第784回 かせきさいだぁのアニソング!! バケイション!(後編)

空虹桜かせきさいだぁ※1)の5thアルバム「かせきさいだぁのアニソング!! バケイション!」(CD / MP3 / iTS)を語る後編
       は7曲目の「UNLUCKY GIRL!!
U・B  >まったく知らないんですけど、確認したら「戦国コレクション」っていう。(※2
空虹桜>なに?
U・B  >戦コレ
空虹桜>略しただけじゃん。
U・B  >ええ。戦国なのに横文字タイトルってのがミソですな。
空虹桜>そうなの?
U・B  >ええ。それはともかく、デュエットになっていて、相手が小島麻由美。(※3
空虹桜>やっぱ小島麻由美が唄うとお洒落度が上がるよね。
U・B  >ええ。あと、元ネタYouTubeで聞いてみたら、BPM元の方が早いんですよ。
空虹桜>ホントだ。あと、なんかこのPVの微妙な素人感って、恵比寿マスカッツ的な感じだね。(※4
U・B  >むしろ、コスプレ同人的というか。
空虹桜>それはわからないけど、アレンヂとしてはこっちのがポップというか、ポピュラリティが高そうだよね。
U・B  >そッスねぇ。ジャジーな感じが紛れ込んでるから、そういう印象なんだと思います。あとは声優さんの曲に多い、ただ声が甲高いだけってい
       う成分が薄い。
空虹桜>ああ、そうね。それはあるかも。
U・B  >最近、ここ数年、ヴォーカルのキィの高い曲が流行りなんですけど、アレがしんどいポップ好き的には丁度いいんじゃないかなぁと。で、
       8曲目が「motto☆派手にね」で、戸松遥です。(※5
空虹桜>そこは食いつくんだ。
U・B  >「絶チル」(※6)から知ってるんで、どっちかっていうと親目線です。あと、こっちはYouTubeで聞くと元ネタのポップ度も高いです。
空虹桜>単にホーンが入ってるからとかではなく?
U・B  >可能性は否定しませんが、かせきがまだまだ地・味・だ・NE! Kiss(キッス)も地・味・だ・NE!(Fuwa-Fuwa) 履
       き古しの ズボン脱いで 飛び込んで来たら?※7)唄うよりは、若い女の子が唄ってくれてる方がいいじゃ
       ないですか!
空虹桜>それを今言っちゃダメじゃね?元々のこのアルバムコンセプト全否定じゃん。
U・B  >まぁ、そうなんですけどね。だって、オッサンだよ?
空虹桜>そうは言っても、自称ギャルオヤジだよ。(※8
U・B  >だからどうしたって話ですよね。それ。かせきの中に女の子が住んでるってのはまぁわかるとして、でも、オッサンですからね
空虹桜>でも、AKBだって秋元康が作詞なわけで。(※9
U・B  >極論ですけどね。さて、9曲目はもう名曲感すらある「恋の呪文はスキトキメキトキス」で、これはもう一回喋ってる(※10)から飛ばしち
       ゃっていいですか?
空虹桜>今の感覚でアレンヂしてるからもちろんではあるんだけど、2008年の曲と1982年の曲が違和感なく並ぶって凄いよね。
U・B  >たしかに。そして来る大ネタが「残酷な天使のテーゼ」で、あの馬鹿みたいに重い曲が軽くなってます
空虹桜>コーラスEPOかと思ったら真城さんなんだよね。(※11
U・B  >ええ?そっち。
空虹桜>この曲聴いて、クラップ(※12)ってやっぱいろいろ便利だなぁと思ったよ。
U・B  >ああ。たしかに。あと、かせきさいだぁって名前連呼してるのって、やっぱりヒップホップ的だよなぁとか。
空虹桜>そうだね。ヒップホップでもなければ、自分の名前連呼しないもんね。
U・B  >自己顕示欲みたいなモノがこの曲と合わさるってのは、トラウマとして刷り込まれてる人間としてはピッタリなんですよ。(※13
空虹桜>さすが。めんどくさいお年頃。
U・B  >多感と言ってください。多感と。さて、最後の最後に出てくるのが「星間飛行
空虹桜アニソンに松本隆!※14
U・B  >キラッ!※15
空虹桜>ザ・アイドルソング的な展開だよね。
U・B  >松本隆大先生に菅野よう子(※16)ですからね。
空虹桜>完璧感あるよね。
U・B  >どうアレンヂしても元ネタから抜け出せないというか。
空虹桜流星にまたがって あなたに急降下 ah ah 濃紺の星空に 私たち花火みたい 心が光の矢を放
       ※17)とか、もう全然わけわかんないんだけど、なんだかグッと来るっていう。
U・B  >サビらしいサビですよね。
空虹桜>そこにキラッだもんね。
U・B  >かせきが言ってたら完全にアウトでした。
空虹桜>リアルアイドルが言ってるから違和感ない。
U・B  >まぁ、リアルアイドルっても、夢眠ねむ(※18)はヲタクアイドルですからね。
空虹桜>だからこそでしょ?
U・B  >ええ。では、締めてください。
空虹桜>全編を通して、言われないとアニソンだとわからないというかアイドルソングっぽいあたり、今のアイドルや声優さんの楽
       曲が、日本トップクラスのポップミュージシャンが作られてる理由がよくわかるなぁと。そゆ意味で、ポップなのに端っこにいる感じのかせきさいだぁが
       こゆアルバムを作るのは、ある種、時代の要請なんじゃないでしょうか。(※20


※1 かせきさいだぁ:元かせきさいだぁ≡。元TONEPAYS。ハグトンでラッパーで、釣りの人。最近、子どもが産まれて、ミスターシティヒップホップを名乗りはじめた。
※2 戦国コレクション:このところダメ会社としてお馴染みコナミのソーシャルゲーム。「UNLUCKY GIRL!!」は2012年にアニメ化した際の主題歌でした。
※3 小島麻由美:シンガソングライタ。ジャジーでもポップでもなんでもいけて、そのくせキュートっていう守備範囲の広いヴォーカルが魅力。
※4 恵比寿マスカッツ:AV女優やグラビアアイドル・モデルなどの構成された女性アイドルグループ。ある種、アイドルってなんでもありなんだなぁっていう。
※5 戸松遥:声優。何気に東宝の「シンデレラ」オーディションで、最終選考まで残ってたりする。
※6 絶チル:僕たちの椎名高志先生によるマンガ「絶対可憐チルドレン」の略称。アニメ化された際に戸松遥が三宮紫穂の声を演じた。
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 ギャルオヤジ:オヤジギャルではない。
※9 秋元康:日本史上最強の作詞家。もしくは京都造形芸術大学副学長(UP時)
※10 一回喋ってる:アルバム「ミスターシティポップ」の4曲目だったので、第749回で紹介済み。
※11 真城さん:Hicksvilleやましまろのヴォーカリスト真城めぐみのこと。そこら中でコーラスやってるんで、覚えておきましょう!
※12 クラップ:拍手というか手拍子というか。
※13 トラウマ:「残酷な天使のテーゼ」は彼の有名な「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌で、本放送時ちょうど14歳だったのですよ。U・Bは。
※14 松本隆:「はっぴいえんど」の元ドラマーにして、偉大なる作詞家。ジャンルがアルティメット過ぎて嫉妬。
※15 拡大部は歌詞より引用。
※16 菅野よう子:作曲家。音楽家。アニソンから第62回NHK紅白歌合戦ではオープニングテーマまで!
※17 拡大部は歌詞より引用。
※18 夢眠ねむ:でんぱ組.incのメンバで、愛称はねむきゅん。でんぱ組.incの中でも極めてサブカルな人。
※19 空虹桜30行。U・B30行で、なんとドロー。で、空虹さん次は、なにやるの?


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