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リチャード・ジュエル」見ました。
イーストウッドじーちゃん、
なんて良い映画をお撮りになる!
デブヘイターとか、デブ差別主義者だとか言われるU・Bですが、泣く時は泣くんですよ。デブ見てても。
なにせポール・ウォルター・ハウザーは名優。
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アイ、トーニャ」でもたしかに良かったが、このステレオタイプをしかし上回るのは、ポール・ウォルター・ハウザーだからこそ。
何時だって、デブはヒールだし、使えないし、臭いし、邪魔なのだけど、だからって、
エリートの失態を誤魔化す生け贄にされていいわけじゃないし、誰かの栄誉のために犠牲になっていいわけじゃない。
そもそも正義なんてものは国家が決めるもんじゃないし、
「正しさ」の前に心と頭を無くすのは釈然としない。
きっかけが古ぼけた友情のようなものだったり、単なる直感であってもかまわない。
それが「正義」だと信じるに値する事実を確認したのなら、
ちゃんと事実を全うするが良い。
それがアメリカだ。
愛国者であるイーストウッドじーちゃんが、しかし、このところ撮る映画は、
確実にアメリカへ中指を突き立てる。
それはたぶん、イーストウッドじーちゃんが信じて愛してるアメリカではない、イーストウッドじーちゃん史観で言うところの
偽アメリカに対する中指なのだ。
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」のあのキスシーンに「テンプレ」感を感じたのに対し、同じくらいテンプレなワトソンとナディアのキスシーンにテンプレ感を抱かないのは、差別的なイーストウッドじーちゃんの男女感に基づき、
戦場へ向かう男を勇気づけるキスだからだ。
これで勃たねば何時勃つ?
そばに置いたいい女にそう試されて、ちゃんと応えるのがイーストウッドじーちゃんにとっての、
いい男なのだ!
とはいえだ、イーストウッドじーちゃんよりは幾分かフェミニストだと信じてるので、いくつかの描写は気に入らんし、イーストウッドじーちゃんの映画にしては長い131分だけど、しかし、それ含めてイーストウッド映画。
全然、圧倒的に卓越したリズム感と伏線でバシバシハマっていく感触もあって、映画見た!という満足度は見事なものでした。
ちなみに、泣いたのは名優キャシー・ベイツ as ボビの名演説と、エンドロールでボビがワトソン夫妻の子どものベビーシッターをやってるって字幕ででした。
きっと、子どもをあやす用のディズニービデオ見せてるよね。
あと、オリビア・ワイルドはいい女。
オリビア・ワイルドはいい女。
オリビア・ワイルドはいい女(3回言った)
もうちょっと改心に対するフォロウを入れて欲しかったところだけど、イーストウッドじーちゃん、エロ以上の興味無いだろうから・・・