第357回 LIFE(前編)

空虹桜>こっそりビクビクしながらやってるクロスフェーダの小沢健二特集(※1)は一番ヤヴァげな「LIFE」の
       話をする前編。
U・B  >前編とはいえ全9曲ですから、別に一回でやってもいい気がすんですけど、まぁ、労働力の問
       ※2)ということで。さて、おそらく一番キャッチィなこのアルバムの1曲目がドキャッチィな「愛し愛さ
       れて生きるのさ
空虹桜>一時期カゴメのCMでかかった時(※3)はホントビックリ。未だにこっそり本人の了承は取ってな
       いと勘ぐるもん
U・B  >それは勘ぐりすぎでは無かろうか。ちなみに、今回のアルバムは隠れてこっそりほとんどの曲に
       英題付いてて、「愛し愛され〜」は「LOVE IS WHAT WE NEED」で関係代名詞
空虹桜>そこなんだ・・・
U・B  >Whatだから名詞節とか、嫌な思い出ばかりが思い出されるわけですよ。
空虹桜けどそんな時はすぎて 大人になりずいぶん経つと(※4)。
U・B  >ウワッ、上手いこと言った的な。
空虹桜>スルーパスはきちんと決めてかないと
U・B  >そりゃそうだけど、曲の話全然しないまま次行っていいですか?
空虹桜>いや、キャッチィで一括りするのは勿体ない曲だと思うよ。なんだかんだいって。キュートなラヴソング
       に見えてスンゴイ醒めてる体を装ってるっていう。
U・B  >いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて生きるのさ※5)なんて、
       客観だよな。
空虹桜>厳密には客観の着ぐるみを着てるだけなんだけどね。しかし、実際問題自分の恋人がこん
       なんだったらハッ倒したくなる気はするけどね。
U・B  >そこはホラ、王子様キャラの特権ですから。んで、2曲目がまた強烈で豪華メンバ(※6)で録っ
       た「ラブリー」で、英題はマンマ「LOVELY」そしてこっ恥ずかしいことに、このアルバムん中では
       番好きな曲
空虹桜>ああ、たしかにいい歳こいてこの曲一番好きって言うのは恥ずかしいかも。
U・B  >超自分に自信無かったらこんなこと書けませんって。LIFE IS A SHOWTIME※7)ですから。
空虹桜>いや、生きてることは見られることだから、そこには全然違和感なくて、むしろここで重要なの
       は、その前の曲で醒めたこと言ってた人間がここでは俄然強気に君と僕とは 恋に落ちなく
       ちゃ※8)言えちゃうことじゃないかなぁ。
U・B  >はぁ。えっ、ってことは、これはやはり弱気の強気ですか?小沢君もヘタレ男子ですか?
空虹桜引きこもりだし、ヘタレはヘタレだと思うけど・・・なんか、そこの食いつきいいのが怖いなぁ。
U・B  >そうかそうか。そう聴き直すと、ラブリーな君と僕との関係を唄ってるクセにいつか誰かと完全な
       恋に落ちる※9)言ってるの腑に落ちる。日和ってるんだ
空虹桜>いや、単純にモテる子だから、もっといい娘と恋に落ちるかもしれないけどネ!って余裕を見せてる
       だけのよな・・・
U・B  >それじゃなんか普通な小沢聴きと変わらんでしょう。そうか、この文脈で聴き直すと小沢君も情けな
       い男歌唄いに認定できそうだ・・・
空虹桜>う〜ん・・・もっと単純にこんな恥ずかしい曲を照れもせず全力で唄えた当時の小沢が
       置かれていた状況のが面白いと思うんだけどなぁ・・・「犬は吠えるが〜」の解釈を引き継ぐため
       にも(※10)。
U・B  >そんなことは大塚幸代とか往年のミューマガやQJに任せればいいの(※11)。張り切っ
       て3曲目未だによくわからんタイトルの「東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボ
       ディー・ブロー」英題は「LOVE IS LIKE A BODY BLOW
空虹桜>なんか個人的な先入観で、「○○専科」って聞くと珈琲屋さんのイメージなのね。元ネタわかん
       ないんだけど。
U・B  >そんなこと言われても余計にわかりません。
空虹桜>そりゃそうなんだけど。えーと、やっぱりこの曲は最後に入るBarabaスキャットではないかと。「恋と
       マシンガン」の悪いカヴァみたいな
U・B  >ファンが言うなよ。ファンが。
空虹桜>いや、なんか個人的につなぎにいい曲だという評価しかないもんで・・・
U・B  >あなたホントにファンですか?
空虹桜>たぶん・・・ホントは次回きちんと言及するけど、ビジネス的にこゆこと言っとけばファン
       は満足でしょ?的な姿が見え隠れするんだよね。その分音楽のアレンジで遊んでるんだけど。
U・B  >でもそれ言ったら、それこそはじめの3曲全部そうじゃん。
空虹桜>う〜ん・・・なんか素直に受け取るとそうなんだけど、順々にファンになびいてるというかビジネスよりになって
       るというか。そこで盛り返すのが次の「いちょう並木のセレナーデ」なんだよね。
U・B  >ちなみに英題は「STARDUST RENDEZVOUS」で、こっちを和訳すると「星くずのたまり場」ぐ
       らいな。まったくもって邦題と英題が遠い
空虹桜>え〜、ちゃんと歌詞に出てくるじゃん。いつか遠くへ飛び去る 星屑の中のランデ
       ブー※12)って。
U・B  >あっ、ホントだ。気づかんかった。
空虹桜>前半が邦題で後半が英題になってるわけだけど、この曲も好きなんだけど、好きなんだけどなんか妄
       想臭いんだよねぇ。もちろん、それが良さでもあるんだけど、男のエゴを感じるというか。フランス
       映画の見過ぎです!みたいな。
U・B  >渋谷系大好きなのに小洒落たモノに適応できない田舎者の性ですな。
空虹桜>その言われよう凹むなぁ・・・
U・B  >もちろんアレですよ。今の俺に言わせれば、男のエゴとか妄想臭さとか、むしろここではいっそ童貞臭
       漂うとまで言い切ってしまえばいいわけで(※13)、そこはおそらく4thアルバムあたりにつながると思う
       んだけど、本来の小沢健二という男の姿が垣間見えていて、ホラ、情けない男
       歌唄いじゃね?っていう。
空虹桜>今回アンタの方がメインみたいな展開なんですけど・・・
U・B  >ようやくウチで小沢健二レヴュやってる甲斐が出てきた気がしてきた。小沢健二DT仮説!思い
       の外おもろくなるんじゃね。楽しみだなぁ。次回のブギー・バック※14)。
空虹桜>狙いはそこか・・・(※15


※1 小沢健二:音楽エリートというか音楽ハイソというかリアルハイソのお坊ちゃま。現在こっそり童話っぽくない童話を書く。
※2 本項更新の際の仕事量が諸々重なって半端なかったという話。
※3 2004年に野菜生活SoftのCMソングとして使われた。で、元サイトを探したらなんとかみつけた。疲れた。
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 拡大部は歌詞より引用。
※6 Eギター木暮晋也、Eベース中村キタロー、ドラム故青木達之、キィボード中村康晴、トロンボーン北原雅彦、テナーサックスGAMOU、トランペットNARGO、ハープ朝川朋之等々・・・(写してる途中で疲れた)
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 犬は吠えるが〜:1stアルバムのタイトル。ここここで前後編にてレヴュしてます。
※11 大塚幸代:パーフリ関係ではやっぱり一番のフリーライタ。えー、背の高い女は好みです(ヲイ) ミューマガ:雑誌「ミュージックマガジン」の略。QJ:雑誌「Quick Japan」の略。どっちも今じゃなんだか。ああ、仕事いただける分にはOKです!(えげつないな<自分
※12 拡大部は歌詞より引用。
※13 逆説的に、これは本文中でも用いられている小沢健二のパブリックイメージ「王子様」につながるものであり、女性アイドルが処女でありおならもウンコもしないのと同一の文脈に置かれるのではないか?と、U・Bは思うのであります。以上です。委員長!
※14 ブギー・バック:日本のHipHop史上に燦然と輝く名曲。詳しくはここなんかを。
※15 空虹桜38行。U・B36行でそりゃの勝ち。真面目な話として、とくにファンが書いてる記事の多い小沢健二みたいなのを扱う場合、自分たちの色が出せないならレヴュする必要はないと思ってますので、ちょっとこの発見は行ける気になるのです。はな。


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