第640回 アナログフィッシュ(前編)

U・B  >アルバムレヴュ、U・Bのターンは今回からアナログフィッシュ※1)のお話をします。さすがにインディーズ盤の「世
       界は幻」と「日曜日の夜みたいだ」を持ってない(※2)ので、メジャ1stアルバムっつーことで、「アナログフィッシュ
       です。これ書くように念のためWikipedia見たら、当初はレーベルゲートCD2で発売されてたようで、ホント知らんかったとです。
       当然、持ってるのはCDDA盤です。(※3
空虹桜>導入のわりには本編と無関係にマニアックなこと言った?今。
U・B  >レーベルゲート筆頭にCCCDは4年で黒歴史になりましたからね。
空虹桜>人の諫言を無視してなにをぶつくさと・・・まずは1曲目「白黒ック」駄洒落かよ!
U・B  >駄洒落ですよ。ええ。10周年記念のライヴで1曲目がこの曲だったんだけど、つまりはそういう曲なんだよ。
空虹桜>ごめん、感情移入しすぎてて全然わからない。
U・B  >ハイハイ。わかりました。わかりましたとさ。やっぱりこの曲の白眉はサビにあると思うわけですよ。息するだけならダ
       レでも出来る。息するだけならバカでも出来る。息するだけならサルでも出来る。
       息するだけなら。夜は無神経に黒。僕は思考停止で白。※4)って、インディーズの1曲目に
       持ってくるだけの曲だなぁっていう。今になって下岡(※5)がプロテストソング(※6)の新星みたいな扱いされてるけど、この時
       から、息することの無意味感というか、平等感を唄ってるわけじゃないですか。
空虹桜>それのどこがプロテストソングに掛かってくると。
U・B  >なにかあってどうこう言うのって誰でもできるわけじゃん。それは息することと大差ないわけです
       よ。なにも無い時に言えてないヤツがなにを!っていうさ。超深読みだけど。
空虹桜>さすがにその深読みは無理すぎ。2曲目「ラジオ」ちょうど「白黒ック」のアウトロとイイ感じでつながってはじまるイントロ。
U・B  >このバンドは下岡晃と佐々木健太郎(※7)という、2人のメロディメーカがいて、それぞれが強烈な個性で唄ってることに意義
       があるバンドなんだけど、健太郎の曲はパンクに近いぐらいの疾走感と愛情が詰まってる曲が多
       くて、そのクセに何でどうしてみんな そんなに平然と前を見れる 前を見れるの? 僕
       の気も知んないで 天気は晴れに変わる 晴れに変わるよ※8)なんて、シレッと言っちゃう。
空虹桜>僕の気を知らないってのは重要だよね。自分が世界の中心じゃないって当たり前の客観さ持ってますアピ
       ールだからね。さて、3曲目「LOW
U・B  >1stアルバムにして健太郎濃度が詰まって煮えたぎってる感じがする名曲。アンテナ朽ち果てたんで インポ
       テンツだ 心がインポだ 頭の中で君を犯した※9)とかなんとか、20代前半で唄えたりする?全力
       で情けないし惨めだけど、それを唄ってこそのロックなわけですよ
空虹桜>U・Bさんが勧めるロックですからねぇ。
U・B  >情けない男歌を唄えないヤツがロックを語るな!※10
空虹桜>なにげに憂鬱な思いはしたくはない 望まなくてもしてしまうから いいや あきらめ
       ※11)って、さりげにナイスなパンチラインだと思いますけどね。さて、4曲目「夕暮れ」名曲。
U・B  >尋常じゃなく名曲です。1stでこれをドロップしたら、他に作る曲無くなっててもおかしくない名曲です。
空虹桜>なに言ってんだかよくわかんないけど、無闇に泣けてくる感じというか。
U・B  >ホント、1日をなんだかよくわからずに過ごしてしまったんだけど、それがたまらなくやるせなくて、ある意味青春の
       みたいな曲だし、ある意味、人生の終わりに相応しい曲
空虹桜頭蓋骨と尾底骨があれば 人間って呼ぶわけじゃない みたいなんだ 知って
       た?※12)って、完璧に脈略無いもんね。
U・B  >うん。そこでの脈略の無さを挟むことでので展開が、無常観全開で下岡らしいなぁっていう。ホント名曲
空虹桜>イントロの佇まいからして名曲然としていて、アルバムのラストでもいい曲だと思うけど、まだまだ続いて、5曲目「赤い自
       転車
U・B  >北海道に住んでた頃、この曲に出てくる「環七」が「カンダタ」に聞こえて、芥川か?それともドラクエか?と、
       本気で思っておりました。
空虹桜>歌詞カード見て聴けよ。
U・B  >普通、歌詞カードじっと読みながらCD聴かねぇーだろ?
空虹桜曲による
U・B  >そこでまた本末転倒的な切り返しを・・・
空虹桜>そして、6曲目は超強烈な「バタフライ
U・B  >出だしからしてねぇ ほら この空の続きで、ボーイングは 真っ赤に燃えた。まぁ その
       君の白い肩にも、真っ黒な灰は 積もっているわけだ。※13)ですからね。しかも全部バタフ
       ライのせいっていう
空虹桜>バタフライ効果のことを唄った曲だってのはよくわかるけど、バタフライに振り回される僕はバカみたい
       だなんて思う人はあまりいない
U・B  >というか、そこまで豪快に責任転嫁しますかね?っていう。でも、さっきのプロテストソング話にもつながる
       けど、この感性があるから、アレとコレをつなげられるわけじゃん。
空虹桜>よくわからん。
U・B  >プロテストなる行為の背景には絶対的な説得力がいるわけですよ。で、その説得力ってヤツは、自分の生活とか
       と、あの馬鹿がやらかしたことは直結していると証明してみせることによって生まれる。
空虹桜>それができてないから、大半のプロテスト的な行為は空虚というか、むしろ妄想っぽくすら見える
U・B  >だから、NO NUKESでアナログが唄った(※14)のはビックリしたんだけど、まぁ、肩に力入ってたりはしなかったから、まぁい
       いかと。
空虹桜>またぞろ知らない話が挟まったところで、今回最後の7曲目は「確信なんかなくてもいいよ
U・B  >これまた、流石健太郎
空虹桜確信なんか無くてもいいよ とりあえず進め!!
U・B  >確信なんか無くてもいいよ とりあえず進め!!※15
空虹桜とりあえず進め!!
U・B  >とりあえずでいいから進め!!
空虹桜>若いなぁ。
U・B  >ちげぇよ。絶対それは違う。自分の歳とか老いとかを言い訳にするのは、単に逃げてる
       だけに過ぎなくて、むしろ、そう思う自分の弱さをうっちゃって、叫ぶのが正しいと
       思うんだよ
空虹桜>また、お熱い台詞を。
U・B  >だって、確信なんか無くてもいいんだよ。とりあえず進め!!※16


※1 アナログフィッシュ:1999年に結成の下北系ギターロックバンド。長野県下伊那郡喬木村出身の下岡晃(Gt&Vo)と佐々木健太郎(Ba&Vo)に斉藤州一郎(Dr)を加えた3ピースバンド。
※2 インディーズ盤の「世界は幻」と「日曜日の夜みたいだ」:「世界は幻」がインディーズ1st。「日曜日の夜みたいだ」がインディーズ2nd。中古で探せば手に入らなくはない。
※3 レーベルゲートCD2:銀色円盤。CDDA:Compact Disc Digital Audioの略。一般的なCD。
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 下岡:ギターヴォーカルの下岡晃のこと。作詞作曲も行う。
※6 プロテストソング:様々な政治的抗議のメッセージを歌詞に込めた、歌の総称である。追々なにがどうってのはわかるハズ。
※7 佐々木健太郎:ベースヴォーカルの佐々木健太郎。って、そりゃなぁーと。作詞作曲も行う。基本、自分で書いた詞を自分で唄う。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 情けない男歌:U・Bの提唱する概念。情けない男を唄ってる曲を差すのだけど、単純に自己卑下するだけじゃダメなのだよ。詳しくは過去のクロスフェーダのアルバムレヴュシリーズを漁りたまえ!(上から目線)(さて、これはいつのコピペでしょう?)
※11 拡大部は歌詞より引用。
※12 拡大部は歌詞より引用。
※13 拡大部は歌詞より引用。
※14 NO NUKES:2012/7/7および7/8に幕張メッセで行われた音楽イヴェント「NO NUKES 2012」のこと。まったくその枠に入ると思わずビックリした。
※15 この2行、拡大部は歌詞より引用。
※16 空虹27行。U・B45行で、無論、の負け。ホントもう、確信なんかなくてもいいよ!


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