U・B >コブツイのベストアルバム「蛇の道」に新曲は一曲だけだから、コブツイヴォーカル川畑アキラ
ソロアルバム「誠の島」を語るクロスフェーダ!!(※1)
空虹桜>FMのDJ口調ですか?
U・B >小林克也がユニクロのCM出てるしな(※2)。って、そういう話じゃなくて、「誠の島」。とりあえず、
この島は与論のことだと思っていい。(※3)
空虹桜>でも、一曲目は琉球音楽然とした「えんどうの花」?
U・B >そうなんですよ、奥さん。そこが重要で、与論と琉球と。もの凄い文化的つながりを感じさせる
のがこのアルバムのコンセプト。(※4)
空虹桜>アタシ、奥さんじゃないけど、子守歌にはいい感じの曲だよね。
U・B >朝川朋之のアレンジが綺麗すぎるからなぁ。でも、アキラさんの声にしっとりとマッチして
いて、いい。
空虹桜>とくに理由はないけど、夕焼けが似合う気はする。で、2曲目がトナカイみたいな「赤花」
U・B >わざわざその手の詰まらんネタにツッコミ入れるのも楽じゃないんですけど。
空虹桜>でも、いじらずにはいられないと。芸人魂よねぇ。先生わかるゾ!その気持ち。
U・B >ヤな返し方されたな・・・えーと、このアルバムは珍しくというか当たり前というか、アキラさんが書いた
曲が半分以下(※5)。そのくせコブツイ的というかなんというかなのがこの「赤花」。
空虹桜>ようするに、赤い花が一輪咲いてるよって話だよね。
U・B >身も蓋もない・・・
空虹桜>いや、言いたいことはわかるんだけど、そうやってコブツイと比較するとか、その手の説明の仕方は
このアルバムに必要ないと思う。むしろ、「赤花」ってやっぱハイビスカスかな
ぁ?とか、そういう感じじゃない?
U・B >いや・・・まぁ、たしかにわからんじゃないけど・・・歌詞カードに写真出てる(※6)けど、花とか詳しくな
いからよーわからんし・・・
空虹桜>バカね。わかんなくてもいいから「ハイビスカス」言っときゃいいのよ。どうせ誰も歌詞カ
ード見ること無いんだから。
U・B >さすがに最低だな。それ。
空虹桜>最低でもなんでもいいの。どうせここまでは前フリみたいなもんなんだから。3曲目「与論
小唄」ようするに田舎はヤだけど、アタシャ不器用な小鳥だからアナタのところへ逃
げ出せないよ!って歌。
U・B >これは、俺がフォロウする立場なのか?えーと、与論の民謡です。アキラさんが唄うと妙な
色気が出てて良いです。ストーリィラインはたしかに空虹の要約でいいけど、なんつーか、もっと
切ない感じで。
空虹桜>切ないっていうか、恥ずかしいっていうか、情けないっていうか。でも、島だからねぇ。
U・B >いや、たしかに島ですけど・・・いつからある民謡か知らんけど、海越えるのは大変だろう。つ
い100年前ぐらいでも。今こそアレだけど。
空虹桜>そりゃねぇ。台風来たら一発アウトだもんね。それでこの曲に完璧なまでの続き方をするのが
「十九の春」
U・B >RIKKI(※7)との掛け合いがとってもキュートな琉球民謡。今空虹が完璧なまでとか言っ
てたけど、ようするに、与論民謡と琉球民謡のメロディラインが同じなんですよ。
空虹桜>歌詞は新しめだけど、ようするに時代が進むたび節に新しい歌詞載っけ直してたって
ことだよね。
U・B >そう。民俗学者とかにはアレだろうけど、不自然なまでに保護運動しようとするのは、民謡そのも
のの価値を半減させるのであります!って、そういう話をしたいんじゃなく、たしか
に県は違うけど、やっぱ海でつながってるっていうか、文化的なつながりが与論と琉球には
しっかりあって、それがハッキリわかるのがこの3曲目と4曲目。もちろん、文化的には三線と
かもある(※8)んだけど、そこを川畑アキラという触媒を介して化学反応させてるの
がこのアルバムの価値のひとつ。
空虹桜>大きく出たねぇ。ケミストリーですか?
U・B >瞬殺する。間違いなく瞬殺する。
空虹桜>でも、この歌詞もキュートだよね。なんだかんだいって、お前ら二人仲いいだ
ろ!みたいな。なんっていうか、70過ぎてこういう感じの夫婦って可愛くていいよね。
U・B >可愛い夫婦って、ただいちゃいちゃしてるんじゃなくて、互いにしっかり独立してるところ
がミソだと俺は思ってたりするんだけど、そんな話がしたいわけでもない。むしろこっから5曲目かつ
表題曲「誠の島へ」へのつながりがすんごいポップ。
空虹桜>いきなりスカだからね(※9)。
U・B >たしか、地元のスカバンドだったハズなんだけど、このつながり方って一般的にはあり得な
い気がすんだけど、とっても「今」な気がするし、それこそリスペクトっていうか、好き
な気持ちが詰まってると俺は思うんです。ええ。
空虹桜>間違いなく楽しそうではあるよね。しっかり歌詞は川畑節だし。
U・B >次の「甦る人々(ウチナー・バージョン)」とつながらせてるんだよな。最終的に帰っ
てくる場所というか、俗っぽく言えば楽園というか。
空虹桜>ちょっぴりスチャの「彼方からの手紙」的(※10)だよね。アレもPV屋久島で撮ってたし。
U・B >まぁ、そうつながるのはお前ぐらいなもんだろうけど。でも、こうやって読み解いてくると、最初「甦る
人々」をセルフカヴァした(※11)意味わからんかったけど、腑に落ちた。
空虹桜>それこそ1曲目の「えんどうの花」からきちんとストーリィはつながってんだよね。2曲目が「赤花」だな
んて、とっても詩的だし。
U・B >「甦る人々」がオーケストラ演奏なのもだからなんだろうな。悪く言えばお盆的と言うか。
空虹桜>その言い回しはアンタじゃなくてアタシが言うべきだと思うんだけど・・・でまぁ、大きなストーリ
ィはいったんここで終わって、最後7曲目が「トートゥガナシ〜ありがとう」
U・B >バッチリ与論の方言で「ありがとう」を意味する「トートゥガナシ」。改めて与論に捧げられた
アルバム感が出まくってる曲。
空虹桜>歌詞に出てるけど、このアルバム自体がお世話になった あの人に 長い手紙を
書いてます状態なんだよね。(※12)
U・B >そう。だからこそコブツイファンとしては、こっから先なにが出るのか不安で仕方がな
いという・・・
空虹桜>矛盾だよねぇ。わかる気がするけど。
U・B >間違いなく、っていうか、コブツイやってる内に上がってきたんだと思うけど、アキラさ
んのモティベーションつーかモティーフは与論への愛と輪廻転生だと思うんだよなぁ。
空虹桜>ある意味、ここで出尽くしちゃってるもんね。
U・B >バンドメンバが入れ替わっちゃったし(※13)、ライヴはやってるけど俺は見てないから、これからのコ
ブツイが正直不安でたまらず、出すなら早く新曲出してくれと。(※14)