U・B>KETTLES(※1)の2ndアルバム「Here!」(CD / MP3 / iTS)を語る後編ですが、早速6曲目で、超名曲な「ヤバイバ
イバイ」
空虹桜>これを超名曲言い切る、アンタのセンスね。
U・B>いや、もう、この曲凄すぎるでしょう。まずは、これで1曲上がると、OK出来るセンスね。
空虹桜>必要最小限の音数。
U・B>のクセに、単純なキックの8ビートに乗ってけるじゃないですか。
空虹桜>まぁね。キック踏みながらヴォーカルする(※2)っていう。
U・B>で、サビがヤバイバイバイ 知らなすぎる(※3)っていう単純さ。
空虹桜>知らないことがヤバイと思う子がすくなくてね。
U・B>みんな知らないよ。って、そのみんなが馬鹿なだけだよバー
カ!
空虹桜>どこに向かって憤ってらっしゃいますか?
U・B>いや、ホント、結構最近他人に勉強して!って言うこと多くて困るんですよ。こっちは専門職だから、当然知ってて
当然ではあるんだけど、でも、俺が言ってることに誰もついて来れないから、超レヴェル下げて喋
んなきゃいけなかったりして、
空虹桜>五月蠅いな。上から。
U・B>・・・すみません。
空虹桜>サビのループ感よりも、2番の歌詞の自分のことでとりあえず 精一杯で やさしさなんて今はま
だ よく分からない(※4)がさ、いつになったら自分のことで精一杯にならなくなるんだろ?って悩みを誰しも抱
えてるわけじゃない。
U・B>ええ。まぁ。だいぶ大きく出られましたけど。
空虹桜>やさしさとか、わかんないよ。ホント、やさしくなりたい。
U・B>斉藤和義的な(※5)そこから一気に曲調が変わって、7曲目「飛行機」は1:54!
空虹桜>ビュン!と飛行機が飛んでく感?
U・B>カモね。
空虹桜>凄いとこに 道をつくる(※6)って歌詞の、着眼点が面白いなぁと。
U・B>たぶん、飛行機雲とか出来てたんですよ。
空虹桜>ああ。そうだね。たぶん。
U・B>ナナナとコーラス繰り返すのも気持ちが良くて、この6曲目と7曲目のギャップもあわせて、いいバンド聴いてるなぁって、ヒシヒ
シと感じるんですけど、8曲目は「ひとのたのしみ」
空虹桜>サビのひとのたのしみは それぞれに 押しつけられても 変われない(※7)に尽きる。
U・B>ね。なんでお前らに価値観を強要されなきゃいけないん
だよ!っていう。
空虹桜>最大の問題は、そこに悪意が無いんだよね。
U・B>そうそう。でさ、善意から発生してるから、油断すると自分も同じ罠にハマることがあるんだよね。時々。
空虹桜>あるある。アレだよね。「善意」という概念が巨悪だよね。
U・B>良かれと思うと、だいたい駄目じゃん。ちゃんと打算が無いと駄目。
空虹桜>ちゃんとした打算って、考えてるから成立するわけだけど、善意みたいなモノって、思考足りてないんだよね。
U・B>はいはい。たしかに。結局、最後は思慮不足。
空虹桜>「適切で適量な思慮」って、超極まってる人じゃないと手に入れられない領域だけど、殊、自分が絡むと無理だよね。
U・B>もう、解脱するしか無いですよ。現世から。
空虹桜>「解脱」って、ある種タイムリィ(※8)だけど、とりあえず、個人的にこの曲は話したいことが いつも溜
まってる ずっと我慢して 多分忘れてる(※9)って、ところに、とても喋りたいことがある
ので、それはまたいつか。
U・B>さて、本編ラストな9曲目は「日が昇るまで」は、歌詞カードの文字列は70文字無いのに5:15の怪曲!
空虹桜>「ヤバイバイバイ」と同じ時間だ。
U・B>ハッ!言われてみればたしかに。曲も対称っぽい。
空虹桜>歌詞ものっけから当たり前のことなんて 何ひとつ分からない(※10)だしね。
U・B>たしかに。もちろん、こんなところに対称関係とか持ってきても、とくに意味なんか無いと思うんですけど、「ヤバイバ
イバイ」がキィとなる歌詞を繰り返し続けるのに対して、この曲は「ラララ」で最後引っ張るわけですよ。
空虹桜>あと「日が昇るまで」
U・B>うん、そのなんとも言えない未明感というか、明けてない朝感って、実は結構好きで、RSRのサンステ(※11)で明るくな
りはじめてからずっと朝陽を撮ってる時の、意味不明な高揚感にちょっと、この曲の雰囲気が似てるん
ですよ。
空虹桜>うん。ごめん。わかんない。ラスト、10曲目は「ヤバイバイバイ (CHABE’S 21st. CENTURY POPHOLIC
MIX)」ってことで、CUBISMO GRAFICOのCHABEリミックス(※12)
U・B>トラックだけで、あの曲がここまでポップになるのか!っていう。
空虹桜>「POPHOLIC」書くだけはある。
U・B>正直、このリミックスが、このアルバムに必要か?っていうと、微妙ではあるんだけど、実際のところ、このポップさを内包して
るのに、地金の根暗さが前に来てるってのが、このバンドの良さだと思ってるんですよ。
空虹桜>全然褒めてないけどね。
U・B>いずれにせよ、だから好きなバンドだし、この手の贅沢ゲストはレーベル離れて以降出てこなくなるんだけど、こうやってゲストか
ら受けた経験が、キッチリ音源に反映されていく過程が聴けるのって、結構貴重だと思うし、楽しいことなの
で、みんな聴けばいいんですよ。ホント。(※13)
※1 KETTLES:2008年夏、結成。コイケヤスオ(Gt/Vo)とオカヤスシズエ(Dr/Vo)による男女2人組ロックンロールデュオ。
※2 キック踏みながらヴォーカルする:※1の通り、オカヤスシズエはDr/Voなので、ドラムをドスドスやりながら唄っている。
※3 拡大部は歌詞より引用。
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 斉藤和義的な:斉藤和義の39枚目のシングルが「やさしくなりたい」(CD / MP3 / iTS)2011/11/2発売。
※6 拡大部は歌詞より引用。
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 ある種タイムリィ:これがUPされる直前の2018/7/6に収監先の東京拘置所で松本智津夫の死刑が執行されたという話。
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 拡大部は歌詞より引用。
※11 RSRのサンステ:U・Bにとって一番大切な場所である、RISING SUN ROCK FESTIVALのメインステージ。たとえば、こんなのをご覧いただければ。
※12 CUBISMO GRAFICOのCHABE:松田岳二のソロプロジェクトがCUBISMO GRAFICOで、CHABEが松田岳二なので、結局同じこと言ってんじゃねぇか!(今気づいた)
※13 空虹28行。U・B36行で、俺の負け。引き続き、U・Bの回はKETTLESの話を続けます。