空虹桜＞さらにこないだの話の続き（※１）みたいのなんだけど、なんで価値が低くなってしまったのに執着しなき
ゃいけないのか？っていうと、それしか指標を持たないからだよね。
Ｕ・Ｂ＞もう出落ち的になってますが。
空虹桜＞コミュニケーションの価値は下がってるのに、コミュニケーションに関する問題はあんま
り解決してないっておかしくない？
Ｕ・Ｂ＞おっと。俺にフりますか？
空虹桜＞ホラ、思いは伝わらないんだよ！
Ｕ・Ｂ＞えっと・・・どういう展開ですか？
空虹桜＞こないだバウマン（※２）読んでたんだけど、バウマンはもうちょっと世界がちゃんと変化してるって理解の上で発言してるんだけ
ど、アタシにはそこまで変化が進んでるように見えないんだよね。
Ｕ・Ｂ＞なにを仰ってますかね？
空虹桜＞「液状化社会」って言い回しは、たしかに納得感あるんだけど、じゃあ、その液体の粘度はどうなんだ？ってことな
んだ！っていう。
Ｕ・Ｂ＞うん。知るか！
空虹桜＞日本にいるから余計かもしれないけど、流動性が低くて粘度が高いベタベタな社会だというのがアタシの認識なんです。
Ｕ・Ｂ＞無視して進められるのであれば、どうぞご自由に。
空虹桜＞無視してるわけじゃなくて、まぁ、聞こうよ。でさ、本来、価値が低いモノって切り捨てられるわけじゃん。
Ｕ・Ｂ＞そッスねぇ。
空虹桜＞すると、コミュニケーションとかコミュニティとか切り捨てられるハズで、実際、「人間なき復興」みたいな本（※３）を読むと、
コミュニティは切り捨てられつつあるのね。
Ｕ・Ｂ＞まぁ、「コミュニティ」って言い回しは流行らん感じしますわな。
空虹桜＞そうだね。政策的には古い言葉だし。でもさ、ソーシャルではいたいんだよ。
Ｕ・Ｂ＞んん？なに言ってんのかわからん。Society5.0とかの話？（※４）
空虹桜＞Society5.0はSociety5.0で、いろいろツッコミどころがあって、パラッと読んだだけでも、政策的に切り捨ててしまいたい経済的合
理性のないコミュニティを、IoT（※５）で生き残れるようにします！みたいなこと書いてて、パラノイア臭がすんごい
だよ。
Ｕ・Ｂ＞大丈夫ですか？その発言。
空虹桜＞全体像が見えないっていうか、見たいモノしか見ないとそうなるのかなぁ。っていう。それはともかくさ、承認欲求みた
いなモノに代表されるとおり、社会の中に自分の居場所が欲しいんだけど、欲しいのは居場所だけで、過程であるコミ
ュニケーションでは無い。
Ｕ・Ｂ＞はぁ。
空虹桜＞SNSなんかとくにそうなんだけど、いつの間にか目的と過程がひっくり返ってて、居場所というか、サーヴィスはコミュ
ニケーションのための道具に過ぎないわけじゃん。
Ｕ・Ｂ＞道具なのはわかる。道具が使いやすくなるのはいいんでね？
空虹桜＞いいんだけど、いつの間にかサーヴィスのためにコミュニケーションが蔑ろになってるし、そもそも、使いやす
くなってる？ってのがホントは重要で、お題に戻るんけど、使いやすすぎれば価値は下がるよね。
Ｕ・Ｂ＞だから、Twitterの株価が下がったと？（※６）
空虹桜＞実は、「価値」という概念自体が暴落してるような気もすんだけど、だとしたら余計に、経済とか政治とかを切り捨
てる動きが出てこないのかな？
Ｕ・Ｂ＞それは、空虹さんの一方的な価値観の話だからじゃなくて？
空虹桜＞それを言ったらそうなんだけど、別に同じステージで踊り続ける必要は無いんだよ。ホントにコミュニケーシ
ョンのハードルが下がったなら、価値が下がったなら、切り捨てればいいし、切り捨てられないならば、それは誰かが価
値が下がったと吹聴することで利益を得てるってことなんじゃないかなぁ。（※７）
※１ さらにこないだの話の続き：第880回や第885回の続きみたいな話です。
※２ バウマン：ポーランド出身の社会学者ジグムント・バウマンのこと。
※３ 「人間なき復興」みたいな本：ちくま文庫刊。原発避難に伴う不理解についての本（Amazon）
※４ Society5.0：2016/1に閣議決定された「第５期科学技術基本計画」に使われている言葉が、俄然最近はやり出してきたという話。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続くような新たな社会をなんだってさ！ここ、笑うところ。
※５ IoT：Internet of Things（モノのインターネット）の頭文字。様々な「モノ（物）」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組み・社会のこと。「ユビキタス」のことは言うな！
※６ Twitterの株価が下がった：Twitterが株式を公開した2013/11、上場初日の終値での時価総額は310億ドルだったのだが、2016/6には100億ドルまで下がった。
※７ 空虹２９行。Ｕ・Ｂ１４行で、俺の負け。図らずも、Society5.0の話が出来たので、もう、俺的にはネタを一つ使ってしまった感（微笑）
