U・B>アナログフィッシュ(※1)の8th扱いで、Wikipediaでは10thなアルバム「最近のぼくら」(CD / MP3)を語る
後編です。この出だしは前回と同じですが、今回はライヴ見に行く直前にレヴュ(※2)なんで、ちょうど復習代
わりです。
空虹桜>今年も順調にライヴ日程を消化されているようで。
U・B>今のところ7月に見に行くライヴがないんですけど、8月までは毎月どっかでライヴ見てますね。ええ。
空虹桜>その内フェスって何本なんですか?
U・B>とりあえずチケット取りましたけど、「人間交差点」、今年も行きますか?(※3)
空虹桜>たぶん行く。
U・B>フジ行けば5本ですけど、フェス然としたフェスはARABAKIとRSRだけ(※4)なので、ちょっと多めってところじゃないッ
スかねぇ。いや、そんなことはどうでも良くて、後編最初の6曲目にして最大の名曲「公平なWorld」
空虹桜>セルフリメイク(※5)ですね。元ネタ何枚目だっけ?
U・B>2ndの「ROCK IS HARMONY」(MP3 / iTS)ッスな。彼の有名なシャシャミンが絵を描いてた。(※6)
空虹桜>ああ。ハイハイ。思い出した思い出した。
U・B>思い出してもらったところで曲の話に戻りますけど、この曲は、もともと名曲じゃないですか。
空虹桜>その躊躇いのなさ怖いわぁ。
U・B>歌詞はほぼ弄ってなくて、曲のアレンヂだけが変わってるんだけど、でも、このアレンヂは2014年というタイミング
にまさしくハマってるアレンヂで、下岡晃(※7)のメンタルに同調しつつも、この国に満ちてる空気というか、
深層水の対流に同調してる感じなんですよね。
空虹桜>わかりやすいところだと、目覚まし時計が鳴るところが爆発音になってる。
U・B>それでも起きないんですよね。
空虹桜>ああ。そうだろうね。ムチで打たれた馬 うまくやったヤツラ うまくやられた彼等 振り回
されたのはダレだ?(※8)だもんね。
U・B>ええ。で、このWorldは 公平なWorldかい? このWorldは 公平なWorldさ 公平な
Worldのバカ(※9)ですからね。
空虹桜>それ以上言うのは野暮だし、わかんないならもうしょうがないんだよね。
U・B>諦めたくないけど、諦めざるを得ないというか。じゃあ、僕らはどうするのか?って話だけど、そこで下岡が叫び続けるのはル
ールを守り続けなくちゃ(※10)なわけですよ。ルールを連呼するわけですよ。
空虹桜>そして、次の7曲目「Moments」ではその瞬間を永遠に(※11)と唱える。
U・B>PORIN(※12)のコーラスが無茶苦茶いいんですよね。これがまた。
空虹桜>なにを唐突に普通の発言。
U・B>ダメ出しされるんだ。
空虹桜>流れが違うでしょうに。
U・B>そゆこと気にしちゃいけないですよ。それはともかく、結局さ、メッセージ性の強い曲なんて届かないんです
よ。遠くに。すると、残るのって半径50cmみたいなことしかなかったりするわけですよ。
空虹桜>言っちゃった感あるね。それ。
U・B>だって、「プロテスト・ソング」三部作の最後のタイトルが「最近のぼくら」なわけじゃないですか。もちろん、それはアイ
ロニィであるのだけれど、それと同時に響かないことに対して、それでもなんとか見えようとする姿勢の
話なわけじゃないですか。
空虹桜>エモい話するのかしないのかハッキリしてくれないと、どゆアングルでツッコミ入れればいいのかわかん
ないから困る。
U・B>知らんがな。
空虹桜>8曲目が「Wednesday」で、ちょっと隙間曲感もあるけど、「Moments」で別れた二人の曲として続き物風に聴く
と、ホンノリとした切なさが漂うね。
U・B>アルバムを通し聴きする意義ッスよねぇ。そゆ、文脈を無理矢理読み取るのって。
空虹桜>っていうかね、論文じゃないんだから、創作物なんて無理矢理文脈見出してナンボなわけじゃん。その無理矢
理な文脈を面白がるのが評論だったりするわけだし。作者の意図とか滅びればいいのにね。
U・B>なにをいきなり物書きとは思えない発言を。
空虹桜>ちょっとU・Bさんのエモさに触発されてみました。とりあえず、水曜日は休みたいってところで、9曲目「不安の彫
刻」で、ズバリジャケ写?
U・B>カモですね。この時オブジェの展示とかやってたんだけど、あんま気にしてなかったんで、設定覚えてないんッスよねぇ・・・い
ちお、グラフィックデザイナーの井口弘史(※13)が担当してます。
空虹桜>ふぅん。まずさ、第一声から女性ヴォーカルとハモっててビックリした。この曲。
U・B>クレジットにはOとしか書いてないので、誰だか今ひとつわかってないんですけどね。
空虹桜>今回のアルバムがバンドメンバ以外で、しかも女性コーラスってのが、ミソというか、さっきの話じゃないけど、空気感だなぁ
っていう。
U・B>当時のインタヴュでもその辺の話はいろいろしてましたからね。で、この曲なんですけど、美しすぎて見とれてしま
う どこか儚くひんやりとして 「こんな所にも窪みがある」なんて 触ってるうちに
夢中になっていく(※14)なんて凄い歌詞がシレッと出てきて終わるんですよ。
空虹桜>ああ。窪みはそうだね。なんか、よくわかんないけどわかる。
U・B>それこそ、顔とか撫でてる時に、そゆ瞬間があるんですよね。
空虹桜>なんか無理して雰囲気ありげな発言しなくてもいいんですよ。
U・B>なんつー読解しますかね?
空虹桜>そして、10曲目に「Tonight」
U・B>健太郎(※15)の声で世界観が一気に変わる。
空虹桜>場面転換っていうか、空気の入れ換えが簡単に確実にできるバンドだよね。やっぱり。
U・B>ウマいこと言いますね。
空虹桜>そうか?
U・B>いや、このアルバム全体として、ここで健太郎を入れて、最後に「Recivers」じゃないですか。なんかね、今回久々に聴
き返してて、凄いこの曲いい曲だなぁと思っちゃって。その一端は、直前に健太郎が空気入れ換えてた
からなのかもなぁっていう。
空虹桜>はぁ。
U・B>Sail Out Receivers(※16)って、結局、今回話の中でちょいちょい出てきてるけど、アナログフィッシュと
いうバンドの帆は空気感みたいなモノを受けて走るよって話じゃないですか。
空虹桜>はいはい。なかなか大胆な解釈だけど良い事も嫌な事もありそうだ なんだか良い事も嫌な事もあ
りそうだね これから良い事も嫌な事もありそうさ 良い事も嫌な事もありそうだ
(※17)しね。
U・B>風が吹いたら凪ぐこともあるし、嵐のあとにかんかん照りだってある。
空虹桜>もしくは、そう信じている。
U・B>実際、最後直前の歌詞は日々が湛える哀しみの 上を吹き抜ける喜びを 受けて走らせるヨッ
トのように 暮らしていたいね 暮らしていたいね(※18)ですからね。
空虹桜>なんとか小さな喜びだけでも受けて走れと。
U・B>矮小になれって話じゃなくて、あくまでも最近のぼくらはそんな感じなんだけど、じゃあ、君はどうだい?ってアルバ
ムだから、日々の生活の中に流す中で、ちょっと立ち止まって考えてみてもいいんじゃないの?って
いうアルバムなんだと思ってて、それはとてもプロテスト的なんじゃないかなぁっていうアルバムなんで
す。(※19)
※1 アナログフィッシュ:1999年に結成の下北系ギターロックバンド。長野県下伊那郡喬木村出身の下岡晃(Gt&Vo)と佐々木健太郎(Ba&Vo)に斉藤州一郎(Dr)を加えた3ピースバンド。
※2 ライヴ見に行く直前にレヴュ:毎年2月は新代田FEVERでアナログフィッシュワンマン「KYOTO TO TOKYO」が開催されるので、この3・4年通っている。
※3 人間交差点:日本を代表するHipHopユニットRHYMESTERが主催する野外フェス。初回のライヴレポも公開中。
※4 フジ:日本を代表する野外フェスFUJI ROCK FESTIVALのこと。 ARABAKI:春&東北で最大のロックフェスティバルARABAKI ROCK FEST.のこと。 RSR:U・BのためのロックフェスRISING SUN ROCK FESTIVALのこと。
※5 セルフリメイク:自分の曲を自分で作り直すこと。
※6 ROCK IS HARMONY:本文では2ndと語ってるけど、正確にはアナログフィッシュのメジャ2ndアルバム。レヴュは第697回と第705回 シャシャミン:スチャダラパーのお友達こと、佐波圭一(別名:サザ波先生)のこと。ODDJOB inc所属。
※7 下岡晃:※1記載の通り、アナログフィッシュのギターヴォーカルのこと。
※8 拡大部は歌詞より引用。
※9 拡大部は歌詞より引用。
※10 拡大部は歌詞より引用。
※11 拡大部は歌詞より引用。
※12 PORIN:Awesome City Clubのヴォーカルの人土志田美帆のこと。TwitterのアカウントがDOSHIDAMIPORIなので、PORINの模様。
※13 井口弘史:1973年愛知県出身のアーティスト。CD、書籍、アパレル関連のグラフィック製作等を中心に活動中。
※14 拡大部は歌詞より引用。
※15 健太郎:※1記載の通り、アナログフィッシュのベースヴォーカル。ロン毛。
※16 拡大部は歌詞より引用。
※17 拡大部は歌詞より引用。
※18 拡大部は歌詞より引用。
※19 空虹36行。U・B48行で、もちろん、俺の負け。アナログフィッシュがちゃんと追いついたら、戻ってイナ戦やりますよ。お待ちあれ。