U・B>ちょうどNEWアルバム「Almost A Rainbow」が発売されたばかりのアナログフィッシュ(※1)の内では7th扱い
で、Wikipediaでは9thなアルバム「NEWCLEAR」(CD / MP3)を語る後編です。しかも、これ喋り終わったらアナログフ
ィッシュのライヴです。10/10はアナログフィッシュの日です。(※2)
空虹桜>いらない情報多いなぁ。
U・B>大事な情報です!無意識だけど、今年、倒れまくった(※3)せいか、今年はホールで見るライヴが多いです。
空虹桜>病弱アピールはともかく、7曲目は「I say」で、サビのキャッチィさがすべてのような曲。
U・B>愛されたいより愛せ I say ただ I say ただ愛せ(※4)ですからね。
空虹桜>べったべたなフローだよね。
U・B>B-BOY(※5)だったら選択しないような。
空虹桜>この曲の場合、コーラスメインな感じだから、許されてる気はする。
U・B>もともと、ハーモニィ推しでしたからね。(※6)
空虹桜>あとは、自分で自分に命令形で言えっていうよくわかんない矛盾ね。
U・B>無理に日本語訳しないでください。
空虹桜>8曲目が「STAR」で、名前とあってるといえば会ってるけど、突然キラキラした曲になる。
U・B>そのくせ、歌詞に聞こえてくるシュプレヒコールが 僕を歩かせようとしたけど あの夜
僕を閉じ込めたのは 同じ声だった気がしていた(※7)とか、重たいフレーズが出てきますからね。
空虹桜>感覚としては真っ当に聞こえるけどね。だいたいさ、声高に叫ばなきゃいけないことって、だいたい胡散
臭いんだよね。
U・B>唐突になにを極論。
空虹桜>要は押しつけられるぐらいなら逃げろってことで。
U・B>どこがどう「要は」なのかよくわかんないですけど。つか、今の当方としましては、たいそう人生流されたいんで
すが。(※8)
空虹桜>そのまま海まで行ってしまえ。
U・B>ヤだ。それはともかく、この曲のミソはやっぱり世界の終わりで立ち尽くして
それでも言葉を探して
いた 示されたルートに背を向けて 夜を越えこの足で荒野へ(※9)で、下岡晃(※10)が先鞭
を付けたこうやってフレーズをキィに使ってることですよ。つまり、健太郎からのアンサーソン
グ。(※11)
空虹桜>なんか、前にも似たようなことが合った気がするけど、そゆメインヴォーカル二人の関係性が、このバンドを生き伸ば
してる感じはする。
U・B>「アンセム」と「Magic」の関係ですな。(※12)真っ当にコールアンドレスポンスがある感じというかね。
空虹桜>ライヴァル関係というかね。9曲目がよく出てくるフレーズであるところの「Watch Out(サーモスタットはい
かれてる)」
U・B>サーモスタットの初出は「TOWN」(※13)なんだけど、「TOWN」の時にはなにが壊れているのかよくわからないけど、な
んか壊れてるよね!っていいたかったのが、ようやく形が見えてきたってのがこの曲で、あっちの水は苦い
ぞ! こっちの水は甘いぞ! 正解が無いのは否定はしないけど 探しもしないで後悔
しないの?(※14)って、不意に「ほたるこい」が引用されるんだけど、でも、その、ただ無責任に周りが言う感じに踊ら
されるのって、結局、自分が寒いと感じるか暑いと感じるかが、カレンダーの日付とか、周りの衣装に踊らされてるだけなのに似
てて、ちゃんと見てないと自分の感覚が狂わされるよ!って、ハッキリ言えるようになったっていう。
空虹桜>長々喋ったわりには、最後の一行ぐらいしか中身無かったね。
U・B>そのツッコミヒドいッス。駄話全否定。
空虹桜>結局のところ最後の何がしたい?(※15)がすべてなんだよね。この曲自身。
U・B>まぁね。んでもって、なにもしたくないですけどね!
空虹桜>残念で台無しだ。10曲目が「希望」で、もうこの曲は君の存在自体が希望だと思った(※16)がすべて。
U・B>そういう意味では、希望って自力ではないんですよね。
空虹桜>うん。あくまでも自分以外のなにかに縋ることで、でも、それは否定的な意味では使われない。なぜなら、パンドラの箱に
すら残るものだから。
U・B>おおっ。作家っぽい。
空虹桜>希望って、人事を尽くして天命を待つ人にだけ訪れるものだしね。とか、たまには言ってみないと。
U・B>さて、空虹さんが決められたところで、最後の曲が「City of Symphony feat.やけのはら」(※17)
空虹桜>この曲のやけのはらはいいよねぇ。ホント。
U・B>ちょっと意味が多すぎるんだけど、「Rollin' Rollin'」(※18)よりこの曲のがやけのはらにとっての「今夜はブギー・バック」
(※19)だと思うんですけどね。俺は。
空虹桜>「Rollin'」はブギーバックっていうか、小沢健二だと思うだけどね。どちらにせよ、あの曲のやけのはらのライムも好きですよ。
アタシは。(※20)
U・B>たしかにオザケンっぽいか。でも、それってBABY OH BABY KEEP COMIN' BACK(※21)からの連想だったり
しない?
空虹桜>いや、結局、どっちの曲も都会の曲だと思うんだよね。そしてやっぱり都会性というか東京性は小沢健二が担ってるんだよ。
U・B>そりゃアナログの方は「City」とか言っちゃってますからね。
空虹桜>そっちもさ、出だしの街のLayer 風のLayer 僕のLayer 君のLayer 折り重なって生まれる
ストーリー 続きはどこに(※22)って、いかにもなフレーズなんだけど、Layerってセレクトが、それこそホーム
レスのおいちゃんから永田町の妖怪までを連想させるわけじゃない。街ってのが、人と人との交点であり、積
み重ねであるっていう。
U・B>温度感高めに発言されますね。
空虹桜>そう?あとね、アンタがブギーバックっぽいと思うのはどうせならば今 聞きたいのはこんな風 ビター
でスウィートな音楽(※23)からの連想だよね。
U・B>いかにも。とりあえず、好きでしょ?この曲。
空虹桜>まぁね。
U・B>2013年発売で、ちょうど温度感が微妙というか絶妙になった感じのアルバムだと思うんですよ。こ
れ。このあと2枚アルバムが出てるけど、下岡晃の温度感がフラットになりつつある中で、シレッと紛れ込む鋭さみた
いのがわかりやすいんじゃないかなぁと。(※24)
※1 アナログフィッシュ:1999年に結成の下北系ギターロックバンド。長野県下伊那郡喬木村出身の下岡晃(Gt&Vo)と佐々木健太郎(Ba&Vo)に斉藤州一郎(Dr)を加えた3ピースバンド。
※2 アナログフィッシュのライヴ:「town meeting 2015」の話。ライヴレポもあります。 10/10はアナログフィッシュの日:幼児語で魚が「とと」なので10/10はアナログフィッシュの日なんだって!
※3 今年、倒れまくった:2回ほど気を失った。おそらく熱射病。
※4 拡大部は歌詞より引用。
※5 B-BOY:Wikipediaによるとブレイクダンスを踊る男性のこと!
※6 ハーモニィ推し:「ROCK IS HARMONY」というアルバムがあってだな。
※7 拡大部は歌詞より引用。
※8 B'zだって「流れよう 流されよう この波に揺らされ(from「ZERO」)」って言ってたよ!
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 下岡晃:アナログフィッシュのギターヴォーカル。常にニット帽を被っていることで有名。
※11 健太郎:アナログフィッシュのベースヴォーカル佐々木健太郎のこと。ロン毛。
※12 「アンセム」と「Magic」の関係:健太郎が作った「アンセム」に対して、下岡が作ったアンサーソングが「Magic」
※13 TOWN:アナログフィッシュのアルバム「KISS」収録の5曲目。名曲。
※14 拡大部は歌詞より引用。
※15 拡大部は歌詞より引用。
※16 拡大部は歌詞より引用。
※17 やけのはら:横浜出身のラップ・ミュージシャン、DJ。俺の中では髭の人。
※18 Rollin' Rollin':2009年に七尾旅人×やけのはら名義でリリースした名曲。
※19 今夜はブギー・バック:ご存じ日本語ラップのアンセム。弊サイト的には、過去にクロスフェーダ駄話を第140回と第401回の計2回やってます。
※20 小沢健二:ご存じ「渋谷系の王子様」弊サイトでもオザケン話は何度も何度も行っております。
※21 拡大部は歌詞より引用。
※22 拡大部は歌詞より引用。
※23 拡大部は歌詞より引用。
※24 空虹31行。U・B39行で、俺の負け。まさかの話に最後の方なってますが、そゆ病を引きずってる人と話すと致し方ないわけですよ。