第614回 LIFE WORKS JOURNEY(後編)

U・B  >FLYING KIDS※1)再始動後2枚目、通算13枚目のアルバム「LIFE WORKS JOURNEY」(Amazon/iTS
       をレヴュする後編です。ここまでは前回喋ったマンマです。
空虹桜>恥ずかしげもなく予定調和やるのは嫌いじゃないですが、ともかく7曲目「HESOの下☆WORLD」で、いかにもフライ
       ングキッズっぽい下ネタ
U・B  >実際問題、ヘソの下でしか物事考えらんないッスもんね。男なんぞは
空虹桜それでもお前を好きでいたよ※2)と。
U・B  >けものですけど、けものにだって好きとか愛とかあるんですよと。
空虹桜>でも、一番重要なのはいくよ くるよ※3
U・B  >ダメだって、そゆところ素直に反射しちゃ。
空虹桜>素直な曲に素直なリアクションでなにが悪いさ!次。8曲目「9月」で、直前のアホなテンションとは打って変わって、落ち着
       いた曲。
U・B  >前編でそんなよな話もした気がするけど、この曲の曲名が「9月」なのは秋だからだし、人生暮れかかってきてることへの隠喩
       なのではないかと。
空虹桜>隠喩!
U・B  >そのツッコミ、前回も受けました。
空虹桜>なんでそんな細かいこと覚えてるかなぁ。
U・B  >むしろ、同じネタ2回やるなよ
空虹桜>思いっきり自分のこと棚に上げましたね?今。
U・B  >上げましたともさ。なんとかは高いところが好きですから。って、そうじゃなく、この曲のキモはひとつ
       ひとつずつ 痛みを数え そのうち長袖シャツに着替えるのかな?※4)で、まだ半袖の
       つもりなんだよ。つまり、まだ若いつもりでいて、いつかは老成して見せなくちゃならないかもしれないけど、それはいつか、そ
       のうちの話で、暮れかかってるとしてもでも胸は半袖の熱の冷めぬ夏の空の下※5)だっていう。
空虹桜>適度にまとめていただいたところで、9曲目「レクイエム」はインスト(※6)。
U・B  >何枚かに一曲、アルバムの中にスルッとインスト曲が紛れ込むんだけど、今回は曲名からして、いかにも2011年に作られたア
       ルバムの曲なんじゃないかと。
空虹桜>ちょうど、3.11更新ですからね。今回。まるでつながるようにはじまる10曲目が「ちぎれぬ時間」で、本当に続いてるよう
       に優しい曲。
U・B  >きっと僕らは きっと僕らは ちぎれた時間を結ぶ※7)と唄っておいて、タイトルが「ちぎれぬ時間」
       ですからね。ちぎれてんじゃん!とかツッコミたくなるとこだけど、そんな気持ちはグッと堪えて
空虹桜どか〜んと一発やってみよ〜※8
U・B  >お前・・・ホントに一回死んでみるか?
空虹桜生き返れるなら
U・B  >・・・
空虹桜想うではじまるサビは、しみじみと共感を誘って、たしかに想うんだよね。どうかこのまま どうかこのま
       ※9)って。
U・B  >沈黙を流しましたね。
空虹桜>ええ。11曲目が表題曲「LIFE WORKS JOURNEY
U・B  >もちろん不安だらけ それでも旅をする 耳澄まし 風が呼ぶ方へ心踏み出して
       歩き続ける※10)がすべてですよ。
空虹桜>あっ、そっちなんだ。アタシ的には生命が決めた事をただ続けよう 何度も 何度もああ、ほ
       ※11)が無闇にグッと来たりするんだけど。
U・B  >そこはもう人それぞれでOKじゃないかと。過去のフラキの曲ん中でクライマックスとしては弱い曲なんだけど、でも、全体の中
       でこの曲の説得力は尋常じゃなくて、もう旅をするしかないんですよ。
空虹桜ぼくらの住むこの世界では旅に出る理由があり 誰もみな手をふってはしばし
       別れる※12)もんね。
U・B  >ぶん殴りますよ
空虹桜>痛いのはイヤです。最後。12曲目は「エピローグ」で、歌詞だけ見たら短いのに5:14もある。
U・B  >でも、決して長さを感じさせはしないし、このアルバム全体を締めるエピローグたる曲。
空虹桜海の底でさえも消えぬ永久の炎 ただ「好き」と言えぬ人に寄せる思い※13)とか、連
       想ゲーム的に泣けてくる。
U・B  >そのあとの憎しみを忘れさせる優しい声※14)までひっくるめて、エピローグ然としたエピローグで、満足感
       の大きい曲。
空虹桜>収めるところに収めてる感じはたしかにする。
U・B  >前編から40歳問題とかいろいろ言ってきたけど、秋ってつまり収穫期なわけじゃないですか。
空虹桜>おっ、上手いこと言おうとしてる?
U・B  >このタイミングで茶々入れんなよ。(※15)えーと・・・この旅はここからが面白いところで、人生の収穫期において、こんなアル
       バムをドロップできたFLYING KIDSってバンドは幸福なバンドだよなぁと思うし、正直、早く50代のFLYING KIDS見たいなぁと思
       うアルバムでした。(※16


※1 FLYING KIDS:「平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国」通称「イカ天」の初代グランドキング。浜谷淳子が結婚のため引退したので、現在のメンバ構成はVo.浜崎貴司、Gt.丸山史朗、Gt.加藤英彦、Ky.飯野竜彦、Ba.伏島和雄(リーダ)、Dr.中園浩之。
※2 拡大部は歌詞より引用。
※3 拡大部は歌詞より引用。
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 拡大部は歌詞より引用。
※6 インスト:インストゥルメンタル。つまり、人声を一切用いず、楽器のみで演奏されれば器楽曲のこと。
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 拡大部は真心ブラザーズ1分半の名曲「どか〜ん」の歌詞より引用。
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 拡大部は歌詞より引用。
※11 拡大部は歌詞より引用。
※12 拡大部は小沢健二の「ぼくらが旅に出る理由」の歌詞より引用。
※13 拡大部は歌詞より引用。
※14 拡大部は歌詞より引用。
※15 久々の注釈だけれども、赤ずきんチャチャではないというお約束の件なのです。勝俣州和が所属していたグループでも無いですよ。
※16 空虹桜26行。U・B31行で、の負け。こうバカスカ空虹さんが引用ネタを噛ましてくると、ワシの立場がないではないか・・・


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