か？という、後ろ向きな選択した結果、完膚無きまでに活動停止中のHALCALI（※１）の話をしてみましょうと。
Ｕ・Ｂ＞たぶん最後にHALCALI見たのは2010年ッスね。ソウルセットの野音。（※２）
空虹桜＞アタシはたぶん、その前後のスチャさん（※３）で見てると思うんだけど、ともかく、2012年ぐらいで活動休止して、所属事務所
やレコード会社と契約をすべて終了してしまったHALCALIの2ndアルバム「音樂ノススメ」（iTunes / Amazon
）を語る前編です。
Ｕ・Ｂ＞ン？なんで2ndアルバムからなんだっけ？
空虹桜＞とってつけたような発言を。
Ｕ・Ｂ＞文句言うぐらいなら、台本の一つも書いてくれればいいのに。
空虹桜＞スゲェ愚痴。1stアルバムの「ハルカリベーコン
」はCCCDなんで買ってないんです。（※４）Ｕ・Ｂ＞iTunesで見たら、ちゃんと売ってましたよ。
空虹桜＞まぢで？
Ｕ・Ｂ＞現代文明って便利ッスね。んじゃ、まぁ、1stの話はその内ということで、１曲目は「INTRODUCTION」で、そのままイ
ントロですよと。２曲目が「フワフワ・ブランニュー」で、作詞作曲プロデュースがTOTEM ROCK！（※５）
空虹桜＞１曲目のヒューマンビートボックス感って、ちょうどAFRAがデヴュしたあと（※６）でさ、ウマいセレクトだよなぁっていう。
Ｕ・Ｂ＞トレンドをドープすぎない感じで、普通の人にも通じるようにしてるっていう。
空虹桜＞でありながら、ちゃんとヒップホップ感があるっていうね。
Ｕ・Ｂ＞僕らには永遠なんてないから 一瞬、一瞬を輝こう 現在 過去 フューチャー 未来
は迫り来るよ（※７）あたり、いかにもかせきさいだぁっぽい。（※８）
空虹桜＞だねぇ。あえて「フューチャー」言ったそばから「未来」とか、口にする感じね。凍ったH2O 街から聴こえる
"ジョー・ストラマー" 変な激シブのレゲエビートで 二人を切なくして（※９）みたいなピ
ント外れ感というか、そこ行く？感もね。
Ｕ・Ｂ＞んでもって、木暮さんのポップなループで、この曲は、今のアイドルにカヴァされたい感じもある。
空虹桜＞ライムベリーが微妙な感じだから、リリスクかな？（※１０）
Ｕ・Ｂ＞いちお、そゆ名前は押さえてらっしゃるんですね。ビックリ。驚きついでに３曲目が「マーチングマーチ」で5thシング
ルにして、O.T.Fプロデュース。（※１１）
空虹桜＞2000年代になってもあまりスタンダードがなかった日本語フィメールラップで、おしゃれポップ感前面に押して
くって狡猾だなぁってのが、HALCALIのファーストインプレッションだったんだよね。
Ｕ・Ｂ＞1stシングルの「タンデム」（YouTube）とかまさしくッスわな。
空虹桜＞で、極まったのがこの曲かなぁっていう。
Ｕ・Ｂ＞今ハニかんで セッション 快調なmy jobはグッバイブレーション 大丈夫でしょ
う？御愛嬌でしょう？ さぁ アイソふりまいたら バイ バイ ハハーイ ハハー
イ ハハーイ（※１２）なんて、15・6歳ぐらいの東京の女子高生に唄わせるには、パブリックイメージ的に
ジャストっていう。
空虹桜＞ハードコアすぎず、タイトなライムでユルすぎもしないっていうね。そもそもさ、ちょうど21世紀の切り替わり
ぐらいで小銭稼いだRIP SLYME（※１３）が、遊べるオモチャ欲しかったっていう理解なのね。
Ｕ・Ｂ＞言葉悪いッスなぁ。
空虹桜＞ラップうまくない娘にポップなメロディは、楽に乗れるし、ぎこちなさも含めて面白いわけじゃん。大人には。
Ｕ・Ｂ＞ぎこちなさが面白いって、完全に悪い大人の発想ですよね。
空虹桜＞韓流スターの日本語に萌えるおばちゃんみたいなね。
Ｕ・Ｂ＞ああ。はいはい。たしかにね。あと、やっぱりこれぐらいの年代になると、ナチュラルに歌がうまいよね。
空虹桜＞そうね。こないだサッカー見に行った時、隣に座ってた、自分の年齢勘違いしてる感全開のおばちゃんなんて、チャントで
すらヒドかったもん。
Ｕ・Ｂ＞なんつー。
空虹桜＞止めてー！って、お前が見るの止めろよ！って、心の中で10回ぐらいツッ
コんだ。
Ｕ・Ｂ＞いつかそうなるんですよ。
空虹桜＞うん。気をつけようと思った。って、そうじゃなくて、このファンタジーでリアル それをファン達が見
る 町から町までマーチング また新たな発見 Like a バージン（※１４）みたいなラップを、
目黒生まれの目黒育ちな娘がやってることに伴うリアリティね。
Ｕ・Ｂ＞東京幻想かもしれないけど、東京のリアルに見える。
空虹桜＞渋谷でも原宿でもなく、平均値界隈の東京の女の子って、そんな感じなのかなぁっていう。
Ｕ・Ｂ＞友達の友達ぐらいに絶対いる感。
空虹桜＞そゆ娘であれば、ラップぐらいするよねぇ。っていう。
Ｕ・Ｂ＞偏見ですけどね。さて、時間食いすぎですが、４曲目「ストロベリーチップス」
空虹桜＞名曲過ぎて、思わずこれで超短編を書いてしまうっていうね。（※１５）
Ｕ・Ｂ＞はぁ。
空虹桜＞未公開だけどね。タイトルからしてグッと来るってのもあるんだけど、やっぱり、この曲の良さは何気にハッピィな話
ではないことだよね。
Ｕ・Ｂ＞他人の幸せは好きじゃないと。
空虹桜＞アンタの方が他人の不幸好きだと思うけどね。あと、想いを伝える唯一の日 トナカイに乗ったキューピ
ット あらわれ願い叶うはずが未来のハズバンド はるか かなた遠く消えていくキャ
ンドルライト 静まりかえる サイレンナイト（※１６）のライムが凄い好きで、やっぱり「と」で踏
んだ時のビート感がいいんだよね。
Ｕ・Ｂ＞わからではないです。ちうか、さりげにdisらないでください。あと、この曲はクリスマスソングなので、うまいこと使え
るDJはエロいと思います！ってところで、５曲目「晴れ時ドキ」
空虹桜＞LOW-CUT PRODUCTIONSって、誰だっけ？思ったら、元スケボーキング（※１７）なんだね。
Ｕ・Ｂ＞ああ・・・注釈書けるかな・・・
空虹桜＞そこか！
Ｕ・Ｂ＞晴れ時々ドキ喜怒哀楽 夢中で２人歩き出す 先に導く光射す 夢はきっとそう花ひら
く（※１８）ってライムは、空虹さん好きそうだなぁと。
空虹桜＞ええ。サビだけど。
Ｕ・Ｂ＞サビだからどうとか、そんなこだわり、いらんですよ。で、今回最後の６曲目は「OBOROGE COPY VIEW」で、作詞が
いしわたり淳治で作曲DJ TASAKAだから（※１９）、トラックが突然アシッドに四つ打ち。
空虹桜＞30029回も前を30029回のcopy（※２０）って、元ネタがわかんないんだよね。
Ｕ・Ｂ＞俺に言われても、知らんッスな。
空虹桜＞答えは求めてないですけどね。こゆのを不意打ちで聞かせるのって、ある意味正しいとは思うんだよね。
Ｕ・Ｂ＞時々空虹さんやってますよね。
空虹桜＞えっ？なにが？
Ｕ・Ｂ＞いえいえ。お気になさらず。じゃあ、まとめを。
空虹桜＞まとめっても、えと、HALCALIって、期せずしてというか、思春期ぐらいの女の子が女性になるまでの成
長モノなんだよね。だから、活動休止になるのも当然かなぁってところではあるんだけど、だからってそのまま寝かせとくのも
勿体ないし、いい曲多いし、当面しばらく喋っていきましょうと。（※２１）
