U・B >アナログフィッシュ(※1)のアルバム「荒野 / On the Wild Side」(CD / MP3 / iTS)を語る後編です。
空虹桜>7曲目が「チアノーゼ」で、まぁ、平たく言えば窒息してるわけだけど、そんな曲名付ける?普通。
U・B >普通付けないッスわね。でも、らしいっちゃらしいというか、言わずもがなな比喩表現なわけじゃないですか。
空虹桜>たしかにね。
U・B >サビとかわかりやすいけど、適切なに「今」を表してるなぁと思うのがあいにく僕らはもうチアノーゼ このままでいいとすら
思っている(※2)ってとこ。
空虹桜>景気良くなるなら、人殺してもいいか。
U・B >ストレートに言いましたね。どっちのブッシュですか?(※3)
空虹桜>安倍晋三・子ブッシュほぼ同一人物説!
U・B >そゆネタは違う時にやってくださいよ。
空虹桜>ノリで喋ってるだけだから、無理だよ。そんなの。とりあえず、8曲目が「SAVANNNA」
U・B >これように聴き直してる時に、iTunes(※4)の登録がカタカナで「サバンナ」になってること気づきましたよ。
空虹桜>だからどうした?
U・B >直すのめんどくさいなぁっていう。
空虹桜>じゃあ、残しとけばいいじゃん。
U・B >気になるじゃん。
空虹桜>相変わらずめんどくさいな・・・とりあえず、ヤケに抜けのいい曲。
U・B >「荒野 / On the Wild Side」ってアルバムに含まれる「SAVANNA」って、わかりやすすぎると言えばわかりやすすぎるんだけど、微妙に反対
からな目線ってのがミソかと。
空虹桜>反対っていうか続きっていうか、2曲目の「荒野」(※5)は荒野へ向かうまでの話だったのに、この曲だとサバンナの向こうへ行こうと
している。
U・B >でもというか、そんな話なのに、必ず「君」とか「彼女」が出てきて、一人ではないのが下岡晃(※6)という男の弱さというか、リアリティなん
だと思ってんですよ。
空虹桜>女性ファン的には一人で勝手に行かれても困るしね。
U・B >そっち?っていうか、何故にそんならしくない歪んだ発言を。
空虹桜>ちょっとだけ寝不足なんです。すみません。
U・B >今度は素直に謝るし。気持ち悪いなぁ。
空虹桜>アレだ。五月病(※7)ってことにしといて。
U・B >それ、言いたいだけでしょ?
空虹桜>否定はしません。次、9曲目「ハミングバード」で、この曲凄い好き。
U・B >おっと、珍しい。
空虹桜>凄い彼女が愛おしい感じだよね。
U・B >具体的には?
空虹桜>展開がなんだけど、最初と最後で円環構造になってるとこも含めて、見つめてるんだよね。
U・B >あくまでも自分で手を出さない。
空虹桜>理由はもう愛情の一言で尽きていて、まぁ、マンマだけど最後に彼女はあの日より大人になった(※8)がさ、中盤に出てくる大人
達に手渡された地図や、言葉、モラルじゃ止めてくれない涙の訳を(※9)の大人と180度意味が違うわ
けじゃない。
U・B >ええ。
空虹桜>だから、愛情っていっても恋愛感情というよりは身内への愛情だよね。
U・B >正直、姪っ子感感じますよ。いないけど。
空虹桜>誰もアンタの話は聞いてないけどね。
U・B >いいじゃないのぉ。(※10)
空虹桜>小ネタ入れない!あと、この曲は京王線のTVCMで使われるべきだと思います。(※11)
U・B >だいぶ今さらですけどね。10曲目が佐々木健太郎(※12)のハイライトソングのひとつ「Fine」
空虹桜>ほぼなにも言ってない曲だけどね。
U・B >ええ。でも、この出だしでさ、名曲感漂うじゃないですか。
空虹桜>たしかにね。ズルいよね。
U・B >まぁね。
空虹桜>間違いなく、気持ちはいい。
U・B >歌のための歌だからさ、もう一曲健太郎は「アンセム」(※13)って名曲があって、どっちも素直な歌への愛情なわけですよ。
空虹桜>だね。でも、ある意味今までのアルバムの雰囲気台無しだよね。この爽快感は。
U・B >まぁね。だからこそ健太郎曲の収録割合が下がってるってのはあるんだけど、でも、このギャップがなかったら憂鬱なだけですよ。生きてるの
なんて。
空虹桜>そこまで大きな話?最後。11曲目は「TEXAS(やけのはらバージョン)」で、やけのはらのリミックス。(※14)
U・B >ヴォーカルにエフェクタ掛けまくりですけど、そのせいかNew world is coming(※15)の切実さみたいなのが、より迫ってくる感じで。
空虹桜>現在進行形なんだけど「来てる」ってよりは「来て」っていう願望感が強い。
U・B >見えないから、来てるって信じるしかない。
空虹桜>でもさ、新しい世界だって、きっとクソだよ。
U・B >身も蓋もないことを。
空虹桜>今を作ってるダメダメな自分たちが残ったマンマで、新しくて素晴らしい世界なんて来るわけないじゃん。
U・B >久々に破滅しそうですね。
空虹桜>ありとあらゆる宗教のそこが嫌いなんだよね。そんなさ、悔い改めれば天国とか、南無阿弥陀仏を唱えれば極楽浄土とか、都合良
すぎだよ。きちんとさ、諦めさせて欲しいんだよね。
U・B >病みすぎですよ。つか、話がとっちらかっちゃったけど、結局、やいのやいの言ってもこのアルバムが、一番アナログフィッ
シュらしいかなぁとは思っております。はい。(※16)
※1 アナログフィッシュ:1999年に結成の下北系ギターロックバンド。長野県下伊那郡喬木村出身の下岡晃(Gt&Vo)と佐々木健太郎(Ba&Vo)に斉藤州一郎(Dr)を加えた3ピースバンド。
※2 拡大部は歌詞より引用。
※3 ブッシュ:ジョージ・H・W・ブッシュが第41代アメリカ合衆国大統領で、通称パパブッシュ。ジョージ・W・ブッシュが第43代アメリカ合衆国大統領で、通称バカブッシュ。
※4 iTunes:アップルが開発・配布しているメディアプレーヤで、クソ重いけど、仕方なく使い続けている・・・
※5 2曲目の「荒野」:アルバム「荒野 / On the Wild Side」の2曲目。タイトル表題曲で、U・Bは好きな曲。前編で紹介しました。
※6 下岡晃:アナログフィッシュのギターヴォーカル。常にニット帽を被っていることで有名。
※7 五月病:医学的な診断名としては「適応障害」あるいは「うつ病」と診断されるらしいお。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 いいじゃないのぉ:(C)日本エレキテル連合
※11 京王線のTVCMで使われるべきだと思います:歌詞に「KOライン」というフレーズが出てくる。
※12 佐々木健太郎:アナログフィッシュのベースヴォーカル。親しみやすいことで有名。
※13 アンセム:アナログフィッシュの3rdシングル。超名曲なのでお買い上げいただきたい(Amazon MP3
)
※14 やけのはら:横浜出身のラップ・ミュージシャン、DJ。耳に残る声の持ち主。
※15 拡大部は歌詞より引用。
※16 空虹32行。U・B34行で、俺の負け。次回は、三部作の第二弾にして直球タイトル「NEWCLEAR」です。「ESSENTIAL SOUNDS ON THE WILD SIDE.」はやらない予定。