空虹桜>後編です。
U・B >岡野走れ!みたいなロングパス(※1)ですね。まったく。
空虹桜>むしろ、麒麟かよ!的なツッコミ(※2)が欲しかった。
U・B >・・・えーと、このところ諸都合で過去のクロスフェーダをいくつか修正したりすると、きちんとしたリード文が
無い回が数度あることが判明したんで、ここは真面目に。小沢健二特集(※3)の4回目は「LIFE」の
話をする後編と。んで、5曲目は「ドアをノックするのは誰だ?(ボーイズ・ライフ
pt.1:クリスマス・ストーリー)」で、もちろん当然のツッコミ。タイトル長すぎ!
空虹桜>英題も「WHO'S GONNA KNOCK THE DOOR?(BOYS'S LIFE pt.1:A CHRISTMASSTORY)」と長い直訳。
U・B >だいたい、これぐらいがストライクだった洋楽にかぶれてないおねぇーさまやなんかは、ここで「gonna」に初
めて遭遇して意味わかんなかったりするんだよな。たぶん。
空虹桜>そうなのかなぁ・・・パッと出てこないからアレだけど、他にもたぶんなんかあるよ。
U・B >ちなみに「gonna」はスラングですから、ちょっと古い辞書だと出てない可能性があります。
空虹桜>ともかく、やっぱりこの曲は誰かにとって特別だった君を マークはずす飛び込
みでサッと奪いさるだよね。ちょうど前回引用した「ラブリー」のいつだって可笑しいほ
ど誰もが誰か愛し愛されて生きるのさ(※4)に呼応してる。
U・B >主観と客観って感じですな。でも、それなら前回からの解釈でいって、タイトルから一目瞭然だけど妄想
だろ?ダメ男の。実際ノックしたわけじゃないし。なにより、2人でベッドに飛び込んどいて眠るだ
けって!
空虹桜>そこはホラ、大人の余裕だよ。きっと。
U・B >ちげぇよ。脳味噌パンクしてベッドの先を妄想できないんだって。絶対。そうじゃなかったら僕
のアムール(※5)なんて口が裂けても言えないから。
空虹桜>そこだけ引用されると凄まじく恥ずかしいなぁ・・・
U・B >あと風冴える クリスマス 君の心を叩くのはいつも僕さって考えてる
(※6)って、「いつも」がどこに掛かってるかが重要だけど、クリスマスに掛かっていると考えれ
ば、毎クリスマスそんなこと考えてるわけで、立派なストーカでしょうに。
空虹桜>異議アリ!たとえクリスマスに掛かっていたとしても、「これからずっとクリスマスに君の心をノックするのは
僕だよ」と考えれば成立すると思います。
U・B >でも、どっちが面白いかったら俄然俺の方が面白いわけで。ここでも小沢君の王子様性と
情けない男っぷりが同居していると。さて、6曲目は過去さんざん喋くり倒してきた「今夜は
ブギー・バック(nice vocal)」(※7)
空虹桜>ねぇ。さすがに今まで喋りすぎてるから今さら。
U・B >ってところで俺の解釈に立ち戻ればだ、ANIとBOSE(※8)が男同士の事柄についてラップしてるの
に対し、小沢君が僕と君について唄っていることに注目するわけだ。
空虹桜>ああ・・・そうくるのか・・・
U・B >パッと目ではジゴロとダメ男の対比なんだけど、青春というか思春期の男子を焦点にしてみれ
ば、むっつりスケベで頭ん中で妄想繰り広げてるダメ男ととりあえずもう男同
士でへらへらやってりゃ楽しいからいいやっていうダメ男の両極なわけだ。
空虹桜>両方ともダメ男なんだ。
U・B >いくらこの中でANIだけ結婚してる(※9)っても、ANIのダメっぷりは周知の事実だから。
空虹桜>スゴい言われようだなぁ・・・ああそうか。小沢君パートで極端にカタカナが増えるのもその文脈で理解する
とオシャレぶりたいだけなんだ。
U・B >だってうるわしのプッシー・キャット(※10)ですぜ。
空虹桜>アンタの話聞く前に「猫のいる情景」書いといて良かった。
U・B >もちろん、解釈論としては「猫のいる情景」で描かれてる解釈のが真っ当だとは思いますけどね。話戻し
て、7曲目「ぼくらが旅に出る理由」はなぜか歌詞カードの一番最後に掲載されてる。
空虹桜>素直に本来これが最後の曲だったって理解は別にOKだと思うんだよね。
U・B >というと?
空虹桜>それこそ枕のアンタのフリじゃないけど、中田英寿がさ、「人生とは旅であり、旅とは人生である」とか言っ
ちゃったけど、このアルバムのタイトルが「LIFE」なわけじゃん。
U・B >ハイハイ。そう来ますか。
空虹桜>でさ、英題が「LETTERS,LIGHTS,TRAVELS ON THE STREETS」なわけじゃん。
出てくる単語まるまる全部人生の隠喩なわけだ。
U・B >ならば何故8曲目に「おやすみなさい、仔猫ちゃん!」?
空虹桜>なんだよねぇ。仔猫ちゃんを寝かしつけたら 再開だ 夜中までパーティ
(※11)のハズなんだけど・・・
U・B >なぜか全部話してから仔猫ちゃんを寝かしつけると。
空虹桜>最後9曲目がまた「いちょう並木のセレナーデ(reprise)」(※12)なんだけど、オルゴールアレンヂで
repriseしてるわけじゃん。これが「仔猫ちゃん」の終わることのないオルゴール(※13)に
掛かってるのはわかるんだ。
U・B >実際は1分無い尺で曲終わってるんですけど。
空虹桜>まぁね。ともかく、repriseした「いちょう並木」は英題変わって「AND ON WE GO」になっちゃって、人
生は旅だと語ったら、Where do we go?(※14)問われたので、起きたら一緒にどこか行こうね。っ
て話になるわけじゃん。もちろん、ビジネス的に「仔猫ちゃん」系で終わってくれって要請もあったと思
うんだ。アレンヂが豪勢になってるのもだからだろうし。(※15)
U・B >実際、「仔猫ちゃん」の英題はまんま「GOOD NIGHT,GIRL!」で、隠喩にすらなってないわけだ。
そこでですよ!
空虹桜>またですか?
U・B >またです。ホントは「旅に出る理由」で終わる予定だったんだけど、ビジネス的な理由で「仔猫ちゃん」で終わ
るよう迫られたと。そこで小沢君はアクロバティックな手法を使ったわけだ。
空虹桜>思わせぶりな展開だなぁ。
U・B >むしろ名探偵的というか。
空虹桜>余計なこと言わんでいいから。
U・B >へいへい。えーとですな、つまり、どうしてここで「いちょう並木」がreprise。つまり、再現されなけれ
ばならなかったのか?ってことだ。
空虹桜>な ん だ っ て ?
U・B >・・・ごめん。わかった。俺が悪かった。
空虹桜>わかればよろしい。
U・B >はい。思い出してもらいたいんですけど、「いちょう並木」は別れたあとの曲なんですよ。ってことは、「旅に出
る理由」を語ったら「何処へ行こう?」訊かれ、どうしようかと思案したあげく、それまでの曲を大きなカギ括
弧に押し込み寝物語って仔猫ちゃんを寝かしつけ、寝てる間に逃げ出したわけだ。きっと彼女は涙
をこらえて 僕のことなど思うだろ(※16)とか嘯いて。
空虹桜>おまけに彼女は言った “ブルーの用意はできてるの”(※17)って?うわ〜っ、見
事に「情けない男歌」な解釈だ。
U・B >てめぇが悪いクセに、物わかりのいい彼女を妄想で作り上げてるという。
空虹桜>名盤が汚されていく・・・
U・B >ビジネスって恐ろしいですな。
空虹桜>アンタの暴走がね・・・(※18)
※1 岡野:野人こと自分で出したスルーパスに追いついてしまう浦和レッズの背番号30番FW岡野雅行のこと。
※2 麒麟:ハンサムヴォイスと超貧乏の人気お笑いコンビ。
※3 小沢健二:家族のためならわりに真面目に働くことで評判のリアルセレヴ。過去のレヴュはこちらを参照。
※4 この空虹発言における拡大部はすべてそれぞれの歌詞より引用。
※5 直前の拡大部は歌詞より引用。
※6 拡大部は歌詞より引用(改行入っちゃったけど)
※7 一番喋くり倒したのはここ。
※8 ANIとBOSE:スチャダラパーの2MC。スチャダラ話はこちらを参照。
※9 U・Bの発言だけど、この言及って改めて取り出すと面白いなぁ。つまり、ダメ人間の方が結婚しやすいわけだ(by空虹)
※10 拡大部は歌詞より引用。
※11 元ネタスチャダラパーなんだけど、どの曲だったか思い出せない・・・(by空虹)
※12 「いちょう並木のセレナーデ」自体は前回参照のこと。
※13 拡大部は歌詞より引用。
※14 拡大部は歌詞より引用。
※15 空虹さんの解釈では、この路線の要求に応えるのはビジネスだからで、そういう曲に限ってアレンヂが豪勢だという。詳しくは前回参照。
※16 拡大部は「いちょう並木」の歌詞より引用。
※17 拡大部は「いちょう並木」の歌詞より引用。
※18 空虹桜40行。U・B47行で、まるでU・Bの回かのごとく喋りすぎて、俺の負け。この解釈法は4thアルバムん時もっかい用いることになります。たぶん。