U・B>現時点でKETTLES(※1)最新の3rdアルバム「AQUATIC!」(Amazon / iTS)を語り尽くす後編でッス!アルバムレヴ
ュはクロスフェーダ終わってもやるから最終回は言わないよ!
空虹桜>なんだそれ。とりあえず、6曲目は「比べても分からない」は、何気に1曲まるまるハモリ。
U・B>3:39の曲ですけど、唄ってる部分はその半分有るか無いかだからできるというか。
空虹桜>ツインヴォーカル(※2)だからできる芸当。
U・B>そうですね。あとは前回の引き続き(※3)みたいな話ですけど、ここで比べてもわからないのって、自分の長所でどれ
だけ世界と戦えるか?じゃないですか。それって、実際問題は比べないとわからない。
空虹桜>わからないと思いこみたい?
U・B>それもあると思うんだけど、これはやっぱり負け犬の負けず嫌いですよ。
空虹桜>ハハハ。いいなぁ。そのパンチライン。
U・B>おっ、珍しく褒められた。でもさ、負け犬だからって、負けたいわけじゃ無いじゃ無いですか。それこそ「負け犬達のワン
スアゲイン」ってのが、「エクスペンタブルズ」(※4)とか、映画とかだとわりとよくある定番だったりするわけですし。
空虹桜>そだね。なんか長所があると信じたい。
U・B>たったひとつでいいから。そう信じられなかったら、やっていけない。
空虹桜>せつないなぁ。
U・B>でも、このせつなさは、空虹さん好物でしょ?
空虹桜>なんか言われ方が悪いけど、弱くて強い人の話はたまらなく好きだよ。
U・B>ああ。そうですね。しなやかになりたい人ですもんね。
空虹桜>なんかいずいから次。7曲目は「道の途中」で、この曲も通しでハモってるんだけど、珍しい失念ソング。
U・B>そうですね。しかも、道の途中に捨てられて拾われないまま(※5)ですから、盛大に捨てられたんですよ。も
うね、ホントどっかに俺のこと好きになってくれる娘はいないですか?
空虹桜>必死すぎて哀れだわ。
U・B>そんな悪い商品じゃないと思うんですけどね。蒼井優なんて高望みしないですよ。
空虹桜>アンタみたいにめんどくさいのの相手なんかする気しないよ。次、8曲目「ロンリーナイト」で、そりゃ、フられたら必
要以上にひとりぼっちの夜は身に染みるさね。
U・B>「道の途中」が、思いのほか早く切り上げられちゃったけど、「道の途中」ってKETTLESにしては珍しく5:40もある曲なので、そ
んだけ失恋は大きいと。
空虹桜>でも、「ロンリーナイト」は3:41で、妙に疾走感があるクセに、歌詞は淡い期待はもう 消えそうで 諦める
気持ちを 無理矢理に抑えてる(※6)なんて、未練タラタでやんの。
U・B>みっともない自覚はありますけど、未練ってそんなに悪いもんですかね。だって、言うても、あの娘は可愛
いんだよ。
空虹桜>知らないよ。なにをどんだけ引きずるかね。
U・B>今がウマく行ってないだけで、引きずってはいないけど、万が一「より戻したい」って言われたら、100%
流されるなぁとかあるじゃないですか。
空虹桜>無いよ。つか、なんの話だよ。
U・B>知ってます。だから、疾走感あるんですよ。そうやって、自分の気持ちを早送り。
空虹桜>残念な人は放っておいて、9曲目が前にも喋った「人の気持ち」(※7)だけど、こっちのが音質良いよね。
U・B>たぶん、録り直してるかMIXし直してます。それはともかく、前に喋った時も言いましたけど、人の気持ち考えられな
いくらい 好きでたまらない(※8)んですよ。そこまでハッキリスッキリ言えるって、相当ですよ。
空虹桜>たしかに、相当だとは思うけども、だからフられるんだよ。
U・B>嗚呼・・・
空虹桜>10曲目が「特別なままで」で、いろんなことがあり過ぎて うまく言葉が出てこない 溢れ
る想いは 涙に変わっていくだろう(※9)だから、もう未練がしんどい。
U・B>今回、空虹さんと話してて、その解釈をしてなかったから、素直に凄ぇなぁと思いましたよ。
空虹桜>なにが?
U・B>そうやって、やっぱり最後まで捻くれて解釈し続けるの。
空虹桜>五月蠅い。
U・B>冷やかしたところで、あのね、「男は名前を付けて保存」とか、そゆセクシャリティのせいにしたくないんです
よ。俺。この気持ちスゲェわかるんだけど。
空虹桜>じゃあ、アンタが残念なんだよ。
U・B>それは否定しないですけど、でも、それを古来は「女々しい」と形容してたわけじゃないですか。
空虹桜>転嫁したかったんだよね。自分のみっともなさを。
U・B>ああ。なるほど。なにも言い返せない・・・
空虹桜>じゃあ、ラスト11曲目はなんとなくオカヤスがメインヴォーカルで、野外録音してたげな雰囲気からのスタジオ録音に流れ着く
「オーケーオーケー」で、たぶん、アタシはこれが一番好き。
U・B>オーケーオーケー 持ってるもので なんとかしよう オーケーオーケー 今あるもの
で なんとかしようよ(※10)ってのは、たしかに空虹さんっぽい。
空虹桜>たいていのことは、たいていなんとかなるんだよ。
U・B>凄いやっつけな極論。
空虹桜>なんとかならないなら、もっと前に気づけよじゃなければ諦めろよって話だから仕方ない。
U・B>潔いな。
空虹桜>粘る気力が無いだけです。
U・B>言い様だ。
空虹桜>むしろ「なんとかしよう」って気力が無い人が多いよね。むしろポジティヴだと思ってんだけど。
U・B>とりあえずこの曲、最後の最後でオカヤス(※11)がよって駄目を押してくるとこが大好きです。
空虹桜>ってところで、まとめてください。
U・B>今の状況だと新譜は期待できないんだろうけど、こんな名盤出しといて放置は酷いよ。(※12)
※1 KETTLES:2008年夏、結成。コイケヤスオ(Gt/Vo)とオカヤスシズエ(Dr/Vo)による男女2人組ロックンロールデュオ。
※2 ツインヴォーカル:2人組のバンドで、2人で唄う。
※3 前回の引き続き:第988回の「AQUATIC!(前編)」を指してます。
※4 負け犬達のワンスアゲイン:ライムスター宇多丸の好きなタイプの映画。 エクスペンタブルズ:僕らのシルヴェスター・スタローンによる映画。2010年公開。
※5 拡大部は歌詞より引用。
※6 拡大部は歌詞より引用。
※7 人の気持ち:KETTLESの2ndミニアルバム「KETTLE BOMB!」収録曲。超名曲。最高。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 拡大部は歌詞より引用。
※11 オカヤス:※1の通り、KETLLESのドラム&ヴォーカルオカヤスシズエのこと。チャームポイントは黒子。
※12 空虹30行。U・B37行で、俺の完敗。KETTLESは本当に良いバンドなんだよ。もうちょっとだけでいいから、みんな聴いておくれ。