U・B >Amazon(※1)では初回版のタイトルがROCK IS HARMOになってることで有名(※2)アナログフィッシュ(※3)のメジャ2ndアルバ
ム「ROCK IS HARMONY」の前編です。
空虹桜>凄い紹介だけど、そんなタイトル誤りとかって。ある種の営業妨害だよね?
U・B >ちゃんと検索すれば出てくるんですけど、何故か初回版だけAmazon在庫あったりするあたり、営業妨害は成功してるみたい
のがなんともね。
空虹桜>ここがちゃんとしていれば、今頃まだメジャにいたかもしれない。(※4)
U・B >それは無い。それは無いんだよ・・・
空虹桜>そこは乗ってこないんだ。
U・B >現実見えてるつもりですから。
空虹桜>もうちょっと悪ノリしてこないとなぁ・・・それはともかく、1曲目が「Living in the City」
U・B >世界の比喩として街を唄う下岡が、ストレートに街を唄うんだなぁっていうのが、今にして聴くとあるんだけど、初めて聴いたのが実
はRSRでして、そん時はよくわかんなかったんだよね。正直。(※5)
空虹桜>アレだ。初対面の時の印象は最悪だったけど、そこから徐々に印象良くなってて、結婚するパターンだ。
U・B >まぁ、落ち着け。
空虹桜>はぁ。
U・B >大切な物は そんなにないよ 片手できっと 足りるだろうな(※6)なんて歌詞に、今はたまらなくグッと来たりもす
るのだけれど、眠い時はなに聴いてもダメと、しみじみ思い返しますよ。ホント。
空虹桜>切実だね。
U・B >今年のARABAKI(※7)もそうだったけど、切実ですね。まったく。
空虹桜>さて、2曲目は「Magic」
U・B >5曲目の「アンセム」と合わせ鏡の曲だから、あわせて聴く必要があるんだけど、なにより小っちゃな頃に間違った魔法に
かかった(※8)って、完璧なフレーズだと思うんですよ。
空虹桜>また、大きく出ましたね。
U・B >空虹さんもそうだけど、結局なんかをずっとやっちゃってる人たちは、一通り小っちゃな頃に間違った魔法にかかったんで
すよ。そうじゃなかったら、こんな間違った道を選ばないじゃないですか。
空虹桜>人の生き様間違ってるとか言うな!
U・B >じゃあ、間違ってない自身があるとでも?
空虹桜>あるわけないじゃん。
U・B >また強気な回答で。ここまで2曲が下岡曲で、次の3曲目からが健太郎曲になる(※9)んだけど、「世界のエンドロール」
空虹桜>まったくディストピア感の無いエンドロールっていう、
U・B >ハハハ。まぁ、たしかにそうですわな。Fuck offとセツナが同居してるっていう、珍しい歌詞世界でもあります。
空虹桜>たしかに。
U・B >この曲抜けが良くて好きなんだけど、Wikipedia見たら「レコーディングの時点で誰も譜面におこせず、ほぼ勘だ
けで録音していった」とか書いてんッスよ。
空虹桜>ほう。生音だと珍しいね。
U・B >どうやってライヴやるつもりだったのか?って話ですけど、そんな曲に抜けの良さを感じるあたりが、自分の病みっぷりに自覚
症状をもたらすわけですよ。
空虹桜>4曲目は「ガールフレンド」
U・B >この7年後に「Good bye Girlfriend」(※10)って唄う人がこの時なんて唄ってたかと思ったら今夜もこの世界中ナナメに見
渡すフリをして 本当は僕の前で笑う君に見とれたのです(※11)ですからね。
空虹桜>もう目を合わせるのが怖くて仕方がないっていう。
U・B >勝手に愛情高まっちゃってますからね。もう大好物ですよ。こゆ情けない男歌は。(※12)
空虹桜>久々に聞いたわ。そのフレーズ。そして、5曲目が「アンセム」
U・B >この健太郎が書いた「アンセム」に対抗して、下岡が作ったのが「Magic」らしい。
空虹桜>だからどちらも「唄う」ことに捧げた曲になっているっていう。
U・B >この関係性はやっぱり作詞家が二人いるバンドだから出来る技なんだけど、サビがつまらない世界に 退屈
な午後 変えてみたくなって ギターを手にして 歌いだすのさ つたえたい事は空にあって 両
手広げて キャッチするが 迷いながらいつも 迷いながら 僕の体を駆け巡った 世界を彩るメ
ッセージを 探してるよいつも 探してるよいつも(※13)ですからね。
空虹桜>せっかく両手広げてキャッチしたのに、迷う。
U・B >迷う。
空虹桜>迷うんだよねぇ・・・なんで迷うんだろうね。もちろん、一気にズバって書けちゃったりはするんだけど、それが正解だってわかってるんだけど、
書いたそばから修正しちゃったり。
U・B >天才じゃ無いからなんッスかねぇ。
空虹桜>でも、その迷いも含めての初期衝動っていう。
U・B >ええ。だから、絶対にこのバンドは裏切らないってわかっちゃうじゃないですか。なにげにアレですよ。持ってるアルバ
ムの中で2番目に良く聴いてるアルバムですからね。(※14)
空虹桜>それがスゴいのかどうかよくわかんないんだけど、まぁ、それだけ好きですと。
U・B >ちなみに、ジャケット絵はシャシャミンね。(※15)
空虹桜>えっ?あっ、そっか。どっかで見たことある絵だと思ったら、シャシャミンか。
U・B >スチャダラ関係でも無いのに、不意にシャシャミンの絵とか見たらビックリするじゃないですか。この時の俺のビックリぐらいはいかほど
のものか。
空虹桜>NO NEW YORK!(※16)
U・B >そのボケわかりにくいです。前編、最後の6曲目は下岡曲に戻って「SIM CITY」
空虹桜>まさかの版権ソング。
U・B >歌詞カードにちゃんとコピーライト入ってるっていうね。
空虹桜>そのわりには、スゴい閉塞感溢れているっていう。
U・B >さっき「世界の比喩として街を唄う」って言ったけど、その人が、街を作るっていうことを唄うとこうなるってことはですな、
空虹桜>世界に対する不満というか、憤りというか?
U・B >そこまで具体的な言葉じゃないと思うんですよ。今だったらもうちょっと言語化されてると思うけど。
空虹桜>あーでもないこーでもないって 僕は街を作る 僕の街を作る(※17)とかってところは、たしかに言語化しきれ
てない感じもするけど。
U・B >むしろ、そのあと最後にImageのcity Imagine the city(※18)って、連呼するじゃないですか。
空虹桜>するね。
U・B >そこのフィットアンドギャップを必死で計ってる曲だと思うんですよ。
空虹桜>ああ。なるほど。
U・B >そゆ過程って、実はなかなか表現しにくくて、プロなんだから出来上がりを提示しろ!っていうのは、一見正しいんだけ
ど、そゆ人に限って小学生のテストとかで過程を大事にしろとか言っちゃう人だと思うんです。
空虹桜>ハハハ。たしかに。言いそうだねぇ。そゆこと平気で。自己矛盾だとは思い至らない。
U・B >その想い至らなさは愛おしくもあるんだけど、じゃあ、この曲はそんな愛おしさな曲だと思うんですよ。だって君んちが近
いと嬉しい(※19)んですよ、ホントね、どれだけ君んちが近いと嬉しいことか。
空虹桜>切実だねぇ。
U・B >切実ですよ。ホント。
空虹桜>そんな切実さも垣間見えたところで、本編終了ということで。
U・B >しつこく言うけど、このアルバムがこんなにも「街」を唄ってるってのは、そんだけ下岡晃という人が世界との距離感を計り
あぐねていたからだし、だからこそ、今さらプロテストソングとか呼んでんじゃねぇよ!(※20)
※1 Amazon:世界最大のネット小売り販売店。当然脳内ではあんな感じで叫びつつ。
※2 そんなわけでAmazonへのリンクを。
※3 アナログフィッシュ:1999年に結成の下北系ギターロックバンド。長野県下伊那郡喬木村出身の下岡晃(Gt&Vo)と佐々木健太郎(Ba&Vo)に斉藤州一郎(Dr)を加えた3ピースバンド。
※4 メジャ:ここでは「エピックレコードジャパン」を指しているのです。「田代まさしのプリンセスがいっぱい」を発売していたエピック・・・
※5 RSR:U・Bのためのロックフェスティバルこと、RISING SUN ROCK FESTIVALの略称。2006年はホント眠たかったんだなぁ・・・
※6 拡大部は歌詞より引用。
※7 ARABAKI:U・Bが毎年行ってる東北最大のロックフェスティバル。だって、ARABAKI楽しいんだもん。
※8 直前の拡大部は歌詞より引用。
※9 下岡:※1のとおり、アナログフィッシュのギター&ヴォーカル。夏でもニットキャップを被ってる人。健太郎:※1のとおり、アナログフィッシュのベース&ヴォーカル。太ったり痩せたりする人。
※10 Good bye Girlfriend:2013/3/6に発売された「NEWCLEAR」に収録された曲。PVは健太郎が夜の街を歩くだけ(苦笑)
※11 拡大部は歌詞より引用。
※12 情けない男歌:U・Bの提唱する概念。だって、情けない男ですもの。
※13 拡大部は歌詞より引用。
※14 一番聴いてるのはNathalie Wiseの「raise hands high」なのです。U・Bにとって最強の眠りソング。
※15 シャシャミン:a.k.a サザ波先生 a.k.a 佐波圭一。スチャダラパーのDJスヰンギン・シンコと高校の同級生。
※16 NO NEW YORK!:BOΦWYの曲。2012年の野音でシャシャミンが唄った・・・
※17 拡大部は歌詞より引用。
※18 拡大部は歌詞より引用。
※19 拡大部は歌詞より引用。
※20 空虹35行。U・B50行で、俺の負け。喋ったとは思ってたけど、ホントに喋ってた・・・