第731回 Life Goes On(前編)

U・B  >前回のアルバムが2人で作ったけど、自律神経失調症で脱退してた斉藤州一郎が復帰した(※1アナログフィッシュ※2)5thアルバム
       「Life Goes On」(Amazon/iTS)を語る前編です。
空虹桜>1曲目は「NOW」で、二度とない今日 戻らない昨日※3)を永遠繰り返すだけで4分もたせる酷い曲
U・B  >いきなりdisからはじめますか。(※4
空虹桜>さすがに4分は無くない?
U・B  >当時はこれが出囃子だったりしたんですよ。(※5
空虹桜>ああ。ドラムにあわせて客も手拍子打ちながら。みたいな?
U・B  >そうそう。そうです。そしたら、まぁ、わかるじゃないですか。説得力あるというか。
空虹桜>言い訳みたいに聞こえるけどなぁ。
U・B  >下岡曲(※6)なんですが、むしろ、このフレーズワークで「NOW」とタイトル付けてしまうあたりを褒めていただきたいです。
空虹桜>そうかなぁ・・・次、2曲目「Light Bright」で、ずっと暗いとこで唄ってる曲。
U・B  >Daylight Twilight 広がる世界と裏腹に Daylight Twilight ふさがる未来に火をつけて※7)で
       すからね。切実ですよ。これ。
空虹桜未来は暗いけど、でも!って曲だもんね。
U・B  >ちょっとは明るいハズだから、それを見ようよっていう。
空虹桜>全然明るくない。
U・B  >ラストのサビがDaylight Twilight つながる世界の裏側で Daylight Twilight 震えるハートに火を
       ともせ※8)で、ちょうどiPhone 3GS出たのが2009年(※9)なんだけど、そっからスマフォの時代になるわけじゃないですか。
空虹桜>深読みしにきたねぇ。
U・B  >ええ。つながれるコトって、ホントに明るいのかな?ってのは、このご時世で疑われるべき事象なんですよね。
空虹桜>どっちかって言うと、つながりたくない人たちだもんね。ウチら。
U・B  >SEXはしたいですけどね
空虹桜>・・・本当に死んだ方がいいと思うよ。世界のために。
U・B  >大きい言い方しましたね。
空虹桜>3曲目「ハッピーエンド」で、3曲目にして終わりという。
U・B  >いや、そうじゃなくて、実はこの曲、軒並み歌詞サイトに登録されていないので、せめて引用の範囲内で2番のサビを起こしてお
       きたいんです。なにかっていうと、君の声が君の体が 僕を潤し始めてゆく だから僕は大丈夫さ 今日も戦
       い続けてゆこう 歌う時はいつも 頭の真ん中に 君を浮かべている 君を浮かべながら※10)なん
       ですよ。
空虹桜>全然終わってない。
U・B  >だから・・・どうしてそゆこと言っちゃうかなぁ・・・
空虹桜ここから始まるんだよね。ホントは。
U・B  >まぁ、そうですけど、でも、なんとなく、これは過去の想い出を唄ってるのかなぁって気もするんだよね。
空虹桜>ああ・・・すると、凄い残念な曲だ。
U・B  >妄想ですからね。でも、あの娘と愛し合っていたからこそ、今を生きてけるって、何気に結構あると思うんですよ。
空虹桜>力説した。
U・B  >力説しました。すみませんね。
空虹桜>で、4曲目が表題曲の「Life goes on
U・B  >たぶん、トータルでアナログフィッシュ中一番好きな曲
空虹桜>前に言ってたのは遠回りじゃないよ 真っ直ぐな道を蛇行しているだけ※11)のフレージングを絶賛してらっしゃいまし
       たが。
U・B  >2番でそこにぶら下がるやりたい事をやって とても大切な人を 傷つけてしまったとしても※12)みたいに、超
       自分勝手な発言だけど、でも、それが凄いわかるっていう、残念な人格ですから。
空虹桜>ある意味、諦念というか傍観の曲
U・B  >なにせ各駅停車でも 急行列車でも 降りる気が無ければ 何も終わりはしないんだよ※13)なんて、
       革命的なフレーズが飛び出しますからね。
空虹桜>ちょっと、この曲からまた変わるんだろうな感もあり。
U・B  >にもかかわらず、今まで以上の親近感みたいなモノを抱いたり。
空虹桜>絶望的な世の中に対して、ある種ポジティヴな諦めを抱いているというか。
U・B  >もうなすがままっていうか、なったらなったで仕方がない
空虹桜>原発はメルトダウンしていて、オッサンたちは自分たちの金を稼ぐために、他人を戦地に向かわせる。
U・B  >全然歯止めが利かないことに対して、無力な俺らは諦めざるを得ないんだけど、でも、楽しいことをしよう また悲しい出来事
       に 出会ってしまうとしても※14
空虹桜>というプロテストソングという解釈なわけだ。(※15
U・B  >まぁね。
空虹桜>ってところで、今回最後の5曲目が「平行」で、何気にアタシはこっちのが好き。
U・B  >ガジェット萌えな感じですか?
空虹桜>実は前に書いた「ロックンロール・マジック」って短編(※16)は、この曲の現実やバーチャルやファンタジーの延長線上で
       は 砂漠の兵士と渋谷の少女が恋をする※17)からの連想で書いたんだけどね。
U・B  >なんと!
空虹桜夜のカーブには衛星軌道が並行する※18)っていうのも、なかなかマジックフレーズなんだけどね。
U・B  >下岡曲にはありがちな、ガジェット乱打なんだけど、鍵盤の音と合わさって、厳か感まで加わって、よくわかんないことになってる
       ていう。この曲はPVがYouTubeに上がってるので、わりと簡単に聴ける曲でもある。
空虹桜>平行って言葉の定義自体が、初等教育で出てくるんだけど、限りなく胡散臭い概念なんだよね。本当は。
U・B  >どこまで行っても交わらない。
空虹桜>ホント?って感じがするじゃん。だいたい、どこまで行ってもって、果ての果ての果てなんて知らないわけだし
U・B  >まぁね。でも、想像は出来る
空虹桜>まぁね。
U・B  >でだ、いろいろ分け方はあるけど、集大成の一枚なんですよ。アナログフィッシュにとって。ここから先は荒野へ向かってしまうので。
       その中で、恍惚と不安と二つ我にありみたいなアルバムだから、聴き飽きしない一枚なんじゃなかろうかと。(※19


※1 自律神経失調症:自律神経のバランスが崩れた場合に起こる症状の総称。 斉藤州一郎:アナログフィッシュのドラム。2008年3月10日に脱退し、2009年10月10日復帰。その時、ライヴ会場にいた、U・Bのレポがこちら
※2 アナログフィッシュ:1999年に結成の下北系ギターロックバンド。長野県下伊那郡喬木村出身の下岡晃(Gt&Vo)と佐々木健太郎(Ba&Vo)に斉藤州一郎(Dr)を加えた3ピースバンド。
※3 拡大部は歌詞より引用。
※4 dis:7月に解散するのはBiS。デイトナ・インターナショナル・スピードウェイはアメリカのサーキット。ここでは、ディスリスペクトの略。
※5 出囃子:舞台へ上がる際に流される音楽。たとえば

※6 下岡曲:アナログフィッシュのギター、下岡晃が作詞作曲した楽曲のこと。
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 iPhone 3GS:もしくは三代目iPhone。初めてSが付いたスゴいヤツ。背面が光沢プラスチックだった。なつかC。
※10 拡大部は歌詞より引用。
※11 拡大部は歌詞より引用。
※12 拡大部は歌詞より引用。
※13 拡大部は歌詞より引用。
※14 拡大部は歌詞より引用。
※15 プロテストソング:Wikipediaによると「政治的抗議のメッセージを含む歌の総称」だそうな。
※16 ロックンロール・マジック:公開されるあてのない、空虹さんの短編。変な話。
※17 拡大部は歌詞より引用。
※18 拡大部は歌詞より引用。
※19 空虹30行。U・B40行で、の負け。後編は健太郎曲が多めです。


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