第76回 オモロ感の話

空虹桜>アタシの行動原理の根幹には「勿体ないお化けが出るぞ!(※1)」
       ってのがあるんだけど、もう1つ、やりたいことはぎょーさんあるけど、他の人頼って
       もしかたないから自分でやってるわけなのね。
U・B  >まぁ、そこら辺はいつだかここで聞いた話(※2)だわな。んで?
空虹桜>もちろん、そのやりたいことってのは、アタシの主観ではオモロなことなのね。どんなに
       辛くてもどんなに苦しくてもどんなに悲しいことであってもオモロなの
U・B  >はいはいはい。つまり、オモロ感をまず定義しようとしてるわけですな?
空虹桜>議論をするとき最初にすることはそれだからね。んで、アタシの定義ってのは、オモロ感と
       は感情を揺さぶる感覚である。もうちょい普遍的な言葉を使うとエンタテイ
       メント感なのね。
U・B  >起承転結喜怒哀楽が詰まったワンダランドみたいな?
空虹桜>ものすごい微妙な表現するのね。アンタって。
U・B  >それが仕事ですから。
空虹桜>ゴハン食べれるようになってから仕事だって嘯いて頂戴。それはともかく、ここで勘違い
       して欲しくないのは、女子高生がキティちゃん(※3)とヒョウ柄のたとえばバッグ、その
       両方に対して「カワイイ※4)」って言うのとは違うってこと。
U・B  >ん?それはどゆ意味だ?
空虹桜>あの娘たちってのはさ、単純に言葉を知らないから代用として使ってるわけじゃ
       ない。いや、アタシも言葉は知らないんだけど、彼女たちよりは知ってるつもりなの
       ね。自分の感情を表現する言葉を。
U・B  >作家なるとかホザいてるクセして語彙力無いのは洒落にならんからな。
空虹桜グサッ・・・痛いなぁ・・・痛いんだよなぁ・・・そういうのは・・・いや、まぁ、こんなところで黄
       昏てもしかたないから話し進めるけど、彼女たちが等位互換で「カワイイ」を使ってる
       のと違ってアタシの定義する「オモロ感」ってのはそこら辺のひっくるめたのの上位な意
       味があるのね。
U・B  >うーん・・・つまり、「走る」・「投げる」・「飛ぶ」と「動く」・「行動する」みたいな関係?(※5
空虹桜>そうそう。下位互換はあるけどそれしちゃうと口幅ったいっていう。んで、アタシに
       とってそのオモロ感ってのが最重要価値感だから
U・B  >スミマセーン。行動原理の根幹最重要価値観違いはなんですか?
空虹桜>いきなり小学生口調かい。アンタは、いや、そうじゃなくて、んー立脚点の違い
       だから根本的な違いはないんだけど、目の前にある道を歩いている理由が行動
       原理の根幹。Y字路にぶつかったとき右へ行くか左に行くかを決めるのが
       最重要価値感。んなところ。
U・B  >わからないではないけど、結果的にその道はどこへつながってるんですか?
空虹桜>それは哲学的命題でまた別のお話。ここじゃ重要じゃないからそのうちね。
U・B  >そう逃げたか。
空虹桜>わかってもらえたようだから話の続き。オモロ感が最重要価値感だから、アタシにとっては
       本を読むことも文章を書くこともかたっくるしい議論スチャダラ
       パーを聴くことも酒の席の馬鹿話も基本的に同価値なの。
U・B  >基本的にってことは、そこになんらかの差が発生しうるわけだ。
空虹桜>当然。中身の問題、の問題があるからね。コンパで王様ゲームするのと隣の
       人の趣味話聴くのならたいてい後者の方が価値は大きいの。
U・B  >それは隣の人間が、熱狂的な巨人ファンだったり、FC東京サポだったり、
       Dragon ashマニアだったりマルチ萌え〜だったりしても?
空虹桜>さすがに一方的に話されるとキレるだろうけど、相手の価値感、つまりモノの見方
       を知ることができるからね。まぁ、たとえに上がった人たちの指向は押さえてある
       らそうとう革新的でない限り王様ゲームと同列※6)なんだけど。
U・B  >さっき“たいてい”って言ったけど、なら王様ゲームの価値が大きくなることもあり得る
       んだな?
空虹桜>極稀にその人の違う一面が見えたりするんだけど、今時そんな油断して余興に参
       加する人いないでしょ?男も女も。だからほとんど予定調和でつまらない
U・B  >でも、その予定調和が楽しいってのはアリなんだろ?
空虹桜>微妙なところだけど、笑点とかサザエさんとかドラえもんとかドリフとかね。つまり、それが
       になってるなら予定調和や発酵するほどのマンネリズムでもOK。けど、
       王様ゲームが芸になってるヤツは、たいてい“いい人”止まりで終わるんだよね。
U・B  >なんか・・・微妙に・・・痛いんだけど・・・
空虹桜>気にしすぎ。なんか話が逸れてきたけど、ともかく、アタシにとってのオモロ感ってのはエン
       タテイメント感に近しくて、それならその中の一つに「げんなり」って感覚が存在していても
       おかしくない。なぜなら、怒り苦しみ悲しみが既に存在しているから。
U・B  >それで俺のふった話に乗ってきたと?
空虹桜言えた!っても、最初からそう思ってたわけじゃなくて、直感的にオモロそうだなぁ
       って思ったからなんだけどね。
U・B  >「直感」ってどうさ?
空虹桜>「どうさ?」って言われても困るんだけど、自己分析はもう話しちゃったし。
U・B  >うーんと、ならどうしてその直感はお前に存在してるんだ
空虹桜>はぁ〜、なるほど。そうきましたか・・・
U・B  >ぶっちゃけた話、それがきちんと言語化できれば、なんで「げんなりする」って行為がオ
       モロなのか説明できたことになると思わん?
空虹桜>つまりね、さっき「オモロ感は上位」だって話したけど、上ってことは下があって初め
       て成立するんだよね。で、アタシは今まで20年ちょっとの人生で、それを磨いてき
       たつもりだから、手の届く範囲での一流にはすべて触れてきたつもりだか
       ら、新たな価値感を見せられたときに、それのシルエットを比べることができるのね。ん
       で、そのシルエットは自分の手持ちに無くて、しかも・・ああ、駄目だ。これじゃ
       説明したことになんないや。
U・B  >いいからいいから。とりあえず言ってみぃ。
空虹桜>・・・手持ちになくて、しかもどこか手持ちの価値感と共通した波形が見られるって言
       おうとしたんだけど、じゃその共通した波形がどの辺に見られるのか?って突
       っ込まれると言い返せないんだよね。
U・B  >それは一対一対応させようとしてんだろ?そこがおかしいと思うんだが。
空虹桜>うーん・・・たしかにそうなんだけど、そもそもカテゴライズは知っている人間にと
       っては無意味だって言う根本的にぶつかってるよな・・・
U・B  >いや、今回はそこを乗り越えるとお前が断言したからこういう話になったんだろ?
空虹桜>それを言われると痛いんだよね・・・そうだ!つまり、その共通した波形に気づくコツが俗
       に言うセンスを磨くってことなんだよ。だから、どこら辺にあるかと問われても答えら
       れないんだ。そもそもの個人差があるし。
U・B  >いや、だから、それじゃ説明にならんだろ。
空虹桜>だから、アタシは最初にオモロ感を定義したわよね。じゃ、その定義にしたがってまずは自
       分の中にある感覚をカテゴライズする。んで、オモロ感の方にカテゴライズされた感
       覚の共通した波形を探す。見つかった人は、その波形とつきあわせつつ今まで
       の話(※7)をもう一度読み直す。一瞬でも重なったらあなたにとってこのサイトは間違い
       なくオモロである。もしくはオモロになりうる。そゆこと。
U・B  >引っ張った割りには結局方法論で締めるのか・・・うーん・・・(※8


※1 NHKの「みんなの歌」でこれが出てくる曲があったはず。「北風小僧の寒太郎(細部曖昧)」がわかる人にはわかるだろう。きっと。たぶん。
※2 ここ参照のこと。人によっては自分からこういう話をするのって辛いんだろうね。
※3 別にキティちゃんが可愛くないという話がしたいわけじゃないので誤読しないように。
※4 もちろん語尾上げ口調で読んで下さいな(笑)
※5 情報処理囓った人にはIS-A関係の「特化」と「汎化」を想像してもらえるとわかりいいダス。
※6 たとえば、二言目には西武ライオンズの話をする人とかゲーセンの話をする人とかお気をつけ下さい(笑)「飽きる」という感情はここに起因してるとは見るのだけど、どう?
※7 こんなところに出てきてもあれだけど、一応今年一年間、3回ほど除いて第三週「○○の話」は一貫したテーマに沿って話してますので、未読の人は一から読み直してもらえると幸い。
※8 空虹桜65行(!)U・B27行。もちろん圧勝。しかし、なんとまぁ曖昧で日本人的なまとめ方ざんしょ。しかも二人併せりゃ2回分だし・・・ちなみに、ものすごい今回は注釈削ってます。あしからず。


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