人生で一度ぐらい、本気の大竹しのぶを生で見たいなぁ。と、ミュージカル「
スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」を東京建物Brillia HALLで見ました。
珍しく空虹さんと一緒ではなく一人で。
筋をほとんど確認しないで来たのだけど、なんと変態鬼畜ロリコン爺と猟奇殺人鬼とカニバリストの
三大変人大激突でした(言い方)
途中で変態鬼畜ロリコン爺が、とち狂ったこと言い出して、3回ぐらいなにを見せられてるのかと思ったことは否めないのだけど、端々に入り込むギャグに対して、客が爆笑してるので
チョロいなと(待て)
どうもマイクなのかスピーカの解像度が低くて、録音を聞かされてる感じがするから、せめて、台詞のマイクぐらいは音像をセンタに置いて欲しい。辛い。
とはいえ、幕間に聞こえる管楽器は生音ぽかったんだけどな・・・
それはともかく、市村正親は正直衰えた感じがある。
全盛期を見ていないからアレではあるのだけど、端々では
流石市村!と感動するのだが、同じぐらい
なにを言っているのかわからない。発声が悪い。
が、しかし、ビックリラストシークエンスの格好良さ。画になりっぷり。超カッコいいんでやんの。アレを見たらオールOKですよね。素晴らしい。
そして、加藤諒の名演。素晴らしいハマり役。
帰りに見知らぬオジサンも言ってたけど、ダブルキャストで武田真治って、ベクトルが違いすぎて絵が浮かばない。
いや、たぶん、武田真治は
ロッキーホラーやってる人なんだから、あの狂人っぷりを発揮すればいいだけなんだが。
唯月ふうかは可愛いのだけど、そこか、なにかがあったかというと微妙。
むしろ、マルシアが良かった。
こんなにノリノリで芝居する人だったんだなぁと。
帰りに見知らぬおねぇーさんも言ってたけど、
マルシアはミュージカル業界引っ張りだこになるんじゃ?
でだ。
やはり大竹しのぶなのです。
はじまった直後は、大竹しのぶ・・・だよな?というぐらいの役っぷり。
茶目っ気と可愛げと、もともと身に纏っている狂気がナイスバランスで発揮されるので、いつしかステージの中心は大竹しのぶになる。
うむ。なるほど。これは凄い。
終わりの挨拶でも、キャッキャやってらしてこれが赦されるのは大竹しのぶだからでもある。
にしたって、あのナチュラルな
狂気のフェードインは本当に凄い。
あんなの素でやられたらどうしようもないよ。なるほど。
ちなみに、帰り回転寿司食べてたら、見事に同世代ぐらいの女の子が、同じ芝居見た帰りで遭遇。
同じ職場同士っぽいお連れさんとのシスターフッドっぽい会話が聞けて良かったんだけど、
「 最後誰も幸せにならない話をお芝居にしたのが凄い 」
みたいなことを話していて、そうか?と。
すくなくとも、町の人たちにとって狂人が全滅したのだから、ハッピーに違いない。
旨いミートパイは食べられなくなるカモだけど、もう二度と食べたくないミートパイでもあるんだし。
それはやっぱり、オープニングとエンディングで同じ曲を町の人々が唄うことに現れる。
トッドが死んだことを言祝ぐ唄じゃないか。
だからきっと、ロンドンに皆まだ憧れるんだ。