雑感・レヴュ集
メタセコイア
映画

作品名記述者記述日
A.I.唸るバクテリア2001/07/06★★★★

ここの796で若干内容に触れてますので興味のある方はどうぞ。

さて、お客さん。あなたはなにを求めて映画を見に行きますか?
エンタテイメントの供給主体がテレビに移り、今、インターネットに移行する中で、なにを求めて映画館に足を向けますか?
U・Bはそれでも映画館にエンタテイメントを求め、胸を躍らせながら映画館に足を踏み入れます。
そう、こう見えて結構純情なのですよ。U・Bというパーソナリティは。

SFを期待して映画館に足を向けた人。
残念でした。
夢を求めて映画館に足を向けた人。
食い足りないかったでしょ。
物語を求めて映画館に足を向けた人。
食傷したでしょ。
童話を求めた人。
よく、事前にそれを見抜けましたね。

キューブリックが童話を書けるとは思いませんでした。
たしかに、スピルバーグにSFの素養が無いせいで、この話、ロボットフェチ以外はSFを楽しめない造りになってます。
しかぁし!そもそも、この話にSFは必要ないのですよ。奥さん。
これはあくまでも童話。どこまでも果てしなく童話。
だから話の終わりがものすごく気持ち悪いのも肯けるのです。グリムしかり、アンデルセンしかり。
もしもあそこで終わっていたらホラーだった(特に「エヴァンゲリオン」なんかを真面目に見てた人には)だろうし、もしもあそこで終わっていたらファンタジィだった(特に「火の鳥」で仏像彫ってた人には)だろうし、もしもあそこで終わっていたらSFだった(特に「コンタクト」での宇宙人像を認める人には)だろう。そう思うシーンが何ヶ所もあって、きっとそのいずれかで終わっていたら★★★★★をつけたのに、童話であるがためにそれを拒否した映画。みんなわかっているのに、童話にするために何度も何度も同じことを語る映画。
間違っても駄作ではない。
でも、しつこいぐらいに「愛」を語られたのに、とてもとても物足りなかった映画。
それが「A.I.」です。

パンフを見る限りではほぼキューブリックみたいなんだけど、果たしてキューブリックが生きてこれを撮っていたら(まぁ、その時も監督はスピルバーグだろうけど)ここまで童話だったのか?
この疑問はたしかに魅惑的なのだけれど、一つ忘れちゃいけないことがあるのです。
そう、もしキューブリックが生きていたら、この物語は映画化されていなかったかもしれないということ。
なにせ、童話を書くぐらいキューブリックという人は純粋だったのだから・・・

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