雑感・レヴュ集 メタセコイア
邦画

作品名記述者記述日
アンダーカレント唸るバクテリア2023/11/30★★★★

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呑み友達から
人生で一番好きなマンガだから、U・Bさんにも見てもらいたいです
と酔った勢いで言われた(呑み友達だから当たり前な)ので、仕方ないからと何故かグランドシネマサンシャイン池袋で「アンダーカレント」見ました。
いや、ちょうどいい時間にやってるのでが、グランドシネマサンシャイン池袋だけだったんですよ・・・
最前列はオットマンあるってんで、リクライニングシートかと思ったらそうでもなく、とはいえ、そこまで客入りも多くなかったので、気楽に見れたことは請け合い
あとは、噂のエスカレータの壁面に飾られた映画ポスターの数々が、溜まらなくテンションが上がるなぁと。
それはともかく、去年も今年も今泉力哉を年2本見るという状況に、今ドキの映画好きっぽいよなぁと。
が、しかし、ラストカットはアレで良かったのか?(件の呑み友達も同じ見解)
どちらかというと、原作はオープンエンド寄りな終わり方をしていて、おおっ!?スゲェ終わり方するな。思ったのだけど、実際、パンフで今泉力哉も「完璧」と呼んでいるだけの終わり方なのだが、映画はちょっと尾ひれがついていて、パンフで吉田大介は絶賛してるのだけど、しかし、妹の名前を言った瞬間で終わっていればゾッとしたこと請け合いだが、そのあとまで入らなかったんじゃないかなぁと。
うーん。
勿論、今泉力哉はわかってあのエンディング用意していたし、そうしたい気持ちもわかるのだから、同じ方向に向かって歩いている意図は、見た瞬間にわかったのだけど、それでもなぁ・・・
マンガ本編が説明不足だったり、あえて説明してないところを補っているのは、今っぽい脚本ではあるし、実際わからんかったのが理解できたシーンもあって良いのだが・・・
なお、パンフ読んでて、森直人が関口悟 as 永山瑛太と堀隆之 as 井浦新を対称関係に解釈していて、図らずもその視座が無かったので衝撃でした。
あと、豊田徹也のコメントで、もしやアトロク案件?思ったら正しくで。
さらには自作と映画に対する距離感が、「アンダーカレント」で描かれている距離感でもあって、
絶妙なところだなぁと。

さて、関口かなえ as 真木よう子です。
相変わらず、あの顔が好きでたまらないのだけど、流石に首の肉と皺が加齢を感じさせるのです。
自然体といえば自然体だけど、劇中の感じでいうと主人公のかなえは三十代前半で、井浦新は四十代なので、配役的に原作の10コ上ぐらいな印象は拭いきれない。
もちろん、役としてはナイス配役なのだけれど、それは役者の腕であわせていると見る方が正しい。
多少作り込みが過ぎる芝居に見える場面もあるのだけど、そもそも原作が余白の多いマンガなので、そう見えるのは致し方ない。
あと、これもパンフで今泉力哉が言ってるとおり、役者陣の人間関係の上に成り立っている芝居ではある。
ナチュラルでもあるのだけど。
にしても、真木よう子は山崎道夫 as リリー・フランキーと共演OKなんですね!(俗物的発想)
それはそれ、これはこれの関係性のようですが。
あと、永山瑛太は「怪物」以来、本当にこういう役があっているというか、そういう人にしか見えないので、すこし仕事を選んだ方がいい気もする(笑)
そして、ダーリオはポッテリ唇メイクなのに幸薄そうで良かった。好き(馬鹿)

で、いちお、予習して見に行った甲斐あり、多少解像度高く見ることが出来たのだけど、やっぱり、誰が殺したのかはわからなかった。
もしかしたらわかるかなぁと思ったのだけど、そこは主眼ではなかった。
とはいえ、上述の通り、マンガの翻訳としてはかなりよく出来ているのではないかと。
下着泥棒のエピソードはなかったけれど、まぁ、アレはなくて良かっただろうし、どじょうもバラまかなかったけれど、とはいえ、どじょうのエピソードは拡張されていたりなので、ラストシーンの違和感以外はよく出来た映画ではあるかなぁと。
それでも、菅野よう子 as 江口のりこというフルネームに今さら気づいたので、映画を見た甲斐はあったのです。ホント。真面目な話。
「菅野よう子」だって気づかなかったよ。
俺もお前も菅野よう子大好きじゃないか!(音楽ネタ)
あと触れておきたいのは、フード描写。
朝食と夕飯。
メニューはわりと近しい感じで、朝も夜も同じようなご飯を食べているのだけど、そこに酒はない。
あんだけバカスカ煙草吸ってるのに、酒を呑む描写がない。
実は味噌汁もほぼ啜らなくて、コーヒーもほぼ飲んでなくて、何故か麦茶だけはちゃんと飲まれる。
そ れが何故かと言われても読み解けてはいないのだけど、水が散々出てくる映画ではあるので、飲む場面まで描いているとトゥーマッチだった可能性はある。
それと、メインビジュアルでもある最初にお湯へ倒れ込むシーン。
ちょっと真木よう子の表情も微妙だったし、あのシーンで音がついてしまっているところもどうなのかなぁと。
細野晴臣のサウンドトラックは、良かっただけに悔やまれる。
あとあと、あの池(実際は相模湖)のシーンはもうちょっと必要だったはずなのだが、サッパリ目なので、ちょっと物足りず。

にしてもだ。
なんで講談社のマンガの映画化で、角川と朝日新聞なの・・・?(余談)

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