U・B >スチャダラパー(※1)のコラボ曲ばっか集めたベストアルバム「CAN YOU COLLABO
RATE?〜best collaboration songs&music clips〜」のサブタイトルに並んでるmusic
clipのレヴュをしてみようという前回が長すぎたんで、想定外の後編。
空虹桜>ん?ここで後編やっちゃうってことは、来月の通常回では「11」(※2)の話しちゃってもイイってことかな?
U・B >ちげぇよバロォ。来月は思いのほかクロスフェーダで喋ってない曲多かったから、イナ戦の「俺達の応援
歌」(※3)の話すんの。「11」は再来月。たまには俺の話もさせろ。
空虹桜>これの前編、たしかアンタのが喋ってたんじゃなかったっけ?
U・B >・・・さて、話を進めませうか。
空虹桜>露骨に逃げたなぁ。んじゃ、12曲目「アーバン文法」で1998年。
U・B >モノクロ風。
空虹桜>これ、今回のアルバム出るまで全然見たことなかったPVなんだけど、同じようにモノクロになってみる
SF台本書いたことあんだよね。高校時代。(※4)
U・B >まんまストライクな時代。
空虹桜>うん。短い台本だったんだけど、とりあえず衣装は白と黒だけで、ゴドー待ち(※5)下敷きのアンドロイ
ドと博士かなんかが、ずっと喋ってる話。
U・B >それ、面白い?
空虹桜>相変わらず、そゆ際のところに一歩目から入ってきますね。ホント。
U・B >そゆ芸風ですから。
空虹桜>ちなみに、PV本編はひたすらジェンガ(※6)やり続け、最後は夢オチという。
U・B >一生に一度しかできない夢オチ。
空虹桜>まだアタシやったこと無いよ。夢オチ。
U・B >もうここまでくるとハードル高くなってるもんな。
空虹桜>アタシが生半可な夢オチやったら怒られる!っていう、よくわからないプライドの問題。
U・B >さて、13曲目はゲリラ撮影の極みのような「MORE FUN-KEY WORD」で、1998年。
空虹桜>オーディオコメンタリで本人たちも言ってるけど、ヒドいよね。
U・B >ひどい。んで、やってみたい。
空虹桜>みたいみたい。今ならもっとさりげなくできる気がするし。
U・B >編集的には金かかるけど、撮るだけなら全然コストかかんない。
空虹桜>きっとアレだよね。本編PVはスポーツ用品店だけど、やるなら郊外のジャスコとかイオンとか?
U・B >うむ。あるいはネズミーランド。
空虹桜>いいなぁ。楽しそうだなぁ。こゆのって映像屋のいいとこだよね。物書きにはない楽しさ。
U・B >手持ちでやってるから、イリーガル感弱めに撮れるわけだよ。ピント浅めにしとけばいいから。
空虹桜>ああ、映像そこら辺が変に五月蠅くなったから遊びきれない面はある。
U・B >ある。あとまぁ余談だけれど、俺自身は音声ならいくらでもイジれる技術あるけど、映像できないんだよなぁ。
Macあるからなんとかなるとは思うんだけど。
空虹桜>技術の進化頼み。
U・B >しっかし、既に2曲目からいつものようにひたすら長くなってるわけですが14曲目は「4ch FUNK」でまたま
た1998年。
空虹桜>ホント、ハナちゃん(※7)のベースがいいよねぇ。
U・B >PVの話してください。
空虹桜>東京ドームは隠さなきゃダメです!
U・B >あと、ホントにインスタントカメラはいいよね。
空虹桜>でもたぶん、そこでグッと来るのはサブカル畑の人間で、
U・B >女子高生とかにも流行ってたりしたけど、あそこでその後、写メに流れるか、もっとサブカル系に流れるかで二択
だったんじゃないかと。
空虹桜>無駄にそゆとこ意識やったりするから話が長くなる。
U・B >まぁ、クロスフェーダのメインはそこですから。で、最後に消されてる人、誰?
空虹桜>知りません。あと、飛ぶのはマトリックス(※8)にパクられました。
U・B >こゆのは、ホント先に唾付けたもん勝ちだからね。で、15曲目「トリプルショット」も1998年。
んでもって、中田島砂丘(※9)
空虹桜>問答無用でカッコいいよね。砂丘って。
U・B >めっきりすっかり病んだ発言で。あと、映像的にはやっぱりジェンカが好き?
空虹桜>あとあと、オシロスコープ的な波形好き。
U・B >個人的にべつに「ファンタジア」(※10)好きではないんだけど、たしかに音にシンクロしてる映像は
好き。
空虹桜>好き。
U・B >刷り込まれてんッスかねぇ。
空虹桜>いや、そゆことだけじゃなくて、結局さ、いちおーの音楽好きとして、やっぱりリズム感狂うのは間違
ってんだよね。感覚として。
U・B >自分にリズム感あるかどうかは別として。
空虹桜>別として。
U・B >わざと狂わせてるのはいいんだけど、逆に言うと、バックにビートがあるのにそれをシカト
できるヤツの気が知れないっていう。
空虹桜>ねぇ。世の中そんなんばっかだけど。
U・B >グッタリ気味にね。16曲目は「More Fun-Key-Word (Towa Tei Remix)」で1999年作成で
さっきのの完全リプライズ。
空虹桜>違うのは、ロボ宙の帽子が飛ぶか飛ばないか。
U・B >そこですか?
空虹桜>そこですよ。
U・B >でもって、17曲目「FUN-KEY PERSONALITY (Live)」は客入れたLIVEヴァージョンにもかかわ
らず、スロー録画。
空虹桜>スチャダラの客だからがんがん乗ってくるっていう。
U・B >ですわな。
空虹桜>だからさ、本当に客を育てるってのは大事なんだよね。
U・B >だすよねぇ。
空虹桜>なにやっても怒られないってわけじゃなくて、ちょっとぐらいの無理強いならオモロって応
えてくれる客を育てる必要がある。
U・B >サブカル界隈的には。
空虹桜>ただのサブカルじゃなくて、サブカルの中でもカウンタポジションだからね。
U・B >ホントにしょーもない。ポジション問題。さて、18曲目が凄いゲリラな「ドリジナルコンセプト」
空虹桜>妙なシネスコっぽい感じなのもいいよね。
U・B >あとまぁ、コパン?(※11)
空虹桜>コパンに反応しちゃうのはファンだけだけどね。あとそう、結局さ、こうやって喋ってるわりにやっぱ見ぃっ
ちゃうんだよね。
U・B >見入る見入る。結局さ、悔しさというか羨ましさというか。
空虹桜>究極、人が楽しそうにやってるのって混ぜてもらいっていうか、アタシもやりたい。
U・B >ああ、空虹さん的にはその手の妙なの結構あるタイプだもんね。
空虹桜>超逆説的に、だからやっぱスチャダラ好きだわっていう。
U・B >普通にカッコいいっていう。
空虹桜>んでもってキワモノの19曲目「LET IT FLOW AGAIN feat.ロボ宙」で、ワンコインしか予算がな
かったからスチャ自分でセルフプロデュース。
U・B >2004年制作。でも、これって初めて見た時カッコいいっていうか、さすがだと思った。
空虹桜>思った。結局、ワンアイディアで押せるんだよね。10分以下なら。
U・B >もっと言っちゃうと、アイディアが無いヤツはいくら予算があってもダメっていう。
空虹桜>「DRAG0NBALL EV0LUTI0N」とかね。
U・B >言うな。そこら辺はビジネスの考え方が甘いんだよな。ギャンブルできないビジネスが大金になるわけなくて、み
んなみんな小銭稼ぐことしか考えない。
空虹桜>小銭なんかいらなくてHRか三振でいいのにね。
U・B >胡散臭くない外国人がいない野球は面白くない。その点まだサッカーは胡散臭さが残ってんだけど。
空虹桜>なんたって、ブラジル代表でもベンチだったりしますからね。フットボールネイションじゃ。
U・B >そこで逆に小銭しか使わないアイディアネタってのは本来エコとしてフューチャされうると思うんで
すが、極みのような20曲目「スキマチック」で、2004年、TAKEIGOODMANの究極作。
空虹桜>いつみても笑えるんだよねぇ。これ。
U・B >やっぱりくっだらないこと最高!
空虹桜>だからさ、もう本当に勘違いしてる子たちが多いんだけど、単に本当にくだらないことやしょーもないこととアタ
シたちが喜ぶくだらないことやしょーもないことはまったく違うっていう。アイディア
の価値とか実際に実現できる気合いとか、そこら辺の違いが全然わかってなくて、単につまんないことを、さも凄
いことかのようにやってるとド突き倒したくなるわけじゃん。
U・B >自分たちがやってることがつまらないというかしょーもないと自覚無しでやってるのが悲惨なんだ
よな。
空虹桜>悲惨悲惨。可哀想。しかもそれが自分のオリジナルだと勘違いしてたりとかね。
U・B >オリジナル幻想取り憑かれてなければ救いようもあるんだけどね。さて、あと2曲。21曲目が「DISCO
SYSTEM」で、製作は南関東逆境会(大根仁・ニイルセン・石田雄介)。
空虹桜>こゆの好きだよね。男の子。
U・B >ええ。
空虹桜>セットは金掛かってないんッスけどねぇ。
U・B >スチャダラのPV作る時は詰め込まなきゃいけないっていう伝統の末。
空虹桜>メントスコーラ(※12)
U・B >それは違うじゃねぇかと。
空虹桜>でも、メントスコーラはスチャっぽいよね。
U・B >あるいはHALCALI(※13)とかね。
空虹桜>っぽいっぽい。
U・B >たしかに手応えは違うんだけど、出てる人が同じだからか、それとも結局ワンアイディアネタだからか、
空虹桜>なんだかんだで雰囲気似てるよね。監督違くても。
U・B >もちろん、意識したから余計だろうけど。さて、最後22曲目がTHE HELLO WORKSの「HIGH&FAST」で、
監督がkimgymの木村和史。
空虹桜>キッザニア!(※14)
U・B >セット経費的には使えれば素晴らしく安上がりっていう。
空虹桜>大人になったら遊べないもんね。
U・B >子どもの国ですから。
空虹桜>こうやって見比べると、人や金掛かってる映像と違う映像とそうじゃない映像の違いがよくわかるよね。
U・B >正直、ワンアイディアネタであれば金掛かってない方が面白い。
空虹桜>臍曲がり。
U・B >ええまぁ。否定しませんよ。
空虹桜>危機とするところあたりが憎たらしいよ。まったく。
U・B >さて、一通り見終わりましたが、なんか締めに喋ります?
空虹桜>ストロにも書いたけどさ、このPV集を中学生ぐらいに見ちゃってたら人生変わってたと思うんだ。
U・B >電気グルーヴとかフリッパーズとか、もっともっと遡るとスネークマンショーは映像ちゃうけど、きっとそんな感じ
で、しょーもない連中を毒してきたんだよな。きっと。(※15)
空虹桜>毒したいねぇ。
U・B >毒したいッスねぇ。
空虹桜>がむばらなきゃねぇ・・・(※16)
※1 スチャダラパー:言わずもがなの日本人ラッパー3人組。詳しくはリンク先のオフィシャルへ。今さらここでどうこう言う必要なくね?
※2 スチャダラパーの11stアルバムのこと。3/25発売。
※3 2/4に発売されたTHEイナズマ戦隊のコンセプトアルバム。って、今、オフィシャル見るまでコンセプトアルバムだとすら知らんかった(苦笑)
※4 いちおー、空虹さんは高校時代演劇同好会を立ち上げ、コントを書いたりしていた。
※5 ゴドー待ち:ゴドーを待ちながら永遠くっちゃべるだけのショートコントの基本フォーマット(by 空虹)
※6 ジェンガ:スワヒリ語で「組み立てる」という意味らしいゾ!基本型は54本のパーツを縦横に3本ずつ組み上げた18段のタワーとなってるらしいゾ!とりあえずなんだ、一回やり出すとハマるよね。オールナイトではやらんが。
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※7 ハナちゃん:SLY MONGOOSEの笹沼位吉(ささぬまのりよし)のこと。カッコいいベースを弾く。
※8 マトリックス:子宮。あるいは行列(ベタなヴォケ)サイバトロンのリーダに代々受け継がれる青白い結晶体。受け継ぐとコンボイになれる(難易度の高いヴォケ)ウォシャウスキー兄弟によるキアヌ・リーブスな映画。弾丸を仰け反って交わすのが、一時期流行った。
※9 中田島砂丘:浜松にあるカッチョいい砂丘。いろいろ環境問題あるらしくて、もうちょいクローズアップ現代な感じでいいのカモシカな場所。
※10 ファンタジア:1940年のネズミー映画。幼き頃に見たおいらにゃ、なんか唄ってるだけのくそ詰まんねぇ映画という印象しか残っていない(苦笑)たぶん、今見た方がいいと思う<自分
※11 コパン:スチャダラパーのBOSEが飼うフレンチブルドッグの名前。空虹さんは黒いフレブルを見かけると全部コパンだ!と思うらしい。
※12 メントスコーラ:メントスをダイエットコーラに放り込むと噴水ができるよ!っていう遊び。一時期YouTubeやなんかの影響により世界中でやってた。
※13 HALCALI:田辺エージェンシーな女の子HipHopユニットの代表格。エロい意味ではなく、オッサンどもの遊び道具。
※14 キッザニア:子ども向けの職業体験型テーマパーク、ちうか、盛大なお飯事場。こんなこと、俺が餓鬼の頃は妄想でやってたぜ!と、思わないではないが、実際餓鬼んちょの頃にあったら行きたくてたまらんかったと思ふ。
※15 電気グルーヴ:スチャダラパーと仲のいいダメなオッサン二人組。 フリッパーズ:若い頃スチャダラパーと仲が良かったお兄ちゃん二人組。今は片や隠遁生活、片やグラミー賞ノミネートミュージシャン。 スネークマンショー:やんこまりたい。死ぬのは嫌だ、怖い。戦争反対!
※16 空虹桜66行。U・B77行で、進行役だから、俺のが喋り過ぎなのは仕方ないじゃないか!・・・ふぅ。疲れた。