その19「2019/20の空虹桜」

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U・B> そういえば、しばらくやってない駄話があったということで、ネタ切れの埋め草です。

空虹桜> もうツッコむのも飽きてきたけど、言い方には気をつけようね。

U・B> 珍しく空虹さんが優しい!とりあえず、年代の確認とか、「折り詰め」(※1)ができてくれたおかげでだいぶ楽になりました。

空虹桜> ねぇ。「折り詰め」は便利だから、もうちょっと有効活用されたいんだよね。

U・B> 切実なことを突然言わなくて良いです。とりあえず、2019年は「ツナ缶」から「共通点」で、2020年は「バタフライ効果」から「2020冬」まで(※2)ですが、あっ、そうだ。忘れてた。空虹さんは、超短編という500文字以下の短いお話を主に書いており、今回の駄話は、それらを振り返る企画です。

空虹桜> 真面目か!

U・B> 常に、初めての人へ向けてイントロを打つのは、ホストのマナーです。んで、まずは2019年って、空虹さん滅びの話ばかり書いてましたよね。

空虹桜> えっ?ああ。うん。毎年テーマを掲げて競作書くことにしてるけど、たしか2019年のテーマが「終末ディストピア」だったから。

U・B> なにをキャッチィな。

空虹桜> ねぇ。早く滅べばいいと心から思ってるけど、じゃあ、COVID-19に巻き込まれるってのは迷惑だよね。

U・B> そういう問題か!っていう。んで、そんな中で「エクストリーム酒盛り」なんてフレーズが出てきて(※3)、この人は本当に頭が悪いなと思いましたよ。

空虹桜> ああ!書いた書いた。「エクストリーム酒盛り」しようよ。今度。東京から横浜まで飲酒散歩とか、それぐらいスタートで。

U・B> それは単なる苦行。

空虹桜> 苦行好き側の人でしょ?アンタ。

U・B> どんな「側」だよ。つかさ、世界の終わりのせいか、わりと切実な話が多いですよね。2019年。

空虹桜> 切実か切実じゃないかで言えば、もう死ぬまでずっと切実だよ。もうホントいろいろヤだ。

U・B> なにを言う。

空虹桜> シリアスな話をするとさ、2019年のそのトーンが、2020年のCOVID-19シリーズ(※4)に繋がっちゃってんだよね。

U・B> 言われてみるとたしかに。

空虹桜> COVID-19シリーズって、凄いキャッチィで見据えてる距離があるんだけど、話題の欠片にもならなかった、なにがバズりだ。バーカ。

U・B> 自分の無力を棚に上げて他者を罵る。

空虹桜> 自分で作ったものを世に出す羞恥心の無さなんだから、棚に上げられるもんは全部上げるよ。

U・B> 自分のことなのに酷い言い方。とりあえず、COVID-19シリーズは、空虹さんのタイトルセンスが如実だなぁっていう。

空虹桜> ストックから出してるだけだけどね。

U・B> そんな中、「それで強くなれるから」はチャミグリ!の「シェリー」(※5)だと思ってますよ。

空虹桜> なんだっけ?

U・B> いいんで。覚えてくれてなくても。とりあえず、タイトルと内容の一致具合はこれが一番かなぁ。って読んでて思いました。

空虹桜> こういう娘には、ちゃんと手を伸ばしてあげたいというと烏滸がましいけど、一連のシリーズの中では一番優しい話かなぁ。

U・B> 優しい?

空虹桜> 人を信頼してるっていうか。空虹作品って、基本的に他者を信用してないんだよね。

U・B> 自分で言うか?それ。

空虹桜> 冷めてる話しか書けないんだよね。アタシ。それをここ数年凄い自覚していて、冷めてるけどエモい話って、全然ウケないんだよね。

U・B> 仮面ライダーセイバー(※6)見てると、馬鹿がただ感情垂れ流してるだけでウケてますからね。

空虹桜> 知らんがな。

U・B> でもさ、「推し、燃ゆ」が芥川賞取った(※7)りしたのを見ると、文学的なモノって、そういうとこで過剰な特異アピールにポジティヴじゃないですか。

空虹桜> 凄い言い方するなぁ・・・でも、そういう意味では「コンビニ人間」(※8)好きと言ってる人がこんなにいるのに、全然コンビニ人間的な人が許容されないというか、アタシも油断すると拒絶的な態度を取るにつけ、結局は、嘘でしかないんだよね。「好き」って言うのは口だけで受け入れてはいない。そういうポーズを取ることでなにかをアピールしたいだけっていう。

U・B> どこに向けてるのかわからなけど、悪口が酷い。

空虹桜> 津村記久子(※9)読んでるとホッとするのは、客商売なのに客の方向いてない感じがして、それは錯覚なんだけど、この人が書く話としては大切な錯覚なのね。

U・B> いきなり話が飛躍してついていけん。

空虹桜> 芥川賞って、わりと孤独な話をチョイスするんだけど、ホントに孤独かというと、孤独のフリしたい賞なんだよね。だから、作品はちゃんと孤独なのに選評とか見てると、これを選んだわたし凄い。っていうドヤ感がある。

U・B> disが酷い。

空虹桜> 弱者に寄り添えない物語なんて糞だと思ってるから、その「体」であっても、あるだけ好ましいんだけどね。

U・B> なんだかなぁ・・・とりあえず、COVID-19シリーズは弱い人寄りの話ではあったか。

空虹桜> 素直に、アタシは弱いし、強さを諦めてるしね。

U・B> 嘘吐け!

空虹桜> まぁ、わかってはいるんだから、適切なチューニングして、売れる話を書けばいいんだよねぇ・・・

U・B> はいはい。セルアウトしてくださいよ。セルアウト。

空虹桜> やる気ねぇなぁ・・・

U・B> なんの話かわからなくなってきたから終わるけど、この2年ぐらい、空虹さんがずっと書いてる物語って、誰に対するアピールなんッスか?

空虹桜> 誰に対する?・・・もしかしたら、存在するかもしれない理想の読者。

U・B> おおっ!痛々しい発言。

空虹桜> 冷静にツッコまれるとなんなんだけど、すくなくとも視界に受けとってくれる人がいないことは知ってるし、視界にいる人たちに向けてもセルアウトできないの知ってるから、じゃあ、できるだけ遠くの人に捧げるしかないよね。っていう。

U・B> それは偏見じゃなくて?っていうか、ずっと訊こうと思ってたけど、遠くってどこッスか?

空虹桜> 偏見ではないけど、アタシの視野狭窄の可能性はあるよね。ただ、「誰か」をターゲットにしてない物語は誰にも届かない。ってのは事実としてある。あと、アタシが「遠く」って言ってるのは、よくある物語的な飛距離ではなく、近くにいない読者。もしかしたらアタシの物語が必要な誰か。

U・B> やっぱり痛々しいな。

空虹桜> うん。だから、周りを信用してないけど、誰か信用したいって夢見てる厨二病感だよね。自覚はある。「大衆を堕落させる毒」なんて、アタシは超面白いと思ってるけど、絶対受けないのわかって出したもんね。ある意味、これでウケたらアタシの誤読だから、ウケなかったのが正解なんだけどさ。

※1^ 折り詰め:空虹さんが運営しているっぽい超短編まとめサイト「超短編の折り詰め」のこと。
※2^ 2019年公開した作品。2020年に公開した作品。って、それぞれの意。
※3^ エクストリーム酒盛り:「さかもりあがり」より。
※4^ COVID-19シリーズ:COVID-19をテーマにした空虹さんの書き下ろし超短編
※5^ 「それで強くなれるから」はチャミグリ!の「シェリー」:問答無用の名曲。サイト内でもレヴュはしてるけど、一度聞いていただきたいので、敬愛するチャミグリ博物館さんがUPしてるライヴ音源を。

※6^ 仮面ライダーセイバー:近年、稀に見るほどの駄作(U・Bの感想です)
※7^ 「推し、燃ゆ」が芥川賞取った:宇佐見りんはドルヲタではないらしいのだけど、2.5次元ヲタなんでしょうか?(止めなさい)
※8^ コンビニ人間:ナチュラルにアレな人が素直に書いた話を受け入れられる人は、ナチュラルにアレな人なので、そんなにアレな人がたくさんいるハズがないから、つまり、全部嘘っていうわかりやすいロジック。もしも、たくさんいるならLGBTQの問題は雲散霧消するし、そもそも、夫婦別姓を云々する愚かしい時間も発生しない(by 空虹)
※9^ 津村記久子:この人が専業作家でやっているのは、アタシにとって唯一の希望と言ってもおかしくないほどの希望ではある。たぶん、津村記久子ほど頭脳的でなく暴力的なんだよな。アタシは(by 空虹)

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