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U・B> シリアスな話をしようかとも思ったんですけど、空虹さんと相談した結果、無駄に疲れるので止めようって話になりましたので、イナ戦(※1)の取りこぼしをやります。2017年発売の12thアルバム「PUMP IT UP!」(iTS / Amazon / YouTube)です。
空虹桜> まったく話題にならないどころか、ちっとも見られてない雰囲気だけど、今回、思うところは全部作品にドロップしてる(※2)し、ある程度予言にもなってるから、邪気というか瘴気には近づかない方針です。で、1曲目が「That's so great!!」で、いかにもイナ戦の1曲目。
U・B> 今の空虹さんの言を借りれば、邪気とか瘴気からちゃんと遠ざけてくれる曲。
空虹桜> そうね。「That's so great yeah!! 雑草 草 草 草 グレートやん!!」(※3)とか、酷いもんね。
空虹桜> んでもって、「フルスペックのフル装備で 産まれたボンボンが 泣き言いえば 泥の詰まった 爪の垢飲ませてやろうぜー」(※6)だもんね。お前だ!お前!!音楽なんて1nmも好きじゃねぇークセして星野源に寄生すんじゃねぇーよ!!(※7)
U・B> 思いっきり、邪気のど真ん中じゃないですか。
空虹桜> 失礼しました。2曲目が「突っ張り大一番」で、これまたいかにもイナ戦だけど、出だしの「犬の散歩を任された 背中が見事な猫背になる」(※8)がウマいこと言った感。
U・B> だいたい、犬に散歩させられてる人たちって猫背ですよね。あと、無闇に長いリードで散歩させてる人たちって、凄い邪魔くさいんですけど、なんとかならないですかね?
空虹桜> 知らないけど、アレじゃない?短いリードは犬の自由を奪っているから動物虐待だ!とか言うんじゃないの。
U・B> ああ。言いそう。別にいいんだけど、狭い道ではなんとかしてくださいよ。躱すの大変なんだから。
空虹桜> アタシに言うなよ。
U・B> すみません。まぁ、サビの「胸張って 意地張って 空回って 生きてやれ 物申せ 落とすのは トゲじゃなく 雷で」(※9)が、自分たちもオッサン年代になって、頑張れ!オッサン!!っていう、わかりやすいメッセージソングですよ。それをこのメロディに乗せて、いっそコミカルなぐらいに聴かせるところがイナ戦っぽいんだけど、売れないよねぇ。
空虹桜> そっから一転して、3曲目が「そして夜空に浮かぶ月のように」で、「情熱」ひとつ目。
U・B> 厭なカウントするな。
空虹桜> キタ!って思うじゃん。あと「バカ」ね。使いがち。
U・B> ええ。思いますけども。悔しいことに、たぶん他人から見れば「同じような曲ばっかじゃない?」って言うところだと思うんです。
空虹桜> 発酵するほどのマンネリズムが、まるっきしダメなのかと問われると、そうとも言えない(※10)
U・B> スチャダラの話は別でやってください。
空虹桜> 冷たいなぁ。とりあえず、「月」ってモティーフも含めて、ちょっとイナ戦しすぎてるかなって気はする。
U・B> 完全に「いっぱし」な発言ですね。わりと同意はしますけど。たぶん、不器用なバンドだから、ちょっとずつ新しくするみたいなことが苦手で、極端になりがちかなぁっていうのも含めて、信じられるところではあります。
空虹桜> 言葉は悪いかも知れないけど、そゆところをひけらかすバンドがアンタの好みだもんね。
U・B> ええ。俺が「大人の事情」って言う時は嘲る時なんだけど、とはいえ、できる限り開示するのって、誠実さだと信じてるから。
空虹桜> 純真だなぁ・・・4曲目が「すすきのエレジー」で、「情熱」2曲目だけど、このタイミングでススキノの歌。
空虹桜> なるほど。同時に、誰かの夢が終わった曲でもある。
U・B> そうですね。あと、どうしたって、今この曲のレヴュをするならば触れずにいられないんだけど、「スポットライトに 同じ夢を見て コロニーはいつも 情熱が溢れてた」(※13)んですよ。
空虹桜> うん。わからん。
U・B> 誰がCOLONYを潰したのか(※14)っていう。
空虹桜> ああ。日本で最初にコロナ閉店したライヴハウス。
U・B> 事実だけど言い方。あと、正確に最初かどうかは知らんぞ。
空虹桜> そだね。「有名どこで」とか付けときましょうか。
U・B> 言い方。いずれにせよ、じゃあ、そこに溢れてた情熱はどこに行くのか?っていう。もちろん、札幌市内他にもライヴハウスいっぱいあるし、俺自身COLONYに行ったことがないからあまり大それたこと言えないんだけど、COLONYが良いライヴハウスなのは知っていたわけですよ。そもそも、ススキノは歓楽街だけど、ライヴハウス街なわけだし。
空虹桜> まぁ、大きな音が出せるのは色街に寄りがちだもんね。
U・B> そうですね。いずれにせよ、衣食住に直結しないモノは危機に弱いんだよ。
空虹桜> 逆な言い方をすると、危機じゃなければ衣食住は弱いんだけどね。いずれにせよ、この社会や国家は、生きるためなら誰かを見殺しにする国家なのが赤裸々になったわけだから、未だに国家を信奉する人たちは目出度いとしかアタシは思わんよ。
U・B> 完全に俺の話を掻っ攫われた。
空虹桜> ごちそうさまでした。
U・B> なんだそれ。ともかく、空虹さんが言うとおりだとして、亡くなったモノは帰ってこないんだよ。だから、十字架を背負ってる自覚の無いヤツは今すぐ政治家なんぞ辞めちまえと思うし、俺からしたら、誰も十字架背負ってるようには見えない。喜怒哀楽の哀が見えない。
空虹桜> エモーショナルに生きると大変だと思うけどね。自分のこと棚に上げてるけど、「感情」そのものに世界が振り回されてるからね。そんなあなたに5曲目「愛らしいじゃない」で、「人間なんてそんなもの そんなもの 無い物ねだり だからこそ 素晴らしいじゃない らしいじゃない 愛らしいじゃない」(※15)
U・B> このサビ最高。
空虹桜> ある種の達観だけど、結局、許容するしかない。
U・B> ∀ですよ。∀。今こそ、ヒゲガンダムの再放送すべきだと思う(※16)んですけど、えと、「赦し」って最強なんですよね。
空虹桜> 受け止めちゃうからね。
U・B> 承認欲求って、つまりは、赦されたいってことですよね。
空虹桜> 流行り言葉としては、キリスト教史観って気もするけどね。依存の正当化だから。さて、6曲目が「すすきのエレジー」に近しい「たまには地元に帰ろう!」
U・B> わりに地元帰ってる方だと思うんですけど、地元の友達に会うことなんてまず無いんですよ。
空虹桜> 友達いないもんね。
U・B> つか、お前も含めて、仲いいのが東京にいるってのが大きい。
空虹桜> アンタと仲がいいとは思わんけどね。
U・B> まぁまぁ。ともかく、この曲がたぶん一番肩に力入らずに言いたいこと言えてる気がするんですよ。このアルバムの中で。
空虹桜> ホントに、「たまには帰りゃいいじゃん」って曲だもんね。
U・B> もちろん、この世には絶対地元帰らないって人もいるんですけど、「地元」的な場所はあるんじゃないかなぁっていう。
空虹桜> 「息抜きするのもいいって それだけでいいってさ」(※17)だからね。結局、この実感から生まれただろう曲。
U・B> そうですね。で、そっから今度は肩に力入りまくった7曲目「人生は最低で最高だ」なわけですよ。なにせサビが「生きて 生きて 生きてやるぜ 幸も 不幸も ドンと来いだ 悲しみを 笑顔に変えれる命なら 生きて 生きて 生きてやれよ」(※18)ですから。
空虹桜> クドい。
U・B> ニンニク醤油ニンニク多めみたいな。
空虹桜> なんだ?その比喩。
U・B> 他にも「そう人生は最低でも最高さ 夢は 覚めさせやしない」(※19)とかあるんですけど、結局、この辺って、もう自分に言い聞かせるために唄ってると思うんです。
空虹桜> そうでも思わなきゃ、やってられない・・・せつない!
U・B> 売れないバンドマン舐めるな!っていう。そんな思いを振り払うのが8曲目「戦え boys & girls ~栄光のpump up~」で、本質的には表題曲。筋肉は裏切らない!
空虹桜> ギャグで言うのはわかるけど、じゃあ、ボディビルダーに病んでない人がいないか?ったら嘘じゃん。
U・B> この場では求められてない正論。
空虹桜> 無闇に英語使うのとかは好みなんだけどね。
U・B> 悪意が透けて見えますけど、出だしの「朝食はShakerに ProteinとGlutamineはマスト 朝一のSquatで1日の代謝を上げろ」(※20)から頭悪くて最高じゃないですか。
空虹桜> それを言うと、「Traineeの合言葉 'NO PAIN NO GAIN' 染み渡る 正しき美の美学」(※21)で、「美」が重複してるところのが頭悪い感出てる気がする。
U・B> そういうところに気付く人、ホント嫌いです。
空虹桜> あんたに好かれるために生きてないから別にいいんだけど、次、9曲目「青春時代延長戦」なんて、恐ろしくストレートな曲名とストレートな歌詞。
U・B> さっきの話でいうと「情熱」3曲目だけど、今回のアルバム通しで、今までの延長線上で40代になってしまった自分たちをどう受け入れるか?が、実はテーマだと思っていて、そうなると、正直もうあとには引けない身とすれば「前のめりな俺達には 責任背負ったくらいが バランスとれて丁度いいんだよ」(※22)って、言えた!感が強くて、つまりさ、本来働き盛りみたいなこととか年功序列みたいなのって、バランス取れてちょうどいいところだったわけなんですよ。
空虹桜> ほぉ。ちょっと新しい。
U・B> そっから続く歌詞が「つまづく事も間違う事も 大人だってあるもんさ 夢は遠くなるけど 夢見るのが大人だぜ」(※23)で、胡蝶の夢じゃないけど、大人になったからこそ見れる夢があって、大人になったからこそ見続けられる夢があるんだけど、それを大人は夢と言わず「中期経営計画」とか言うわけですよ。
空虹桜> ハハハ。そう来るか。でも、それこそ豊田章男はちゃんと「夢」って言いそうな気がするけど(※24)
U・B> いや、あの人はあの人で大人げがないから。
空虹桜> 現役の経営者では、あの人が最高峰だとは思うけどね。「POWER OF DREAM」の会社が、そこまで夢無いのがなぁ・・・
U・B> なにを言い出す。
空虹桜> 八郷さん嫌いじゃないんだけど、インパクトに欠けるというか、結果は出てきてはいるけど、期待を上回らないというか(※25)
U・B> 高望みしすぎなのでは?
空虹桜> そうなんだよねぇ・・・あんだけどん底見てるのに、まだ、諦めきれないんだよねぇ・・・
U・B> だいぶ期待には応えてると思いますけどね。ともかく、「大人」って、実際問題凄いヴァーチャルじゃないですか。岡村隆史の例もあれば、ピエール瀧の例もある。小室哲哉はどうもKEIKOと離婚するらしいとかさ(※27)
空虹桜> 凄いとこ持ってきた。
U・B> 10曲目の「ガムシャラの一言に尽きるぜ」に続くのだけど、「あの手この手は ある奴が使え 何もないなら 迷わず信じろ ガムシャラの一言に尽きるぜ」(※28)ってさ、たとえば、職人みたいな人たちって、結局、言い方というか見方を変えると、たしかに「ガムシャラ」の一言に尽きるわけじゃないですか。
空虹桜> まぁ、たしかにね。極論だけど。
U・B> 1stアルバムで「オマエ・がむしゃら・はい・ジャンプ」唄ってた人たちが、20年経っても「ガムシャラの一言に尽きるぜ」とか唄ってるんだから、子どもとか大人とか実はどーでも良くて、三つ子の魂百までじゃないけど、そんときの延長線上でどうなのか?って話じゃないですか。とすれば、さっき引き合いに出した人たちって、若い時からなにも変わってないとも言える。小室だって華原朋美捨てたし(※29)
空虹桜> またなにを。
U・B> あと、このアルバムの中で「ガムシャラ」2:43で一番短いんだけど、一番歌詞の文字数が多い。たぶん。
空虹桜> たぶん。
U・B> くどっ!って思うこと請け合い。
空虹桜> 11曲目の「赤い命が燃えている」は「LIVE GOES ON!」(※30)収録曲だったのだけど、なにか喋る?
U・B> この曲もまた「ガムシャラ」出てくるので、曲順!思います。
空虹桜> 言えた。最後、12曲目「君に捧げよう」で、そういえばラヴソングも唄うバンドだった!っていう。
U・B> この流れから行くと、まぁ、大人なんだから!って話でもありますけどね。
空虹桜> 完全に一番最後の歌詞というか台詞のための曲なんだけど、それを引用しちゃうとネタバレっていう。
U・B> そッスなぁ。まぁでも、別に、俺の人生なんてとっくにアディショナルタイムというか、とくに今年は来年のためにとりあえず生きてるだけな状況(※31)なので、捧げさせてもらえるなら、いくらでも捧げるんですけどね。つか、それぐらいしか生きてる意味無いし。
空虹桜> なんつー。
U・B> つか、なんでみんな生きてるの?生きてる理由がなんであるの?凄くない?
空虹桜> さっきまで大人について語ってた人が。
U・B> だからさ、大人って、たぶん、理由を自分で見つけ出して、その理由のために生きていける人たちなんですよ。そゆ意味で、イナ戦って凄い大人を体現しているし、大人をやっているなぁと思うんです。
空虹桜> わからではないけど、闇雲に「ガムシャラ」と「情熱」を連呼する人たちが大人っていうのもね。
U・B> それはそうだけど、それを言ったら、朝からマスク行列する老人とかスーパーであえて有人レジに並ぶ老人とかのどこが大人ですか?っていう。Amazonが労働者をゴミのように使い捨ててるのに、Amazonで物品購入することに罪悪感を覚えないのだって、大人の諸行じゃないわけですよ。
空虹桜> 極論。
U・B> 安倍ちゃんにしろ枝野にしろ、ムネオなんかは最たるもの(※32)だけど、政治家連中のほぼすべて大人の欠片も見受けられないし、Twitterに1日中貼り付いてるヤツらのどこが大人か。あまつさえ、Twitterで政治的な発言をするのも否定するのも大人の諸行じゃないですよ!
空虹桜> まぁね。
U・B> だったら、イナ戦のがよっぽど大人ですよ。貫けよ!って話だし、貫くでしょ?だから、信じてるし、ファンを続けられるわけです。
※1^ イナ戦:THEイナズマ戦隊の略称。メンバはVo.上中丈弥(基本全曲作詞)、G.山田武郎、Ba.中田俊哉、Dr.久保裕行の四人組ロックバンド。詳しくは本文リンク先のオフィシャル参照。
※2^ 今回、思うところは全部作品にドロップしてる:空虹さんは500文字以下の短い物語(超短編)をメインに執筆する自称物書き。具体的な作品はバージェス頁岩や折り詰めで。
※3^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※4^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※5^ 丈ちゃん:Vo.上中丈弥の愛称。
※6^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※7^ お前だ!お前!!音楽なんて1nmも好きじゃねぇークセして星野源に寄生すんじゃねぇーよ!!:皆まで言わせるな!(by 空虹)
※8^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※9^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※10^ 空虹さんの発言は、スチャダラパーの「5th WHEEL 2 the COACH」の歌詞から引用。
※11^ 言うても、北海道のバンド:単独の私立大学のものとしては日本最大のキャンパスをもつ酪農学園大学で結成されたバンド。この注釈のために検索したら、住岡梨奈も酪農なのね!!
※12^ 20周年記念みたいなところがあった:THEイナズマ戦隊は1997年結成ってことになっているのです。
※13^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※14^ COLONY:札幌にあったライヴハウス、空虹さんの発言の通り、コロナで閉店した、最初の有名店。
※15^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※16^ ∀ですよ。∀。今こそ、ヒゲガンダムの再放送すべきだと思う:富野由悠季総監督の大傑作「∀ガンダム」のこと。見たことない人はガンダムを語るな。
※17^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※18^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※19^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※20^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※21^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※22^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※23^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※24^ それこそ豊田章男はちゃんと「夢」って言いそうな気がするけど:トヨタ自動車の社長が豊田章男。豊田の直系にして、テストドライヴァに舐められまいとライセンス取ってレーサもやる、反骨の人。
※25^ POWER OF DREAM:本田技研工業のグローバルスローガン。正確には「The Power of Dreams」
※26^ 八郷さん:本田技研工業の8代目社長八郷隆弘。なお、空虹さんの発言はすべてF1についてです。
※27^ 岡村隆史:相方に「結婚しろ」とラジオの生放送で怒られる49歳。 ピエール瀧:相方やファンから「瀧が悪い」と罵られる53歳。 小室哲哉はどうもKEIKOと離婚するらしいとかさ:EDをカムアウトして、さらには現役引退したのに週刊誌に追われ、さらには離婚で裁判してるらしい61歳(年齢はすべてUP時)
※28^ 直前の鉤括弧は歌詞より引用。
※29^ 小室だって華原朋美捨てたし:言うても、華原朋美が幸せになったのなら本当に良いことだと思うております。一児の母だぜ!
※30^ LIVE GOES ON!:このアルバムの前に発売されたミニアルバム。クロスフェーダ時代に喋ってますので、よろしければ。
※31^ とくに今年は来年のためにとりあえず生きてるだけな状況:RSRが無いのにどうして生きている意味があろうか?いや、無い(反語)
※32^ 安倍ちゃんにしろ枝野にしろ、ムネオなんかは最たるもの:全部政治家。