べるのが既に、パーフリの二番煎じじゃん。(※3
U・B  >ハハハ。そのツッコミはまったく予想してなかった。
空虹桜>結局さ、一人になって、ずっとやりたくてもなかなか上手くいかなかったジャズの世界に足を突っ込めれたわけ
       じゃない。一言でアルバムぶった切っちゃうと、良かったね。っていう。
U・B  >まぁそれはそうなんだけど、言うな。曲の話をしてください。曲の。今回歌詞カード見なくてもい
       んだし。
空虹桜>そもそも、クロスフェーダのアルバムレヴュは二人とも音楽的教養が無いから歌詞に注目だけし
       て喋ろうって話だったのに、いつからこんな音についてギャーギャー喋るようになったんだか。
U・B  >人間とは変化していくものだよ。で、どうよ?「あの川」は。
空虹桜>いや・・・ジャズの地平を目指して進んでたら、いつのまにやらコーネリさんと同じ地平にい
       たっていう。(※4
U・B  >だから、さっきから曲のレヴュになってないから。
空虹桜>いや、これが川の曲だっていうのは納得がいくというかわかるんだけど、たぶんきっと、これがコーネリさんだった
       ら、川の音をそのままサンプリングしてきてトラックにしちゃうと思うんだよね。どっちが面白いかと
U・B  >この場合は面白いかどうかじゃなくね?
空虹桜>なんだけど、川の曲、あるいは川のある風景の曲であることは、それこそ音響系なんかで間に合ってる
       わけじゃん。昔の小沢君はそれでもどっか新しかったんだけど、この曲にはそれが見つからない。
U・B  >かなりネタとしてはいいとこ拾えてる気がするけど、あんま1曲目を引っ張ってもいられないんで次2曲目
       「Voices From Wilderness 未墾の地よりの声
空虹桜>ちょっとずつ、前回のアルバム「Eclectic」の影が見え隠れしてくる(※5)んだけど、結局さ、前のレヴュで
       喋ってたらいいなぁと思うんだけど、ずっとひたすら小沢君は同じコードを繰り返してきただけ
       っていう。
U・B  >そっち行くんだ。むしろ俺は「Eclectic」で折衷的に歌詞を持っていたのに対して、いよいよ歌詞
       すら捨てて音楽となった小沢君がうんたらかんたらって話になるかと。
空虹桜>それでもいいんだけど、それだとつまんないじゃん。ありきたりで。
U・B  >本当にひねくれてらっしゃる。
空虹桜>ともかくさ、物語性を全部「うさぎ!」(※6)の方にぶつけてるという解釈はたしかにありうると思うんだけど、違く
       て、単に小沢君が「Eclectic」で今ひとつ満足いってなかったトラックをようやく仕上げれたから、その
       口実として「うさぎ!」のサントラだなんて言い訳をしたと。
U・B  >ここ数回のクロスフェーダは完膚無きまでに小沢君を軟弱王子扱いですよね。
空虹桜そんな小沢君が大好きなんですけど
U・B  >卑屈なまでのフォロウを・・・次3曲目が表題曲「Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学
空虹桜>そもそも、このタイトルの胡散臭さを誰も言及しないのが間違ってるよね。
U・B  >なにを今さら。
空虹桜>だって、あの小沢君が「毎日の環境学」だよ。いくら親がアレだからっていっても、まず、お前の過去の
       言動はどうだったのかと
U・B  >そこはホラ、目覚めるモンなんだよ。
空虹桜そゆ言い方しないで
U・B  >むしろ、そのフォロウのが意味深だし。しかし、今回4曲しか喋らんはずなのに進まんなぁ・・・
空虹桜>わかった。じゃあ、次4曲目「Jetset Junta 空飛ぶ政府」もまとめて話ちゃうけど、それまで狭い世
       界での話が続いてたのが、ここから急に大きな話になるじゃない。
U・B  >グローバルですわな。
空虹桜>得られる数少ない文字情報から無理矢理話を捏造するなら、タイトルから物語を想像するしかないん
       だけど、でもさ、アタシにはそんな大きな物語の音に聴こえないんだよね
U・B  >ホントごめん。そこまで言っちゃって、これ次回なに喋るつもりなの?
空虹桜>知らない。いっそ任せる。
U・B  >誰がそんな貧乏くじ引くかよ。
空虹桜>いっそ、後編やらないで「刹那」(※7)の話しようか。あっちのがよっぽど話しやすいよ。
U・B  >その話は後編終わってからな
空虹桜>なんだよ。ノリ悪いなぁ。
U・B  >ノリの問題じゃなく。
空虹桜>え〜。
U・B  >いや、ちっ、えーと、まとめましょう。
空虹桜>このアルバム出た直後に思った「先祖返り感」というかは間違いなくあって、実はヒップホップとクラシ
       ックやジャズの相性がいいのは構造というかに同じフレーズのループがあるか
       だと思うんだけど、
U・B  >相変わらずのことではあるんだけども、直前のノリから一気にそこまで跳ねれるのがさすが空虹さんだね。
空虹桜>腰折るなぁ・・・いや、結局、自分のフレーズをリプライズさせ続けて曲を作るのも、行為としては同じ
       けで、もともとの洋楽指向とかジャズ指向だって透けて見えるんだけど、やっぱりそのなんていうかさ、幼稚
       ではあるよね
U・B  >今思ったんだけど。ファンのクセにそんなこと言うから、小沢君雲隠れしっぱなしなんだぞ。
空虹桜>アタシのせいか?
U・B  >うん。
空虹桜>無茶振りを・・・ともかく、たしかに、カッコいいんし、音楽家小沢健二の最高傑作という評価はある一側面
       からは正しいとすら思うんだけど、なんか2chで「神」扱いされてるのと同じよう
       に見えるんだよね。
U・B  >えっ?なに?それは、なんかこないだギャーギャー言ってた狭い世界のオタクがカテゴリを狭くしてる的な?
空虹桜>むしろ、アタシのオザケンはもっと出来る子なんですから、この程度で甘や
       かさないでください!的な。
U・B  >はいはい。でも、それって今回より、後編の結びに持ってくるよな話じゃね?次回どうするつもりよ?
空虹桜>う〜ん・・・いっそ内容今回とまるまる同じで曲順と曲名だけ替えたら?※8


※1 小沢健二:アラサー(笑)な人々にとって、好きだというと微妙に恥ずかしいというか照れくさい人。詳しくは過去のクロスフェーダで。
※2 ハジメタル同様「ド変態」言われた時は「ド変態ありがとう!」と答えます。
※3 パーフリ:小沢健二と小山田圭吾が組んでいたバンド「フリッパーズ・ギター」の愛称。「フリッパーズ」と呼ぶ人もいる。
※4 コーネリさん:小山田圭吾ことCorneliusのこと。ここら辺の話はアラサー(笑)な人々は呑んで喋ってるだけで一晩過ぎる。
※5 Eclectic:小沢健二の4thアルバムのこと。詳しくは過去のクロスフェーダで。
※6 うさぎ!:小沢健二が父親の雑誌で連載してるらしい童話。今回のアルバムはその童話のサントラという扱い。
※7 刹那:小沢健二のアルバムに収録していない曲を集めたベストアルバムという扱いなのに、なんかいろいろあったアルバム。その内話しますのでしばしお待ちを。
※8 空虹桜50行。U・B35行での完勝。っていうか、空虹さん喋りすぎ(笑)ファンの人は怒らないように。空虹さんはもちろん、だって小沢君好きなんですよ。ええ。


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