その3「So kakkoii 宇宙」

本文中のリンク先には、アフィリエイトを含むことがあります。ほぼお金になってないですけど。

空虹桜> 望むと望まざると、喋らざるを得ないわけですよね。

U・B> ええ。諦めてください。

空虹桜> アルバムレヴュが、アタシばっかなんだよね。

U・B> 厭なんですか?むしろ、喜ばしいじゃないですか。長く待った甲斐があるアルバム(※1)が続いてるわけですから。

空虹桜> まぁ、そりゃそうなんだけど・・・とりもかく、仕方が無いのでやります。5thアルバム「Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学」(Amazon)から数えて13年ぶりのオリジナル6thアルバム「So kakkoii 宇宙」(Amazon / iTS)を喋ります。

U・B> ちゃんと進行した。そんなわけで、1曲目にしてリード曲(※2)の「彗星」

空虹桜> まずそもそもさ、このアルバムタイトルがすでにムカつくんだけどさ、この曲のMV(※3)最初に見るじゃない。

U・B> まぁ、見ますよね。

空虹桜> 素で、凛音可愛い!(※4)って、やっぱ思っちゃうんだよね。悔しいことに。

U・B> 珍しく素直な発言。

空虹桜> 生まれ変わったらリーリー(※5)になって、素直に育ったハズがオーバードーズで死んで(※6)、いろいろ裏切りたい。

U・B> なんつー妄想だ。

空虹桜> でさ、Twitter見たら、なんか、アルバムタイトルもリーリーが由来とか書いてて(※7)、ムカツクのに「じゃあ、仕方ないな」とか思っちゃったりすんだよね。もうさ、どんだけ遊ばれてるというか、転がされてるというか。

U・B> 向こうからすると、一緒に遊んでる気分だと思いますけど。

空虹桜> ね。ムカツクじゃん。そもそも、CDジャケがムカツクでしょ?リーリーは可愛いけど。

U・B> 落ち着け。たしかに、準急(※8)を初期に見ていた女の子も似たようなこと呟いてたけど(※9

空虹桜> 銀とピンクとか、彩色の問題じゃなくて、単純に扱いにくい。フXXXンお洒落。

U・B> 黙れ。

空虹桜> 結局、渋谷系が一番抜けてないというか、現在進行形で渋谷系をやってるんだよ。あの人。たとえば、真貴ちゃん(※10)が渋谷系のミューズとして渋谷系を唄うのと、小沢健二が2019年にアルバムを出したのは文脈が異なる。

U・B> なんだか凄いところから議論を始めてる感じはありますけど。

空虹桜> まずさ、出だしからして2019年発表の楽曲なのに「2020年」から唄い出す神経ね。

U・B> そこはね。たぶん、1万人以上の人々が、聞いた瞬間ツッコんでるとは思いますよ。

空虹桜> ある一側面において、小沢健二という人は「今しか唄えていない」って事実はあると思うんだよね。それが、結果的に普遍性を持ってしまっていたのが90年代の楽曲群で、その延長線上の筆頭がこの「彗星」

U・B> たしかに、「Eclectic」や「毎日の環境学」を作った人の延長線上では無い感じ(※11)が今回のアルバムにはあるますよね。

空虹桜> うん。ちょっとその辺の言及は後の曲でしたいから、ここでは詳しく触れないけど、次の小節で触れられてる「95年」って、「Life」でも「球体の奏でる音楽」でもなく、「5th WHEEL 2 the COACH」が出た年なんだよね(※12

U・B> ああ。自分のディスコグラフィではないんだ。

空虹桜> うん。「SONGS」で1995が指してるのあいみょんだってわかった(※13)んだけど、でもさ、これはアタシのことでもあるんだよ。なにせ初めて買ったアルバムが「5th WHEEL 2 the COACH」なんだから。

U・B> ああ。完全に痛い人だ。

空虹桜> ねぇ。ヤだよ。なんでこんな妄想しなきゃいけないのさね。巫山戯んなよ。真実は勝利なんてしないし、勝者だけが真実を作れるんだよ。トランプが大統領やってる間(※14)は、どんな妄言も真実なんだよ。どんなに悔しくても。だから「2000年代を嘘が覆い イメージの偽装が横行する みんな一緒に騙されてる 笑」(※15)のハズなんだけど、たった数行の歌詞の中で自己矛盾していることにスルーするんだよ。

U・B> スゲェ解釈。

空虹桜> 「SONGS」で言えばさ、iPad Pro使ってたんだけど、アレもさ、老眼だよ。もう老害枠なわけじゃん。だから、バカリズムと話してた時(※16)だったか、「SONGS」だったか忘れちゃったけど、自分が20代の時に遊んでくれてた先輩のポジションでやりたいみたいなこと行ってて、実際、この曲の歌詞が「自分の影法師を踏むように 当たり前のことを 空を横切る彗星のように見てる」(※17)だったりして、お前なんだよ!火の鳥かよ!!(※18)みたいな気分になった。

U・B> たしかに神の視点ですよね。ただ、「彗星」ってことは、近い将来またいなくなるって予告でもある。

空虹桜> ああ。そだね。でも、リーリー日本の学校に入ったんだよ。たぶん、八王子。

U・B> ん?あっ!そっか。車事故ってたの八王子だ(※19)って、1曲目からだいぶ話すぎですけど、個人的には、この曲、行頭の「あ」を唄う時に石川さゆりバリのコブシが入るの聴いて、「シッカショ節」がここに生きた!(※20)思いましたよ。

空虹桜> ハハハ。なるほど。この曲、他にもあるんだけど、とりあえず、ファルセットに逃げなかった(※21)ことだけは評価していて、ライヴの本数増えてる効果があったとは思う。

U・B> では、ようやく2曲目で「流動体について」で、この曲は、過去のライヴレポでも何度か言及はしてる(※22)んですけど、なにか言い足したいことってありますか?

空虹桜> ホント曲頭のヴァイオリンの「キタコレ!」感がハンパないんだよね。アルバムだと2曲目だけど、こっから本編感が凄い。

U・B> いい加減気になるんだけど、「カルピス」って登録商標(※23)だけど、歌詞カードにその手の言及ないじゃないですか。大丈夫なん?

空虹桜> 知らないよ。実はアレなんじゃない。実は大株主とかだったりするんじゃないの。

U・B> ヤだ。エロい。

空虹桜> ともかくさ、アルバムの曲順は逆だけど、流動体で「間違い」と否定してシングル復帰したクセに、アルバムのリード曲は過去の全肯定だからね。どんだけ自己矛盾抱え込むんだよ!

U・B> でもさ、それは結局「神の手の中にあるのなら その時々にできることは 宇宙の中で良いことを決意するくらい」(※24)ってことで帳尻っていうか、説明にしちゃうわけでしょ。

空虹桜> うん。たぶんね。でも、それはちょっと狡いよね。悪い男の典型みたいな、突き放したり近づいたり。

U・B> 言い方。

空虹桜> 最新の言い訳がさ、AERA(※25)だったかに出てたけど、「流動体」はアメリカで作った曲で、「彗星」は日本で作った曲 だっていうんだけど、「流動体」はライヴ活動再開してから結構経った2017年の曲(※26)なんで、言い訳にしても拙いじゃない。

U・B> オザケンを拙いと切り捨てた。

空虹桜> いや、すくなくとも、唄は拙いでしょ。高音出ないからファルセットに逃げるけど、ファルセットすら出てないっていう。その駄目な典型が3曲目の「フクロウの声が聞こえる(魔法的オリジナル)」で、シングルだとSEKAI NO OWARIに頼れた(※27)んだけど、今回のオリジナルだと誤魔化しが効いてないっていう。

U・B> 全否定。「彗星」の話を聞いてて気づいたけど、「導くよ! 宇宙の力 何も嘘はつかずに ありのままを与えてほしい」(※28)って、宇宙の力を導くのは誰かっていうと、ずっと凛音と天縫(※29)だと思ってたんだけど、これ、オザケン自身の祈りだよね。

空虹桜> そうそう。そもそも「天を縫い合わす飛行機 その翼の美しさを」(※30)のところで、この曲は天縫のための曲なんだけど、父親の業が前面に出てて、そこに照れも躊躇いもないのが怖い。

U・B> 業。さて、4曲目は「失敗がいっぱい」で、この流れで言うと「誤解はするもの されるもの どんどんと溝は深まるもの あるとき悲劇の幕が開くまで」(※31)って、空虹さんの意図的な誤読に捧げられる歌詞ですよね。

空虹桜> 誤読じゃないし。そもそも、作者は作品を世界に放った瞬間にいかなる評価も受け入れなきゃいけないものだから、「誤読」という概念は存在しないんだよ。それこそ、作者の我が儘というか傲慢に過ぎない。それよりも、その次の「涙に滅ぼされちゃいけない 毎日には なおす力がある 失敗のはじまりを反省する時も その力はくる 魂を救う」(※32)の方に意味があって、「魂を救う」は余計だけど、見事に子どものための曲になってる。

U・B> 「フクロウ」とこの曲と、あと最後の方に出てくる「シナモン」は、自分の子どもに捧げてる感ありますよね。

空虹桜> 言うても人の親。っていうね。今「シナモン」の話が出てきたから先に言っちゃうと、リーリーや天縫のための曲だけど、二人のためだけの曲では無いんだよ。二児の父だし、世界中の子どもに対する曲を意図しちゃってるから。それはなんだかんだで小沢健二という人の洞察力の深さでもあるんだけど、「笑えないを笑えるにする力があるから 踊れないを踊れるにするお酒もあるから 眠れないを眠らないにする月だって出るから 感じないを感じちゃうにする 音楽へようこそ!」(※33)っていう、プリミティヴさが強いのかなぁって気もする。

U・B> 言葉選んだなぁ・・・次、曲の流れがここでぶった切られてる感のある5曲目が「いちごが染まる」

空虹桜> 今回の楽曲の中で、この曲だけが著しく古いんだよね。

U・B> そうですね。2010年ですからね。

空虹桜> うん。だから、このアルバムの中では1曲だけ浮いているというか、この曲だけが「Eclectic」と地続きなんだよ。

U・B> 曲のトーンが明らかに違いますよね。他が2010年代のポップソングなアレンジなのに、これだけ歌詞も曲も観念的。

空虹桜> 観念的っていう意味では、小沢健二楽曲の歌詞は、どれも中途半端に観念的なんだけど、やっぱり、そのあとに子どもが産まれて全部変わったんだよね。

U・B> 婚姻よりも出産のが変わる。

空虹桜> 別に小沢健二が出産したわけじゃないけどね。んで、小沢君だからこそ、そのギャップが如実に出てるし、正直、このアルバムに「いちごが染まる」収録されると思ってなかったからビックリしたんだよ。ただ、このあとに来る曲が「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」

U・B> あっ、そうか。その2曲は過去の曲なんだ。

空虹桜> うん。「春の空気に虹をかけ」評でも喋ってる(※34)けど、歌詞に自分のペンネームが織り込まれてて二階堂ふみが読み上げてくれてるから(※35)だけじゃなく、偉ぶってないというか、1ヶ所だけ「きっと魔法のトンネルの先 君と僕の言葉を愛す人がいる 本当の心は 本当の心へと 届く」(※36)は上からなんだけど、二階堂ふみへの謝意だから見逃すとして、それ以外、単なる懐古と敬意と愛情だけが唄われてるんだよね。

U・B> 「見逃す」って、お前の方がどんだけ上からかと言う。

空虹桜> もっと言っちゃうと、打算が無いように聞こえるんだよ。それこそ、バカリズムとの対談的に言えば、考えしすぎてしまう小沢健二という人は、自分の作品がどのように大衆に受容されるか計算して作品を発表しているのだけど、この曲は岡崎京子に捧げてる分(※37)、他者の視線や評価を組み込んでいない。

U・B> はいはい。そゆ意味では、前も喋ってますけど、この曲の中で一番好きな吉沢亮(※38)が唄う「電話がかかってくる それはとてもとても長い夜 声にせずに歌う歌詞が振動する 僕は全身全霊で歌い続ける」(※39)の途中から入ってくるストリングスが、無茶苦茶優しいんですよ。柔らかいって言い換えてもいいかもしれないけど。

空虹桜> ああ。そだね。この曲だけが己の弱さを唄ってるもんね。

U・B> はいはい。そこで気になるのはやっぱり、この曲で登場する元カノは誰か?ですよね。ちはる(※40)だったら最高なんですけど。

空虹桜> えげつないこと言うなぁ。

U・B> ぎぎぎのでにろう(※41)と1曲やって欲しいんですけどね。LB界隈で唯一無比の二世じゃないですか。今のところ。

空虹桜> まぁね。アンタの下衆さはともかく、だから、アタシがどんなに「ブギーバック」や「ラブリー」が好きでも、小沢健二楽曲として史上最高の一曲を選ぶとしたら「アルペジオ」です。3:38って長さも絶妙。

U・B> 大絶賛の中、7曲目の「神秘的」もちょっと古くて、「東京の街が奏でる」(※42)が発表されてるから、この3曲だけ別パッケージって言って良いかも。

空虹桜> 「アルペジオ」自体は新しい曲だけども。

U・B> まぁね。ただ、この3曲が過去のオザケンと今のオザケンをつなげていて、それが全10曲構成を4-3-3で分けると、ちょうど中盤に配置されてるっていうね。

空虹桜> サカヲタらしい胡散臭い解釈(※43)だけど、まぁ、無闇に世界中うろちょろしたよアピールの曲だからね。

U・B> 酷いな。その解釈。

空虹桜> 「恒河沙永劫無限不可思議」よりも、この曲を「東京の街が奏でる」で初めに聴いた時思ったのは、「光あれ! あなたに咲きたまえ そう想う時 コネティカットの雪」(※44)って、結局、光を求めるんだな。この人は。っていう。

U・B> どっちかっていうと光側の人ですよね?オザケンって。

空虹桜> パブリックイメージは間違いなく「光」な人だけど、じゃあ、天然陽性か?って言われると、根暗なヲタクの本性が見え隠れするじゃない。

U・B> まぁ、フリッパーズの二人(※45)は、どちらもヲタクですからね。本性は。

空虹桜> Mステの風間俊介もバカリズムの池田エライザ(※46)もそうだけど、小沢健二を神聖視するのは、やっぱり嘘だというか、間違いだと思うんだよね。庵野秀明作品と同じ(※47)でさ、意味深に見せてるけど、自分の都合のいいことしか言ってないのに、無闇に説得力があることに価値がある人でしかないんだよ。

U・B> 凄い切り捨てた。

空虹桜> なのに、こんな喋っちゃうって、ホント惚れた弱みだと思うんだよね。

U・B> 惚気か!

空虹桜> 最悪だよ。ホント。悪い病。

U・B> じゃあ、その病が癒えないうちにラスト3曲で、8曲目は新曲の「高い塔」だけど、歌詞カードのタイトルは「高い塔とStardust」

空虹桜> この曲だけは、まだ今ひとつ消化しきれてなくて、今ひとつよくわかってないんだよね。

U・B> へぇ。とりあえず、東京タワーの曲かと思ったら、「ねずみ小僧が 住んでいたという橋のあたり」(※48)っていうんで、Wikipedia見たら元吉原あたりだから、スカイツリーの曲なんですよ(※49

空虹桜> ああ。だから「みちのく」なんだ。でも、上方って?ああ。そうか。日本橋だからか。

U・B> わざわざそんな言い換えする必要なくね?って思うんですけど、この曲のアレンジ、凄い昭和歌謡っぽいんですよ。ムード歌謡も結構近しいけど、ストリングスやホーンの入れ方も、なんかキャバレー感がある。

空虹桜> わかんない。わかんない。

U・B> まぁ、空虹さん、音楽の知識そんな無い人ですからね。

空虹桜> そりゃ、U・Bさんみたいに博学じゃないですから。

U・B> 嫌味な言い方される。それはともかく、この曲って、「東京最高!」って曲じゃないですか。

空虹桜> たぶんね。とりあえず、「行こう」って入る掛け声が、なんかイラッとする。

U・B> するな。ホントにファンかよ。

空虹桜> いったい、今までアタシがどれだけの時間と金を小沢健二の注ぎ込んでると?

U・B> 存じてます。結局、小沢健二の東京は「その色彩は 昭和平成をこえて より透明な 響きを放つ」(※50)ってように、昭和から平成への過渡期を指してるんだよなぁ。っていう。

空虹桜> もちろん、令和は始まったばかりで、そこで紡がれる東京のイメージはまだ未定だってのがあるとして。

U・B> ええ。きっと、そのイメージを紡ぐのはオザケンじゃないんだよね。

空虹桜> そこを見守ってるってポジションを取ろうとしてるからね。また引き合いに出すのは申し訳ないけど、真貴ちゃんはそこを受け止めようとするじゃない。そこがカッコいいなぁって思うんだよね。

U・B> はいはい。言わんとしてることはわかります。次、9曲目が「シナモン(都市と家庭)」で、この曲の度、あの変な踊りを思い出すんですけど、実際には忘れたから踊れません。

空虹桜> 変に回るんだよね。この曲。

U・B> 油断すると、エレベータの中で口ずさんでる時があって、ガチでヤヴァい人じゃないかっていう。

空虹桜> 「変身する」の「変」にイントネーションがあるから、変なんだよね。

U・B> 全然ウマいこと言えてないし。

空虹桜> しかもさ、「外国時間を計算しながら あなたにメッセージ送ってみるよ 友愛の修辞法は難しい 恋文よりも高等で」(※51)を聴くと、今度は鳩山由紀夫(※52)の顔思い出したりとかするじゃない。

U・B> ポッポのことは嫌いになっても、友愛のことは嫌いにならないでください!(※53

空虹桜> 絶対、この人、わかってて使ってるんだよ。「友愛」

U・B> でしょうね。

空虹桜> あと、これは完全に余談だけど、小沢健二のTwitter見てると、時々、森博嗣のブログ(※54)を読んでる時と似た感慨を抱くことがあって、頭のいい人が、異国から日本を醒めて見てる感じが似てるなぁっていう。

U・B> それはよくわからんけど、なんとか最後まで辿り着きました。10曲目が「薫る(労働と学業)」

空虹桜> なにかと括弧書きしたがるのもちょっとアレなんだけど、「どしゃぶりの雨の中で騒ごう フジロックみたいに 関係ないよ かっこ良くても 変でも どしゃぶりの雨がくれる 未来の森 もう少しで 何がちょうどかは 変わるから」(※55)って、我々、あの場にいたわけじゃない(※56

U・B> いましたとも。

空虹桜> 楽しかった?

U・B> 楽しくてしんどかった。

空虹桜> もうすこしでなにがちょうどかは変わる?つか、自分で喋って気づいたけど、なんだよ。この言い回し。

U・B> うん。改めて聞くと、なに言ってるかわからん。

空虹桜> 怖いわ。やっぱりこの人怖いわぁ。

U・B> アルバム全体の流れで言うと、この曲も自分たちの二人の子どものことを唄っていて、それと同時に、ミーム(※57)を継ぐ若い世代に捧げてる曲ですよね。

空虹桜> 「君が僕の歌を口ずさむ 僕はひそかに泣いちゃうんだよ」(※58)だからね。でも、それでいて「君が僕の歌を口ずさむ 約束するよ そばにいると」(※59)とも言う。

U・B> いなくなりますよね。絶対。この人。根っこが旅人だし。

空虹桜> うん。ただ、精神的にというか、背後霊的にというかでは、そばにいるって感じもある。

U・B> うわぁ・・・でも、憑かれたい人が万単位でいそう。

空虹桜> いるだろうねぇ・・・っていうか、もう憑いてるよ。

U・B> なんてホラー。

空虹桜> 「君が君の仕事をする時 偉大な宇宙が 薫る 嫌がられるほどの しつこさを ここぞって場面で見せつけてよ」(※60)ってさ、このレヴュも含めてだけど、結局、なにを言われても肯定するよ的な言い様だったりするじゃない。

U・B> 渋谷系当時のオザケンには無かった度量。

空虹桜> ザ・アラウンドフィフティー(※61

U・B> ある種の達観ですよね。

空虹桜> でも、達観を達観したよ!って宣言する幼稚さが、小沢健二らしいと言うか、大人げないというか。

U・B> だが、それがいい。って、ファンの人たちは言うんでしょ?

空虹桜> 言うんだろうね。

U・B> 個人的には、イントロの中村キタローらしいベース(※62)が最高です。ホント、キタローさんのベース最高。

空虹桜> あと、「生み出してゆく 笑う目と目が 形のない 新しいもの」(※63)って、いちお、まだまだ作品作るよアピールなんだけど、「東京の街が奏でる」だって録画してたんだから、あの人コンテンツだけは腐る程抱えてるんだよ。新しいの作らなくても。

U・B> たしかに。でも、今のモードでは無いでしょ?きっと。

空虹桜> おそらく。

U・B> 期待しちゃ負けだと思いますけど。さてさて、まとめをどうぞ。

空虹桜> ボドゲボドゲ(※64)って、まさか秋山君(※65)と友達になってるかもしれないっていう、世界が広いんだか狭いんだかよくわからない状態に陥っていて、万万が一、本人と面と向かったら、言葉出てこない自信しかないっていう。ホント憂鬱だ。

U・B> なにを仰られてるのかよくわかりません。

空虹桜> アタシもよくわかんない。結局、アタシが東京に出てきたこの10年って、小沢健二が活動再開した10年とニヤリイコールなのね。ホントさ、なんでこんな無理矢理同時代性っていうか、同期性みたいなモノを見出そうとするのかっていうね。喋れば喋るほど、踊らされてるというか喋さってる感じになるのが、腹立たしくて仕方が無い。それはそれとして、TARO SOUL(※66)がクレジットされてるけど、どこでコーラスしてるの?全然気づかなかった。

※1^ 長く待った甲斐があるアルバム:空虹さんは、小沢健二とか川本真琴とか、アルバムがなかなか発売されないミュージシャンの大ファン。しかも、その二人がアルバム出したのが2019年。
※2^ リード曲:アルバムのメインとなる楽曲のこと。
※3^ MV:ミュージックヴィデオの略。「彗星」のはこちら。

※4^ 凛音可愛い!:凛音は小沢健二の長男。上でリンクしてるMVに出演してる子どものこと。
※5^ リーリー:凛音の愛称。わざわざ、一度「凛音」と呼んでから、「リーリー」と呼び出すあたり、空虹さん、喋り達者になられた。
※6^ オーバードーズ:薬物の過剰摂取のこと。有名どころではマリリン・モンローやシド・ヴィシャス、金子みすゞなんかもオーバードーズで死んでるって、Wikipedia見てビックリ。
※7^ アルバムタイトルもリーリーが由来とか書いてて:この注釈用に見返してたけど、アレ?いつだっけ・・・?
※8^ 準急:U・Bが運用するRSRファンサイトの略称。それはともかく、アルバムのジャケを紹介し漏れていたので、ここで貼っとく。

※9^ 初期に見ていた女の子も似たようなこと呟いてた:当人が万が一ここ読んだ時に伝われば良いので、具体的には秘す。
※10^ 真貴ちゃん:僕らが大好きなピチカート・ファイヴの3代目ヴォーカル、野宮真貴のこと。
※11^ Eclectic:小沢健二の4thアルバム。 毎日の環境学:の5thアルバム。正式名称は「Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学」いずれも、過去にアルバムレヴュをしているので、まとめページをご覧ください。
※12^ Life:小沢健二の2ndアルバム。一般的に言うところの名盤。 球体の奏でる音楽:小沢健二の3rdアルバム。 5th WHEEL 2 the COACH:スチャダラパーの5thアルバム。過去にレヴュしてるけど、20年近く前なので、いつか再度喋りなおしたい気もする。
※13^ SONGS:NHKの音楽番組。 1995が指してるのあいみょん:あいみょんは日本のシンガソングライタで、彼女の武道館ライヴのタイトルが「AIMYON BUDOKAN -1995-」ってことで、あいみょんの生年である1995に影響を受けたと、直接彼女の名前に言及せず、「SONGS」内で発言していた。
※14^ トランプが大統領やってる間:あと1年もあるのか・・・
※15^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※16^ バカリズムと話してた時:お笑い芸人バカリズムがメインMCのTV番組「バズリズム」出演時の話。
※17^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※18^ 火の鳥かよ!!:ここでは手塚治虫の漫画のこと。
※19^ 車事故ってたの八王子:原因は前方不注意の模様。なお、本件について、Twitter等での発言はこの注釈書いてる時点で見当たらず。
※20^ 石川さゆりバリのコブシ:ある意味、Eclectic的でもあるというのは、U・Bの偏見です。 シッカショ節:まさかWikipediaにページあった!
※21^ ファルセットに逃げなかった:音域が狭いから自分の音域で高音へ行かず、ファルセットで逃げるのが、復帰後のシングル2曲の駄目なところ(by 空虹)
※22^ 過去のライヴレポでも何度か言及はしてる:まとめページにありますので、こちらをご覧ください。
※23^ カルピス:カルピス株式会社が誇る乳製品。
※24^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※25^ AERA:朝日新聞出版が毎週発行する週刊誌。何故か小沢健二が表紙を飾った。
※26^ 「流動体」はライヴ活動再開してから結構経った2017年の曲:小沢健二の活動再開は2010年からなので、7年経ってる。
※27^ SEKAI NO OWARI:メジャデヴュ時にローマ字表記へ日和ったバンド。「フクロウの声が聞こえる」のシングルはSEKAI NO OWARIと共作になっていた。
※28^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※29^ 天縫:小沢健二の次男。次の注釈で引用してる歌詞に名前の由来が。
※30^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※31^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※32^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※33^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※34^ 春の空気に虹をかけ:2018年に行われた小沢健二のライヴツアーの名称。
※35^ 歌詞に自分のペンネームが織り込まれてて二階堂ふみが読み上げてくれてるから:日比谷公園の噴水が 春の空気に虹をかけ 「神は細部に宿る」って 君は遠くにいる僕に言う 僕は泣く(「アルペジオ」の歌詞より引用)
※36^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※37^ この曲は岡崎京子に捧げてる分:漫画家岡崎京子原作の映画「リバーズ・エッジ」主題歌だった。
※38^ 吉沢亮:日本の俳優。もちろん、U・Bの中では仮面ライダーメテオ。
※39^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※40^ ちはる:日本のタレント。1994年にTOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美と結婚し、2010年に離婚。2012年に14歳年下の男性と再婚。
※41^ ぎぎぎのでにろう:日本のラッパーにして、※40で触れている、渡辺俊美とちはるの息子。ちなみに、その後出てくるLB界隈はLittle Bird Nationってユルいヒップホップクランのこと。にしても、「ブギーバック」や「ラブリー」の注釈、いる?
※42^ 東京の街が奏でる:2012年に行われた小沢健二のライヴというか、箱的にはコンサートか。
※43^ サカヲタらしい胡散臭い解釈:4-3-3とか言いたがるあたりが、サカヲタ。
※44^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※45^ フリッパーズの二人:ここでのフリッパーズはフリッパーズ。・ギターなので、小沢健二とCorneliusこと小山田圭吾。
※46^ Mステの風間俊介:ジャニーズの風間俊介が、小沢健二の歌詞を解説していた。 バカリズムの池田エライザ:個人的にはミュゼプラチナムの娘なんだけど、日本のモデル・女優。
※47^ 庵野秀明作品:ヱヴァとかシンゴジとか。
※48^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※49^ スカイツリーの曲:日本橋から東京タワーよりスカイツリーが見えた気がして発言してるけど、アレ?ホントに見えたっけ・・・?
※50^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※51^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※52^ 鳩山由紀夫:残念ながら第93代内閣総理大臣 a.k.a ポッポ。
※53^ ポッポのことは嫌いになっても、友愛のことは嫌いにならないでください!:ポッポの思想信条
※54^ 森博嗣のブログ:日本の作家森博嗣のブログで今更新されてるのは「店主の雑駁
※55^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※56^ 我々、あの場にいたわけじゃない:2018年のフジロックの話。レポはこちら
※57^ ミーム:脳内に保存され、他の脳へ複製可能な情報。って、なんだそれ!
※58^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※59^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※60^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※61^ ザ・アラウンドフィフティー:1968/4/14生まれの小沢健二は、本稿公開時点で51歳。それはともかく、この場合は「ジ・アラウンドフィフティー」では?
※62^ 中村キタローらしいベース:日本のベーシスト。U・B的には山崎まさよしと一緒にやってる時が好き。
※63^ 直近の鉤括弧は歌詞より引用。
※64^ ボドゲ:ボードゲームの略。突然、そんなことを言い出した印象を抱いている空虹さん。
※65^ 秋山君:超短編作家は過去の話で、今じゃすっかりボードゲーム界の有名人こと雲上四季の秋山真琴のこと。
※66^ TARO SOUL:日本のラッパー。U・Bや空虹と同い年の1981年生まれなので、まぁ、オザケンチルドレンだわな。

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