第450回 「逸脱」は超短編の名前という話(前編)

U・B  >こう見えて先週相当疲れたんッスけど、大丈夫なんですかね?今週はいらんイヴェント(※1)でスケジュー
       ル詰められてるし。
空虹桜>さぁ?
U・B  >いや・・・たのんますよ。まぢで。
空虹桜>とりあえず、なんだか意見や反論が存在しないのって気持ち悪いというアタシの基本スタンスと、あ
       と理論・理屈だけの話聞いてると、脳味噌のスペック低いから理解できなくて、いちおー、
       実証主義者なんだし、なによりそゆ時にブックガイド的なことすれば合理的なのにという策略も相まってこんな
       ネタを。
U・B  >長い。
空虹桜>ええまぁ。ちなみに、ホントはストロに書こうと思ってたんだけど、途中で飽きたから、気晴らしにアンタ
       巻き込んでみた
U・B  >もう、エラい迷惑なんですけど。
空虹桜いつかのチャート図※2)ぐらいにはリンクされるよ。きっと。
U・B  >「蚯蚓腫れ」で検索引っかかってくる人より多かったら褒めてやるけど、どちらにせよさ、俺には一銭
       にもならんのだから。
空虹桜>いい加減諦めたらどうなの?そゆの。
U・B  >イヤだ
空虹桜>潔悪いなぁ・・・いいや。社会学用語として「逸脱」を使ってはいるんだけど、あんまり「物語」に寄り添ってくっちゃ
       べると宮台真司(※3)とか引き合いに出されて、アタシは文学的にも社会学的にも所詮不勉強で囓りな学士号
       持ちでしかないからアレなんだけど、とりあえず、見えないモノを見るためには見えないモノ
       は見ないのが鉄則なんで、とりあえず、タカスギさん(※4)が言うように500文字で物語るのは
       無理なわけだよ。基本。この時点で超短編は物語を逸脱している
U・B  >あ〜、もうすでにわけわからん。
空虹桜>やっぱりそこから茶々入れてくるか。
U・B  >だって、意味わかんなくね?それこそ小学校の時の作文、それこそ「先生あのね」とか、原稿用紙1枚も
       使ってなかったぞ。俺。
空虹桜>いくらなんでも「先生あのね」引き合いか・・・物語の基本構造は起承転結と5W1Hなんだけど、う〜ん、そ
       こから喋ると、1回じゃ終わらないよ?
U・B  >終わらせろ
空虹桜>無茶振りを・・・えと、「先生あのね」は状況限定してるから、「起」とか5W1Hのいくつかとか説明しなくて済むの
       ね。わたしが先生に物語るわけだから共有理解を前提にできる。それは短歌や俳句であれば
       だったりとか季語とか掛詞とか、国語の授業で習う技法的なモノ、あとそう過去作品ね。そゆのを読者側
       の前提知識とか理解とかにしてるから、あの文字数に圧縮できるわけで、それをワビサビとか言い換
       えちゃったりするわけじゃない。(※5
U・B  >え〜、それホント?
空虹桜>そゆツッコミされるとうんともすんとも言えないんだけど、たださ、外人が理解できないみたいな言い方
       したりするじゃない。もっと言っちゃうと日本的でいいんだけど、そゆのって、つまり日本固有の知識なり経験
       なりが前提だってことじゃん。そうそう、アンタが良く言うのでいくと、所詮日本の音楽シーンは演
       歌に過ぎないっていう。
U・B  >ハイハイハイ
空虹桜>無茶苦茶食いつきいいなぁ・・・
U・B  >んと、そこは俺から説明しよう。つまり、湘南乃風が「純恋歌」とかホザいてるのは、浪花節だよ女の人
       生はと五十歩百歩なんですよ。
空虹桜>むしろ、そっちのがホント?つか、誰だっけ?その唄。
U・B  >真狩の星細川たかし
空虹桜>もう既に元々話そうとしてたのが脱線しまくりなんですけど・・・
U・B  >しゃーない。脱線こそが真の目的なコンテンツだし。
空虹桜>開き直るか・・・
U・B  >なら、戻せるなら話戻してくれてイイよ。
空虹桜>またハードル高い・・・
U・B  >もうチョイ言うとたとえばみんな大好きな1分半の名曲であるところの真心ブラザーズ「どか〜ん」な
       んてのは100%超短編だと思うんだけど。
空虹桜>そこ来たか・・・
U・B  >起承転結きっちり納まってるし、なにが言いたい曲かもわかるじゃん。
空虹桜>たしかにそうだけど、「どか〜ん」だって、結局なにが「どか〜ん」なのかわかんないじゃん。
U・B  >そりゃもうホームラン。(※6
空虹桜>絶対それ最近の若い子には通じないから。
U・B  >何故通じる必要があるのかと。
空虹桜>開き直っていい話じゃないと思うんだけど。
U・B  >同じよなので行くとさ、とり・みきが昔TV Bros.で書いてたセリフ無しのマンガ(※7)はどうなの?とか圧縮新聞
       たいのも、モノによっては超短編じゃね?とか思うわけだ。
空虹桜>それはそうなんだけど、だからこそアタシは超短編だけど超短篇じゃないって言い訳を用意してる
       わけだよ。界隈の人たちにとっては不要な話なんだけど、そこを切り分けて話さないと、なんだかわかんないんだ
       よね。バックトラックなりタイトルなりがあって、ミュージシャンなりなんなりのストーリィがあるから、省略して、圧縮
       しても伝わる。真面目な話でいくと「エンコーディング/デコーディングモデル」(※8)とか出てくるんだけど、
U・B  >すみません。おちこぼれていいですか?
空虹桜>ちょっと待って。最後の方で急激に一般化するから。新聞記事だって超短編とか言うけど、それ
       はたしかにそうなんだけど、でも、500文字以下だからって超短編じゃないって片方で言っ
       て、片方で新聞記事云々言ったら、わけわかんないじゃん。基準が感覚的すぎて。ただ、それをちゃん
       と「エンコーディング/デコーディングモデル」の話で理解するなら、「交渉的な読み方」とかになるわけじゃん。
U・B  >いや「じゃん」とか言われてもわかんないし。
空虹桜>「うん」って言っとけ。「うん」って。えっとだから、スチャダラとか電気グルーヴとか(※9)がJ-POP棚に置
       かれるわけじゃない。
U・B  >えっと・・・それはなにの説明?
空虹桜>「交渉的な読み方」
U・B  >だけど、ホントは片やラップだし、片やテクノだと?
空虹桜>うん。そのJ-POP棚に置かれるのをギャグにしたのがこないだ出た電気のアルバムだって話はまた置いといて、
U・B  >むしろ、その話のがしたいね。俺的には。
空虹桜>需要的にはそっちのがありそうだしね。って、そうじゃなく、そのJ-POPには反発したくなるのに、アンタはソウル
       セット(※10)がパンクだとか言ったりするわけじゃん。
U・B  >うん?そっちに話が行くの?
空虹桜>そうなの。そっちに話が行くの。もちろん、カテゴリってのがあくまでも仕分けして整理す
       るための方便にすぎないって思想をアタシは前提にしてしゃべっているという留保が付くんだけど、んで
       もって、その前提を踏まえれば作者がカテゴリを前もって意識するのって滑稽だというの
       も押さえた上で言うんだけど、
U・B  >押さえるとこ多いなぁ。
空虹桜>このタイミングでそのチャチャ?(※11
U・B  >長台詞になりそうだったから。
空虹桜>そこに気を遣われてもなぁ・・・
U・B  >いいから話し続けてください。
空虹桜>チッ・・・えーと、超短篇として読めるかどうかっていうのはこの「交渉的な読み
       方」ができるかどうかにかかってくるわけね。超短編は作者のモノかもしれないけれど、
       短篇は読者のモノだっていう
U・B  >でもさぁあ、俺はロック論争みたいのしか引き合いに出せないから申し訳ないけど、ミュージシャンやバンド側が
       ロックだとして出しても、ポップとしてしか扱われないっていう齟齬があるわけじゃん。ミュージシャンやバン
       ド側には。
空虹桜>だから?そんなのあったり前の話じゃない。
U・B  >ん?切り返しの意味がわからん。
空虹桜>齟齬があろうが無かろうか、作り手は自分の道を行くしかないんだから、そんなもんで突っかか
       ってる余裕は無いんだよ。そもそも、そこでグダグダ言う時点でロックじゃないでしょ?
U・B  >おお、なんかカッコいい発言。
空虹桜>なんてチャチャ。(※12
U・B  >とりあえずもういい加減締めたいんですけど、結局今回なにが言いたかったの?
空虹桜>なにがって・・・言いたいことに至る前にアンタが混ぜっ返すから・・・(※13


※1 仕事的ななにか。あまり深く訊くな。
※2 お暇な人はクロスフェーダでこんな話してたりするので図とともにご覧頂ければ。
※3 宮台真司:首都大学東京教授。ウチのサイト内でよく名前が出てくるのは、なんだかんだでウチがサブカルサイトだからよねん。
※4 タカスギさん:「おヒゲの人」ことタカスギシンタロのこと。遅ればせながら、お年賀状ありがとうございました(by 空虹
※5 だから、できるだけ説明せず前提や共有知識を信じて書いた方が超短編っぽくはなる(by 空虹
※6 ニュースステーションがあった頃。長嶋三奈がまだ局アナだった頃。23時頃。遠い遠い昔のお話です。
※7 とり・みき:路上観察学会会員(笑)漫画家。本文に出てきたのは「遠くへいきたい」のこと。完全版コミックス出ませんか?
※8 エンコーディング/デコーディングモデル:スチュアート・ホール(1980)による、メディアとオーディエンスの関係についての理論モデル。気になる人は読んでみるといいよ。アタシは読んでないけど(をい)メディアとオーディエンスの関係についての
※9 スチャダラ:スチャダラパー 電気グルーヴ:電気グルーヴ(説明になってないよ)(いい加減、ここの説明はしなくてもよくね?)(なら注釈付けるな!)
※10 ソウルセット:TOKYO No.1 SOUL SETのこと。空虹さんのツッコミはこちらを参照のこと。
※11 チャチャ:久々にこの注釈付ける気がする。と、いつも書いてる気すらする。無論、赤ずきんのことではない。このネタ、もうわかんないんだろうなぁ。
※12 チャチャ:しかも2連発で付けるとは!もちろん、勝俣州和が所属していたアイドルグループのことでもない。
※13 空虹桜63行(!)U・B41行で、そりゃの勝ち。つか、アルバムレヴュでもないのに、なにを二人合わせて100行以上も喋ってるのかと。以下、空虹さんがなんかあるらしいので丸投げ。
空虹注 いちおー、「あの話」は何度か聞き直した上で喋ってますので。というのと、ヘタな人よりはU・Bさんは超短編を読んでいる人だという事実(たとえば、こゆ遊びを過去にしていたりする)をご理解していただければ幸いです。あと、ホントはなら、どうやって超短編から逸脱しようか?という話がしたいので、続きます。


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