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洋画

作品名記述者記述日
マルセル 靴をはいた小さな貝唸るバクテリア2023/08/25★★★★

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見ようか見まいか迷っていたのだけど、ちょうどスケジュールがハマったので「マルセル 靴をはいた小さな貝」見ました。
なるほど。これは好きな人はハマるなぁ。
しかし、それ以上でもそれ以下でもないような
どうしても、お涙頂戴になってしまったように見えてしまって・・・
なんだ。物語の中での整合性のあわなさに気付くと、野暮をわかって「むー」と思ったりするのです。
たとえば、靴を黒く塗ってしまったのなら、じゃあ、その後はずっと黒じゃなきゃいけないんじゃないか?とか。
とはいえとはいえ、映画としてはもう、ストップモーションアニメの勝利ですよね。狡い。
個人的な印象・経験としては、「ロジャー・ラビット」で実写とアニメが同じスクリーンに出た衝撃に近い。
もちろん、撮影者と演者の関係にすることで、人間の登場時間を減らすみたいなテクニックもあるのだけど、なにより、全体的に優しい映像に見えるのがお見事。
ストップモーションアニメであるが故に、クリーチャーに柔らかさというか優しさが生じるという。
マッドゴッド」と同じ技術なのにまったく逆な着地点。
これが通常の2Dアニメだったりすると、そうとう画材を選ぶ必要に迫られるのだけど、言い換えると、組の勝利とも。

ただ、この手の作品の主人公像って、結構似てね?ということに、見てる途中から気付きはじめてしまうのです。
勇敢で、目立ちたがりで、家族思い。そして、大事なところで日和ろうとする。
物語を展開するためには致し方ない属性ではあるのだけど、ある種の王道ストーリーにアレ?って気にもなる
リアルなガジェットを多用し、アメリカ的には結構爆笑を誘うだろうネタも仕込まれてはいるのだけれど、いやいや、骨格はとても手堅い。
物語的には、主人公マルセルが外に出るべきところで、「60ミニット」が内に来るという変形はしているのだけど、制作上の要請のような気はするが、兎も角、その結果、祖母の死を迎える(てんとう虫の象徴性たるや!)のは、大切な人の死が勇気を与えるのは良いのだけど、繰り返しになるけど、ただのお涙頂戴でもあるんだよなぁ・・・もうちょっとなんか・・・と。
最後の畳み方、とくに元家主カップルの喧嘩のおかげで、自分たち家族を見つける展開は面白いのだけど、お前らどうやってその家、これから維持すんねん!問題はスルーだし・・・
なんてことを気にしちゃ駄目なのはわかってんだけど、しかし、しかし・・・

とはいえとはいえ、マルセルかわゆいので、いくらでも次作作れるだろうから、楽しみなところ。

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