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作品名記述者記述日
SHE SAID/シー・セッド その名を暴け唸るバクテリア2023/02/24★★★★

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一介の映画好きですけども、半ばノルマ的に見ないわけには行かないだろう「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」見ました。
だから、自ドメ止めろよ・・・
それはともかく、いや、わかってはいたけど、ワインスタイン、ホントに下衆だな。知ってはいたけどスゲェな。
決してドメスティックなヴァイオレンスシーンは無いのだけど、証言だけでも、僅かに残されている音声だけでも、屑野郎は屑野郎だと明朗に伝わってくる
もちろん、劇中言及されているとおり、劇中あまり描写されないのだけど、「今」の事件もたくさんあって、64歳でもチンコ勃てようとしてたのは間違いなくて、それをよくわからんロジックで言いくるめようとしてたわけで、ホント下衆老人死ねばいいのにね。辛い。
映画自体は、どうしても会話劇というか、ケータイで話してるシーンが多くなってしまうので、若干単調なのは否めなく、マジで取材で飛び回ってるから、いろいろシーンは変わるのだけど、逆にいうと、シーンを変えても、同じような場面が繰り返されてしまうので、ついつい眠気に襲われるわけです。
そこは原作にあわせてるから仕方ないのだけれども、映画としてどうなの?っていう。
そもそも構造的なセクハラ調査をさせるのに、ジェンダーロール的な見方かも知れないけど、女性記者一人で男性に取材行かせるニューヨークタイムス、どうなのよ?と思わざるを得ない。
あまつさえ、アルコール入ってる食事してたりして、その帰りに付け狙われているかのような描写が入ったりするのだから、記者に対するセキュリティがどうなっているのか?と。

それはさておき、担当記者2人は、その前の仕事としてトランプに腹を立てていたり、子どもを産んだ直後だったりするのが、なんという因果なのか?と。
産後鬱だからファッキン連呼してるって描写だとすると、それは読み取れないのだけども、つか、実際ファッキンなヤツらばかりなので、連呼しててもなんの違和感もなかったりするのだが、そんなことよりも、時々、凄まじい台詞にうっと詰まる。
もちろん、ワインスタインの吐き気がする発言が多いのだけど、乳ガンの手術直前に名前を出してもいいと電話してきたローラ as ジェニファー・イーリーの電話を切った直後、
ビューティフル ローラ
とジョディ as ゾーイ・カザンが口にした場面。
「ビューティフル」ってどういう意味で使っているのかなぁと。
そこには字幕が無かったのです。
単純に「美しい」はすこし違う気がする。
俺が訳すなら「素敵」と当てたいのだけど、それも微妙に違う気がする。
そこにあるニュアンスの差は、文化の差なのだ。
一方で、ミーガン as キャリー・マリガンですら、劇中では今ひとつ映えない。
上述の通り、ケータイで話してるシーンが多くなってしまってるからなのだけど、「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」のように、スーパー演技力大戦が無いのかというと、そうではない。
正直、レベッカ as パトリシア・クラークソンが持っていくのだ。
実際に朝まで原稿チェックしてたらしいのだけど、レベッカだけが一人で画面を持たせる存在感があるのだ。上司かくありきというか。
と思ったらさえぼー先生が見事にレベッカを書いてらっしゃった。

ここで若手である主人公ふたりを指導する立場のボスとして出てくる、パトリシア・クラークソン演じるレベッカの役割がかなりうまく効いており、しっかりした女性ロールモデルがいれば女性の後進が自然と育つ…というようなところをさらっと見せていると思う。
ディーン as アンドレ・ブラウアーもその感じはあるけど、レベッカほどではない。
従って、実は、レベッカを主人公にして見たい映画だったりしたのである。
ちょっとした、アクロバティックな帰結。

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